過去(脚本)
〇古いアパートの居間
吉川 文代 「その後どうなったのですか?」
瀬尾 英作 「はい、その後──」
〇集落の入口
瀬尾 英作 「お見送りありがとうございます!」
瀬尾 町子 「気をつけてね!英作!」
瀬尾 英作 「母ちゃんもな!」
金山 元 「おう!頑張って来いよ!」
瀬尾 英作 「ありがとうございます!金山さん!」
瀬尾 英作 「では!行って参ります!」
瀬尾 町子 「ううっ・・・」
畑中 菊枝 「英作〜!気をつけて〜」
「兄ちゃん帰って来たらまた遊ぼうな!」
瀬尾 英作 「菊枝もな!皆元気でいろよ〜!」
〇白
〇古いアパートの居間
吉川 文代 「・・その・昇さんさんは・・・いつ亡くなられたのですか?」
瀬尾 英作 「3ヶ月後、俺達はソロモン諸島の島を防衛していました」
〇キャンプ地
引田 昇 「あっ!三井さん!」
三井 友彦 「引田君じゃないか!!・・・君も招集されたんだね!」
瀬尾 英作 「2人はお知り合いですか?」
引田 昇 「うん。同じ地区に住んでるんだよ!」
三井 友彦 「偶然だなぁ!」
引田 昇 「娘の雫ちゃん元気にしてましたよ!」
三井 友彦 「そうですか!雫僕の事覚えてるかなぁ?」
引田 昇 「覚えてますよ!」
三井 友彦 「ハハッそうだと嬉しいな!何としても戻らないとな!」
引田 昇 「僕も大切な人を残して来たんで絶対に生きて帰りたいです!」
瀬尾 英作 「すぐ会えるさ!俺が補償する!」
引田 昇 「調子いいな!ハハハツ」
敵襲だぁ!
瀬尾 英作 「行きましょう!」
〇霧の立ち込める森
〇霧の立ち込める森
瀬尾 英作 「こんな視界では何処に敵が潜んでるか分からないな!」
三井 友彦 「皆んな銃を構え伏せて!じっとするんだ!」
2時間後
瀬尾 英作 「クソッ戦況はどうなってるんだ!」
三井 友彦 「私が先にいって様子を見て来るから君たちはここにいろ!もし私が戻って来なかったらすぐに引き返せ」
引田 昇 「わ、分かりました!」
三井 友彦 (何処に潜んでいるんだ!?慎重に進もう!)
〇白
〇霧の立ち込める森
三井 友彦 「どんどん視界が悪くなっていくな!んっ?」
三井 友彦 「危なかった!くっ!ここまで迫ってきてるとは!悔しいがほぼ前線が下げられている・・」
三井 友彦 「手榴弾!?」
三井 友彦 「間一髪だった!はやく退却しないと!」
〇霧の立ち込める森
三井 友彦 「引田君!退却だ!退却!」
三井 友彦 「いない!?何処に行ったんだ?」
〇霧の立ち込める森
三井 友彦 「退却しよう!引田君!」
三井 友彦 「んっ?あれは!何をしてるんだ!?」
三井 友彦 「手榴弾!し、しまった!」
〇霧の立ち込める森
瀬尾 英作 「退却しよう!昇!」
引田 昇 「ああ!」
瀬尾 英作 「大丈夫か?」
引田 昇 「大丈夫だ!はやく自陣に戻ろう!」
瀬尾 英作 「あと、もう少しだ!頑張れ!」
引田 昇 「このまま走り抜けよう!」
「うっ!」
瀬尾 英作 「昇!どうした!」
瀬尾 英作 「おい!しっかりしろ!昇!昇!目をあけろ!」
引田 昇 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「そ、そんな、ウソだ!、昇ぅぅぅぅ!」
〇古いアパートの居間
瀬尾 英作 「逃げてる最中に胸を撃たれて・・亡くなりました・・・」
吉川 文代 「・・・そうでしたか・・亡くなった理由が聞けて少しだけ安堵しました」
瀬尾 英作 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉川 文代 「あの・瀬尾さんの方も・・もしかして・・・」
瀬尾 英作 「はい・・戦争が終わり実家に帰ると──」
〇集落の入口
瀬尾 英作 「無事に帰って来れた!皆に挨拶して回らないとな」
金山 元 「英作!」
瀬尾 英作 「金山さん!無事に戻りました!」
金山 元 「良かった!本当によかった!うぅぅ」
瀬尾 英作 「大袈裟ですよ金山さん!ところで!弟達と母ちゃんは元気にしてますか?」
金山 元 「・・・その・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「何ですか?もしかして元気過ぎて金山さん達に迷惑かけてます?ハハッ!」
