Cross the line(一線を越える)

鷹志

第2話 依存、執着…愛(脚本)

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〇豪華なベッドルーム
美由紀「沙羅、あの小娘・・・」
美由紀「それに直樹さん・・・」
美由紀「もし2人がそういう関係なら・・・」
美由紀「そんなシスコン男、こっちから別れてやる!」
美由紀「本当、気持ち悪い兄妹だわ」
美由紀「あんな男、もう顔も見たくない」
美由紀「・・・」
美由紀「直樹さん・・・」

〇綺麗な会議室
  1年前・・・
課長「ちょっと、あなた何てことしてくれたの!」
美由紀「申し訳ありません」
直樹「・・・」
  私はそのとき、仕事で大事な取引に臨んでいた。
  その相手方の企業の担当者が、直樹さんだった。
  直樹さんがうまくまとめてくれたこともあり、取引は順調に進んでいた。
  しかし、契約直前になって、こちらで重大なミスを犯してしまった・・・
  でも、そのミスは私のせいではなく、上司の課長の指示によるものだった。
  それなのに課長は、そのミスをすべて私のせいにした・・・
課長「すべてこの子のせいです。申し訳ございません」
美由紀「本当に申し訳ございません」
直樹「・・・」
美由紀「あっ・・・」
課長「怒って行っちゃったじゃないの。どうするのよ!」
美由紀「申し訳ありません」
美由紀(本当は全部あんたのせいでしょ!)
課長「何とかしなさい」
美由紀「そう言われても・・・」
課長「あの担当者、人がよさそうな男だから、体でも何でも使ってうまく丸め込みなさい」
美由紀「そんな・・・」
直樹「お待たせいたしました」
美由紀「・・・」
直樹「今、上司に話をしてきました」
直樹「今回のミスはこちらで何とかしますので、契約は予定通り進めましょう」
美由紀「えっ!」
課長「本当ですか!」
課長「ありがとうございます!」
課長「じゃあ、私は帰るわ」
課長「後はしっかりやるのよ」
美由紀「本当にすみませんでした」
直樹「いえ、今回のミスがあなたのせいでないのはわかっていますから」
美由紀「えっ・・・」
直樹「では契約について話を進めましょう」
美由紀「はい!」

〇豪華なベッドルーム
  その取引は直樹さんのおかげでうまくいった。
  直樹さんからその見返りに何かを要求してくるようなことは、一切なかった。
  私の職場は雰囲気がとても悪い。
  上司や同僚もライバルで、職場内には常に不満や嫉妬が充満していた。
  でも、どこの会社もそんなもんだと思っていた。
  だから、直樹さんに会ったときは正直驚いた。
  こんな人がいるんだって
  そして、私は彼に惹かれていき、付き合うようになった。
  付き合ってからも彼はいつもやさしく、私を本当に大切にしてくれた。
美由紀「・・・」
美由紀「やっぱり私は、直樹さんと別れたくない」
美由紀「そんなこと、絶対にできない」

〇豪華なベッドルーム
美由紀「・・・ひょっとして」
美由紀「あの小娘の態度には、別に深い意味はなかったのかもしれない」
美由紀「兄の彼女に嫉妬して、少し意地悪したくなっただけかもしれない」
美由紀「兄妹2人だけでいるんだから、そんなこともあるかもしれない」
美由紀「そもそも・・・」
美由紀「直樹さんがそんなことをするはずがない」
美由紀「あの小娘がベッドでわがままを言ったので、直樹さんが仕方なくそれを止めていた・・・」
美由紀「そんなところかもしれない」
美由紀「きっとそうよ」
美由紀「それだけのことよ」

