天使と堕天使たち

せら

1 天界へ、そして住人たちとの出会い(脚本)

天使と堕天使たち

せら

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〇神殿の広間
ルシファー「ミカエル、遊びに行くぞ!」
ミカエル「・・・・・・」

〇華やかな裏庭
ラファエル「お茶とクッキー、とっても美味しいね♪」
モラクス「コクリ(黙ったまま頷く)」
ウリエル「お二人とも、おはようございます。 今日も良い天気ですね」
ラファエル「あっ、ウリエル様、おはようございます。 良い天気で良かったです・・・!風も心地よくて」
モラクス「気持ちいい・・・」
ウリエル「ふふ♪お二人は、本当に仲が良くあられますね」

〇華やかな裏庭
  平和だったはずのエデンの園に、災厄が訪れる
ミカエル「・・・あちらから聞こえたわね。何の音かしら」
サリエル「ミカエル様、私が見て参ります」
ルシファー「どけ」
ミカエル「・・・姉上様?随分見た目が変わったわね。 それより、なぜ武器を向けているのかしら」
ウリエル「ミカエル様・・・何やらただならぬ気配がいたします。近付かな──」
  ヒュッ・・・・・・・・・ガキィン!!
ウリエル「ッ・・・!!何を・・・!」
ベリアル「さすが、反応が早いわね♪ 私の相手をしてくれるかしら」
ウリエル「ベリアル様・・・ッ!?」
ルシファー「ベリアル、そいつは頼んだ」
ベリアル「はいはい♪」
ルシファー「・・・あたしは、神を倒しに行く。あたしが、この世界の王になってやる!」
ミカエル「何ですって・・・!?姉上様、どうしたの?」
ルシファー「あんな野郎より、あたしの方が王に相応しいってこと、この力で知らしめてやるってことだよ」
サリエル「おっしゃる意味が分かりません。いかなる理由があろうと、神に刃を向けるのならば、処するのみ!」
ルシファー「お前にあたしは倒せない。それに・・・」
アモン「あなたの相手は私よ。サリエル」
サリエル「アモン・・・!!ルシファーとともに、反するつもりなのね」
サリエル「・・・いいわ。その愚かな行い、地獄で悔やみなさい」
ルシファー「・・・・・・・ミカエル、そこをどけ」
ミカエル「姉上様・・・頭を冷やしなさい。 昨日まで、普通に過ごしてたじゃない・・・」
ルシファー「さぁな。 ミカエル、あたしを止めたいんなら、止めてみろ」
ミカエル「姉であるあなたに手をあげるのは、気が引けるけど。 この楽園を護るのが私の役目── ・・・ルシファー、覚悟しなさい」
  反乱軍の兵士達の雄叫びが響く

〇養護施設の庭
ラファエル「キャアッ!!いたいッ・・・!!」
モラクス「・・・・・・」
ラファエル「モラクス・・・?!どうして・・・?」
モラクス「ラファエル、私は、ルシファー達とともに、この天界に、反旗を翻すことにしました」
モラクス「なので、神に忠義を誓う、ラファエルは、敵。 私は、ルシファーを助けたい」
ラファエル「なにを・・行ってるの・・・?」
ラファエル「ルシファー様が、反旗を翻す・・・? なんで、あのルシファー様が・・・!?」
モラクス「嘘だと、思うなら、神殿に向かってみたら、分かります。 でも、それはさせません。・・・私が、ラファエルを倒すから」
ラファエル「えっ・・・?」
  ワァァァァァァァァァ──!!!!
ラファエル「エデンの様子が、おかしい・・・?」
モラクス「もう、反逆の兵士達が、戦いを始めているみたいです。ラファエル、気付くのが、遅れましたね」
ラファエル「モラクス、お願い、どいて・・・!神様を、守らなくちゃ・・・ それに、モラクスと戦いたくなんてないッ!」
モラクス「私を、力でねじ伏せてからです。ラファエルの全力、見せて下さい」
ラファエル「モラクス・・・」
モラクス(ラファエル、ごめんなさい。 でも、私はルシファーのあの言葉に、 救われたんです)