金山 元 「・・・・・・全員亡くなったよ・・・・・ 菊枝も一緒にだ・・・終戦前日に数発の空襲があったんだ・・・それで・・・」
瀬尾 英作 「えっ?・・・亡くなった・・母ちゃん・・・小太郎・・・宏太・・・菊枝・・・」
瀬尾 英作 「・・・冗談ですよね?・・・」
金山 元 「・・・本当だ・・・皆空襲から逃げ遅れて・ それで・・・」
瀬尾 英作 「・・・なんで・・・・・・・・・・・・」
金山 元 「・・・墓が空襲で壊された為に、皆の骨は大樹の側に埋めたよ、埋めた所には目印として石を置いてある」
瀬尾 英作 「・・・菊枝・・ウソだ・・・」
金山 元 「待て!英作!」
〇大樹の下
瀬尾 英作 「そんな・・菊枝・・母ちゃん、宏太、小太郎」
金山 元 「・・・・英作・・・・」
瀬尾 英作 「・・・せっかく無事に帰って来たのに・・・」
金山 元 「皆んながお前の無事を祈ってたよ」
瀬尾 英作 「あの時の鬼ごっこまだ途中だったよな・・・宏太、小太郎・・・ううっ・・・母ちゃん最後までなにもしてやれなくてゴメンな・・・」
金山 元 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「くそ!菊枝ぇぇぇ!ううっ!ビー玉一緒に取り出すんじゃなかったのかよ!うぁぁあー!」
金山 元 「・・・英作そろそろ家に戻ろう、こんな、雨の中じゃ風邪ひいちまう・・・」
瀬尾 英作 「・・すいません・・・1人にして下さい・・」
金山 元 「・・・分かった」
瀬尾 英作 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
〇古いアパートの居間
吉川 文代 「・・・瀬尾さんも大切な人を亡くされたんですね・・・辛かったでしょうに」
瀬尾 英作 「はい・・それで生前に昇が文代さんの話をしていて、もし俺に何かあった時には気にかけてくれと・・・それでこの家に来ました」
吉川 文代 「・・・・・・瀬尾さん・お話・・ありがとうございます・・・」
瀬尾 英作 「・・・すいません勝手に押しかけて・・・・迷惑でしたよね・・・明日、ここを離れます」
吉川 文代 「・・・瀬尾さん・・行く宛がないのなら・・ ここに居て下さい。出て行く時は瀬尾さんのお好きな時でいいですから」
瀬尾 英作 「本当ですか!?助かります!」
吉川 文代 「元々ここは私の家ではないですし、それに昇さんがそう言ってる気がします」
瀬尾 英作 「食糧の調達はまかせて下さい!」
吉川 文代 「分かりました、よろしくお願いしますね」
瀬尾 英作 「ハハッ改めてよろしくお願いします、文代さん!」
吉川 文代 「もう・・・調子がいい人ですね、フフッ」
瀬尾 英作 「そうだ!明日の朝、川に行きましょう!俺魚取るの得意なんで!」
吉川 文代 「えっ、でも」
瀬尾 英作 「いい気分転換になると思いますよ」
吉川 文代 「・・・そうですね、行ってみます!」
瀬尾 英作 「よーし、明日は頑張るぞ!ハハハツ」
〇大きな日本家屋
翌朝
瀬尾 英作 「おはようございます!さぁ行きましょう!」
吉川 文代 「行きましょう!」
〇草原
吉川 文代 「いい空気と風!」
瀬尾 英作 「そうですね、それに草原が広々していて良いですね!」
吉川 文代 「はい!」
瀬尾 英作 「あっ!そこ!気をつけて下さい!」
吉川 文代 「ひぇっ!へ、ヘビ」
瀬尾 英作 「苦手なんですか?」
吉川 文代 「あまり好きではえりません!」
瀬尾 英作 「でも白蛇でしたよ!白蛇は幸運を呼ぶ・・・らしいですよ!」
吉川 文代 「それならいいですけど・・・苦手です!」
瀬尾 英作 「アハハッ!」
〇白
昇とは違うタイプの瀬尾というヒーローキャラを生み出してるのがすごいですね‼
図々しそうで繊細というのが、伝わるように描くのは難しいと思います。流石ですね。
文代とのこれからの関係や発展も気になる一方で、秘密があるようなので先が楽しみです‼😃
飄々とした英作さんの悲しい過去に衝撃を受けましたが、文代さんの前ではその悲痛な思いを出さないところに彼の強さと魅力を感じますね!
英作さんの過去を知り前に進もうとする文代さんの姿が印象的で良かったです!