10 幸せという宝物(脚本)
〇白
「生きなきゃ── 大切なもののために」
「私が 芽依を守らなきゃ──」
「だから、 芽依だけは・・・側にいて・・・」
「ママ・・・ 頑張るから・・・」
〇綺麗な病室
芽依「ママ、まだ起きない?」
克彦「ああ・・・起きろよ、な」
「ママ・・・」
克彦(・・・玲未 どうしてお前はあの時 俺をかばって──)
〇住宅街
──俺が轢かれるはずだった。
そうすれば、
玲未も俺の大切さに気づくだろ?
俺のいない毎日に
絶望して苦しむんだろ?
なのに──
「パパ!」
玲未「芽依、そこにいなさい 絶対に動いちゃだめよ!」
玲未「パパ!」
克彦(は・・・?)
克彦「ママ!」
克彦「ママ・・・?」
芽依「ママぁ・・・」
克彦「嘘だろ・・・」
〇黒
目の前が真っ暗になった。
俺がしようとしていたことを
いざ彼女にされると──
こんなにも、胸が痛くて
辛くて、悲しくて、
絶望的な気分になる。
〇綺麗な病室
克彦(憎いとか苦しいとか 確かにあったさ)
克彦(でも そんな自分の小ささに気付かされた──)
克彦(玲未の俺を想う気持ちは きっと俺よりも──)
克彦(バカだなあ こんな俺を庇うなんて──)
克彦「本当に、バカだなあ・・・」
芽依「パパ・・・?」
克彦「芽依・・・ ごめんな、こんな父親で」
克彦「玲未・・・ ごめんな、お前の気持ちも想いも 自分勝手で汲み取れなくて」
克彦(見返りを求めていたんだな、俺は でもそんなの──)
克彦(──愛じゃ、なかったんだ)
克彦(もう1ヶ月 このまま玲未が目を覚まさなかったら 俺は・・・俺は・・・)
玲未「んん・・・」
玲未「ここは・・・」
「ママ!」
克彦「あわあわあわあわ・・・」
芽依「パパ なーすこーるって 言ってた!」
克彦「あ、ああ、そうだったな!」
玲未「私・・・ あれ、ここ・・・」
克彦「・・・覚えてないのか? お前、雨でスリップした車に 轢かれかけた俺を助けて──」
玲未「え・・・?」
玲未「じゃあ・・・ この世界は、本物なの? 本物の、パパと芽依なの・・・?」
芽依「ほんもの?」
玲未「え、あ・・・えっと・・・」
克彦「玲未、俺だ」
克彦「玲未のことが 世界で一番大切な俺だよ!」
克彦「健やかなるときも、病めるときも、 共に助け合い、共に生きてゆこうって──」
克彦「──愛を誓った俺だよ!」
玲未「愛を・・・?」
芽依「芽依も芽依だよ! いつでもほんもの!」
玲未「は・・・」
玲未(あ、あれ? 私・・・)
玲未「う・・・」
〇住宅街
〇綺麗な病室
玲未(私が・・・ そうか、私が・・・)
玲未(じゃあ、私は・・・ 私は、今まで──)
芽依「ママ・・・?」
克彦「大丈夫か・・・?」
玲未「ふ・・・」
玲未「あ、ぐす、はぁ、・・・ひっく」
克彦「ど、どうした!? 玲未・・・」
玲未「良かった・・・」
玲未「パパも、芽依も・・・」
玲未「はぁぁ・・・、良かった──」
芽依「ママ?」
玲未「なんかね・・・ とても怖い夢を見ていたの──」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
完結おめでとうございます🎉
途中泥沼で、どうやって終わるんだろうとハラハラしていたら、ハッピーエンドでよかったです✨
現実の世界では、蒔田の影響で七海も幸せになってもらいたいですね!
とても面白かったです!!
遅ればせながら完結おめでとうございます。
自分で作るより、他人の愛憎劇は渦中に進む程息苦しくなる体験をさせていただきました。(それが朝永さんの大賞たる由縁だと思います。)
娘さんだけでも側にと願ったのに、旦那さんも改心してくれて本当に大円団でしたね。確かに夫婦って他人なのに近すぎて、時間に忙殺されてお互いに感謝したりしなくなるんですよね。
うちもたまには旦那様にプレゼントでもしようかな。
完結&受賞おめでとうございます!
6話がかなり辛かったのですが、なんとか乗り越えて一気読みさせていただきました。
最後ハッピーに終わって良かったです!
蒔田もいいやつで良かったです!😭
復讐モノとか、考えるとほんと辛いですよね、ゆうりさんお疲れ様でした😭