〇教室の外
モブA「難しすぎてさ〜ばり徹夜した!」
モブC「ヤバいって、今日小テストあるんだよ〜?だいじょぶ〜?」
モブB「それなら俺なんか・・・」
「アハハハハ〜」
  ここは市立青空学園。日本にはあまり無い
  小・中・高と一貫した学校である
  生徒たちはここで日々勉学や部活動に勤しんでいる
「おはよ〜きなこちゃん♪」
きなこ「わぁっ、びっくりしました・・・! あゆかさん、るりさん、おはようございます」
あゆか「今日すごく来るの早かったね!おうち迎えに行った時いなかったから、ビックリしちゃった」
きなこ「はい、実は・・・ 最近神話に興味があって、早めに登校して、図書室でそういった本を調べていました」
るり「ほうほう、神話か〜!ゼウスとか?」
きなこ「神様のお話もとても面白いのですが、天使と、追放された堕天使たちの戦いを描いたものがあるんです。 それがとても気になって・・・」
あゆか「きなこちゃん、何でも勉強しててほんとえらいなぁ〜 じゃあ今日のお昼休み、みんなで図書室行こうよ!」
きなこ「本当ですか!?あゆかさん、ありがとうございます! 紹介したい本がたくさんあるんです」
るり「図書室とかめっちゃ久しぶりかも♪ 楽しみ〜」
あゆか「あれ、るりは一人で行くんだよ?私はきなこちゃんと二人っきり〜」
るり「え〜なんでよー!いじわる言わないでよー」
あゆか「ウソだよ〜。三人三人♪」
きなこ「あはははは♪」
るり「もー、きなこちゃんったら!」

〇図書館
るり「失礼しまーす」
あゆか「わぁ〜、やっぱり図書室って静かだね!私も久しぶりに来たかも」
  トコトコ・・・
きなこ「この辺りが神話の本がよく置いてあるところです」
あゆか「わっ!きなこちゃんこんな難しそうな本読んでるの?すご!」
るり「しっ!声大きいよあゆか。みんな本読んでるんだからもっと声抑えて・・・!」
きなこ「まずはこの本とかどうですか?」
るり「「天使大図鑑」かぁ〜!最初はこっちのがいいかもね♪私読んでもいい?」
あゆか「いいよ〜♪じゃあ私はこの 「最強!悪魔30選」読んでみる!」

〇森の中
あゆか「う〜〜〜ん・・・むにゃむにゃ」
あゆか「ちょっと待て!!知らないうちに寝ちゃってたッ!! ・・・あれ?」
あゆか「ど、どこ、ここ・・・ 私、みんなと図書室で本読んでたんだよね?」
???「おい、あぶねーぞッ!!!!」
あゆか「うわぁ!!!!?」
  ササササ・・・シュンッ
???「ちっ・・・逃げられたか わりぃなビビらせちまって。ここは魔物が多い・・・って、ん?」
???「お前、人間だよな?どうやってここへ来た」
あゆか「え〜〜〜と・・・・・・それが私も気づいたらここにいて・・・」
あゆか「ワカラナイデス・・・」
???「ん〜?嘘付くのか?このルシファー様に」
あゆか「えっっ?!ルシファー!!?もしかして、さっき読んでた本の、あのルシファー!?」
ルシファー「なんだよいきなり・・・ 地上界だとうちら本になってんのか。 ったく、実際にこうやって存在するってのに」
あゆか「あの〜。良かったらサインくれませんか?帰ったらみんなに自慢したいので♪」
ルシファー「は?そのまま帰れると思ってんのか? お前のことはとっくに神にバレてるだろうし、始末書書かされたくねーんだよ」
  ガバッ
あゆか「うわぁッッ!!!?」

〇空
ルシファー「暴れんなよ、人間は落ちるだけで命を落とすもんなぁ〜?」
あゆか「いやぁぁ〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!? 助げでぇ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