〇豪華なリビングダイニング
直樹「えっと、沙羅」
沙羅「なあに?」
直樹「その、これからちょっと出かけてくるよ」
沙羅「1人で?」
直樹「えっと、その、美由紀さんと・・・」
沙羅「・・・ふーん」
直樹「遅くなる前には帰ってくるよ」
沙羅「わかった」
沙羅「じゃあ、おいしいご飯作って待ってる」
直樹「それは楽しみだな」
沙羅「えへへ。何作ろうかな?」
直樹「じゃあ、行ってくるよ」
沙羅「行ってらっしゃい」
沙羅「・・・」
沙羅「デートくらいなら、まあいいか」

〇おしゃれなレストラン
美由紀「素敵なお店ね」
直樹「そうだね。料理もおいしいし」
美由紀「また来ようね」
直樹「うん」
美由紀(直樹さん、この前は少し様子が変だったけど、今日はそんなことはない)
美由紀(いつものやさしい直樹さんだわ)
美由紀(この人は私を誰よりも大事にしてくれる)
美由紀(変な意地を張って別れたりしないで、本当によかった)
美由紀(私にはやっぱりこの人しかいない・・・)

〇シックなバー
美由紀「今日は久しぶりに2人で一緒にいられて、楽しかったなあ」
美由紀「直樹さんは?」
直樹「もちろん、すごく楽しかったよ」
美由紀「直樹さん、好き♥️」
直樹「美由紀さん、飲み過ぎだよ」
美由紀「そんなことないわよ」
美由紀「直樹さん、愛してる♥️」
直樹「やっぱり飲み過ぎだよ」
直樹「もう遅いし、送っていくよ」
直樹(沙羅にも早く帰るって言ったしなあ)
直樹「美由紀さん、帰りましょう」
美由紀「やだ」
直樹「えっ!?」
美由紀「今日はずっと一緒にいたい」
直樹「えっ!」
美由紀「私といるのは嫌なの?」
直樹「いや、そんなことは・・・」
美由紀「沙羅ちゃんが心配なの?」
直樹「・・・」
美由紀「大丈夫よ。もう子どもじゃないんだから」
直樹「・・・」
美由紀「それとも・・・」
美由紀「私より沙羅ちゃんのほうが大事なの?」
直樹「そんなことは・・・」
美由紀「お願い」
美由紀「私を1人にしないで」
美由紀「今日はずっと私といて・・・」
直樹「・・・」
直樹「・・・わかった」

〇ラブホテルの部屋
美由紀「直樹さん、愛してる」
美由紀「私にはあなたしかいない」
美由紀「あなたが一番大事」
直樹「・・・俺も君が一番大事だ」
美由紀「本当に? 沙羅ちゃんより?」
直樹「当たり前だ」
直樹「沙羅は妹だ。君と比べたりしない」
美由紀「直樹さん・・・」
直樹「美由紀さん、美由紀・・・」
「・・・・・・」

〇豪華なリビングダイニング
沙羅「お兄ちゃん、遅いなあ」
沙羅「せっかくご飯作っておいたのに、冷めちゃったよ」
沙羅「お兄ちゃんからだ!」
  今日は帰れない。ちゃんと戸締まりして寝るんだぞ(直樹)
沙羅「・・・」
沙羅「お兄ちゃんの嘘つき」
沙羅「・・・」
沙羅「いや、お兄ちゃんが悪いんじゃない」
沙羅「きっとあの女のせいだ」
沙羅「あの女が無理やり・・・」
沙羅「お兄ちゃん、かわいそう」
沙羅「・・・」
沙羅「私がなんとかしなくちゃ」

次のエピソード:第3話 離れられない…

コメント

  • 直樹が優しくて美由紀が好きになるのが分かりました!
    でもその優しさ故に二人の血みどろのバトルの導火線になってしまうという何という皮肉……
    沙羅の笑顔で人を刺しそうな怖さもありますが、美由紀がどんどん悪女になっていく感じも怖いです😫

  • …女って怖い()

  • 『何とかしなくちゃ』って…何をするつもり!?😨
    沙羅が純粋すぎて怖く見えてきますね😇

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