〇華やかな広場
きなこ「う、うぅ・・・」
きなこ「すごい頭痛でした・・・」
きなこ「あれっ?ここは・・・? たしか、本を読んでたはずだったのですが・・・」
るり「うぅ〜 ・・・あ、きなこちゃん。なんかさっきすっごい頭痛くてさ、 ってここどこ!?」
きなこ「分かりません・・・急な頭痛で気を失ったかと思えば、このような場所に・・・」
るり「え、これ誰かに誘拐されてるとかじゃないよね? マフィアとか・・・」
きなこ「まふぃあ・・・?何ですか、それ?」
るり「あー・・・こっちの話!きなこちゃんはまだ知らなくても大丈夫だよ!」
???「もう一人は、ルシファーが連れておいでみたいだよ」
るり「!!! きなこちゃん、隠れよッ!!」
きなこ「わっ!?」
???「こんなとこに人間が来るなんて、珍しいこともあるもんだよね〜。神様もどういった経緯か分からないって言ってるし」
るり(コスプレ・・・?見ない格好してる それに・・・なんかあの二人が現れてから周りが明るくなった)
???「そこの茂みに隠れている子たち2人も含めたら、ちょうど三人になるね・・・!」
るり「バレてんじゃんッ・・・!! きなこちゃんは、そこにいて・・・!」
???「アハハッ、見ーつけた☆」
???「ガ、ガブリエル、これは深刻なことなんだよ・・・? あんまり楽しそうにしない方が・・・」
るり「もう一人は、ここに隠れてる。けど、何かしようってんなら、警察呼ぶけど?」
ガブリエル「けーさつ? ラファエル、知ってる?」
ラファエル「ご、ごめんなさい、私も分からない・・・ 多分、あっちの世界での何かの組織なのかも・・・ごめんね、勉強不足だった・・・」
るり「ッバカにしてんじゃないわよ・・・!!」
ラファエル「ひゃあぁぁぁぁ・・・!!!! ごっごめんなさいごめんなさい!あなたを蔑むつもりではないの、私がこんなだから・・・!!」
ガブリエル「もー、ラファエル泣かさないでよ〜!一回泣いちゃうと落ち着くまで時間かかるんだから」
るり「え?ご、ごめん・・・」
るり(よく分からないけど、 めっちゃ悪いやつらじゃなさそう・・・)
るり「あのさ、ちなみにここってどこなのか分かる?」
ガブリエル「ん?天界!」
るり「お願い、真面目に答えて。 ここはどこなの?」
ガブリエル「え〜〜まじめに言ってるよー? ラファエル、どう言ったらいいかなぁ?」
ラファエル「グスッ。 えぇと・・・ここはね、天使と神様がおさめる国なの」
るり「どういうこと??私たち、死んじゃったの?」
きなこ「死んじゃうなんて、嫌です!!」
るり「きなこちゃん!隠れててって言ったのに・・・」
ラファエル「ガブリエル・・・だ、大丈夫?」
ガブリエル「ビックリしたぁ〜・・・いきなりふっ飛ばされちゃった」

〇謁見の間
神「そうか。 如何にしてこの地へ侵入してきたのかは知らぬが・・・ 本当にルシファー、何も無いのだな?」
ルシファー「はい」
あゆか(な、なんか大変なことになっちゃった)
ガブリエル「失礼しまーす、こちらも連れてきました〜♪」
るり「あゆか?!」
きなこ「あゆかさん・・・!会えて良かったです」
ガブリエル「初めは抵抗してたんですけど、魔法でちょちょいのチョイと連れてきました〜」
あゆか「良かったぁ〜〜!!三人揃えば安心だよ!」
ルシファー(なんか・・・見てておもしれーヤツだな。コイツ・・・)
神「再開の言葉は終わりか。 では、この者らの処分についてだ」
あゆか「ええっ!?」
るり「しょ、処分・・・」
ルシファー(・・・・・・・・・)
神「地の界の者が天界に侵入・・・かかる行為は大罪だ。 これは私たちの矜恃にも関わる」
神「よって、この3名の人間たちには明日の朝、弓を用いての処刑と課す」
あゆか「ちっ、違うんです!!ほんとに、起きたら突然この世界に来てて・・・」
きなこ「・・・死にたくないです」
るり「どうか私たちの話を聞いて下さい!お願いしま・・・・・・・・・」
???「神よ、お待ち下さい」
ラファエル「ミカエル様・・・」
神「・・・手短にしろ。ミカエル」
ミカエル「私に、この者らの面倒を見させて頂きたいのです。将来、立派な戦士に昇格するでしょう」
ガブリエル「えーー!?そんな素質は無さそうですけど」
ルシファー「ミカエル・・・」
サリエル「お言葉ではございますが、私からも賛成です。・・・ もし万が一のことがあれば、私が責任をもって断罪いたします」
神「・・・・・・・・・・・・」
神「お主からの願いなど、何百年ぶりか・・・ 良かろう、好きにするがいい」
ガブリエル「アハハハハッ!神様〜照れてる」
神「・・・何を笑っておる。ガブリエル 照れてなどない」
ミカエル「お許し頂けたこと、感謝します」
神「ルシファー、後で◯◯◯地点の攻略について、話がある」
ルシファー「・・・承知しました」
るり「な、なんかよく分からないけど、助かったみたい・・・?」
ミカエル「うふふ。 私はミカエル。さっきは、怖がらせてごめんね」
るり「いえいえっ!! あの、助けて頂いて、ありがとうございました」
きなこ「熾天使、ミカエル様にガブリエル様、ラファエル様・・・ほんとにいたんだ・・・」
あゆか「きなこちゃん、そうだね!私もびっくりしちゃった」
ミカエル「うふ、そこの子は私たちのこと、知っているみたいね。偉い偉い♪」
ガブリエル「えーー!嬉しいなぁ〜〜〜☆」
ミカエル「ではさっそく、あなたたちの住む所を案内するわ」
あゆか「住む所??」
ミカエル「あら、言ってたでしょう? 立派な戦士にするって」
るり「で、でも私たち・・・そろそろお家に帰らなくちゃいけないんです」
ミカエル「あら、このまま帰そうたってそうはいかないわよ。あなたたちを成長させてみたいの」

〇華やかな裏庭
ガブリエル「・・・で、ここが庭だよ。普段はみんなここで息抜きしたりしてるかな!」
きなこ「わぁ・・・すごい・・・!」
あゆか「めっちゃ広いねー!」
ガブリエル「そうでしょー?ちなみにラファエルがここでお茶会してるから参加してってね☆」

〇城の回廊
ガブリエル「・・・次は、鍛錬場!すっごく広いでしょ〜?」
るり「うん。グラウンドの3倍はあるよ・・・」
ガブリエル「そっちの世界もまた今度行ってみたいな〜」
きなこ「良かったら、また今度来てください♪」
ガブリエル「案内はこんな感じかな〜? お腹空いてきたし、そろそろ帰ろっ」
あゆか「わーい、ご飯だ〜〜」
るり「あゆか、やめてよ。恥ずかしいでしょ!」
ガブリエル「あゆかは食べるの好きなんだね。私もお腹いっぱい食べるの大好き☆」

〇城の会議室
ミカエル「三人とも、遠慮しないで召し上がってね。 大丈夫、変なものは入ってないから」
  カチャカチャ・・・
ウリエル「お入れいたします」
きなこ「ありがとうございます・・・!」
ウリエル「いえいえ」
きなこ「さっきの人、お名前なんというのでしょう・・・? 背が高くて、とてもかっこいい方でした・・・♪」
あゆか「きなこちゃん、あんな感じの人がタイプなんだ〜!あとでなまe・・・」
るり「声大きいから!!」
あゆか「ごめん〜〜」
ミカエル「・・・サリエルは?」
ルシファー「さぁ?どうせ鍛錬だろ」
ミカエル「ハァ・・・あの子ったら。 だからあんなに細いのよ」
ガブリエル「今度わたしから言っときまーす」
ミカエル「そう。お願いね、ガブリエル」
あゆか「みなさんって、仲が良いんですね! 本だとバチバチなイメージがあったんですけど」
ミカエル「うふ、そう? 姉上様とは生まれた時から仲がいいし、みんなにも助けられているからね♪」
ガブリエル「お二人ってほんと仲の良いご姉妹ですもんね〜」
ルシファー「まぁそうだな」
あゆか「そうなんですね」
きなこ「ほんとに姉妹だったんですね・・・!すごい・・・」
るり(あれ?でも、本で読んだ感じだと、たしかミカエルとルシファーは敵同士だよね・・? まだルシファーが堕天する前ってことかぁ)

〇貴族の部屋
「わぁぁぁぁぁ・・・!!!」
るり「すっごい広い部屋・・・こんなのホテルでしか見たことない」
あゆか「うんうん。部屋間違えてないよね??」
きなこ「お風呂もとても大きくて綺麗です・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
るり「なんか、すぐには帰れなさそう・・・ でも、ミカエルさんがいなかったら私たち明日には殺されてるんだよね」
あゆか「うん・・・ ミカエルさんが、「ここにいる間は元の世界の時間はほぼ止まってる」って言ってたの、どういうことなんだろ?」
るり「あっちのことは気にしなくていいってことなんじゃない? それよりも、みんなすごく歓迎してくれてたよね」
きなこ「そうですね」
るり「漫画とかでもあるじゃん。 安心させといて、後から・・・みたいな」
あゆか「えぇっ。るり、怖いこと言うのやめてよ〜!」
るり「とにかく二人とも、個人で出歩くのは絶対やめとこう。三人、ちゃんと元の世界へ戻ろ!」
るり「あゆかとか、特に危なっかしいから、変なことしないか心配。 きなこちゃんもだけどね・・・純粋だから」
あゆか「も〜、お母さんじゃないんだから、そんな心配してくれなくても大丈夫だよ」
きなこ「お母さんとお父さんの元に・・・帰りたいです」
「・・・・・・・・・・・・」
あゆか「きなこちゃん、大丈夫!私たちお姉ちゃんが付いてるから!だから、とにかく今は明日に向けてしっかり寝よっ」
るり「そうだね。きなこちゃんは、何も心配することないよ」
きなこ「はい・・・!」
るり「よし、いい子♪ ・・・でも、鍵付きのドアなのは良かったね。安心して寝れるかも」
あゆか「うんうん。 さっ、お風呂入って寝よ!」
きなこ「はい♪」

〇要塞の廊下
きなこ(すごく疲れたのに・・・いろんなことがあったせいかな・・・寝れない ごめんなさいるりさん。出歩いちゃダメって言われてたのに)
???「きなこ様?」
きなこ「わぁっ、ごめんなさい!」
ウリエル「巡回をしておりました。驚かせてしまい申し訳ございません ときにきなこ様。 夜更かしは、関心しませんね」
きなこ「そ、その・・・あまり、眠れなくて。あとちょっとだけ、外を眺めさせて下さい」
ウリエル「・・・そちらの椅子でゆっくり寛いで頂いて構いません。 ホットミルクをお持ちしますー」
きなこ「あっあの、 ここにいてくれませんか・・・? お話したいです・・・」
ウリエル「・・・お話、でしょうか」
ウリエル「申し訳ありませんが、仕事がまだ残って」
きなこ「さ、寂しいんです・・・!少しだけでいいので」
ウリエル「・・・・・ ふふっ。ラファエル様のようで、愛らしいですね」
ウリエル「ホットミルクを入れてまいりますので、召し上がられたら戻りなさい。 寝ない子には、悪魔がやってきますよ」
きなこ「えっ、悪魔が!?こ、怖いです・・・・・・」
  カチャ
ウリエル「はい。熱いのでお気をつけ下さい」
きなこ「わぁ、うさぎさん・・・!ありがとうございます♪」
ウリエル「では、これで」
きなこ「あっあの、お名前は何ていうのですか?」
ウリエル「智天使、ウリエルと申します。 これからしばらくの間、きなこ様。私共々よろしくお願いいたしますね」
きなこ「ウリエルさん・・・!よろしくお願いします あと、おやすみなさい」
ウリエル「いい夢を」
きなこ「・・・美味しい♪カップ、すごく可愛いな。 ウリエル、さん・・・」

〇貴族の部屋
あゆか「ふぁ〜〜、よく寝たぁ」
あゆか「・・・あれ?服が変わってる。制服どこいったんだろ?」
るり「おはよう、あゆか。 私も変わってる・・・鍵閉めたし、誰かが着替えさせたっていうのもおかしいし」
あゆか「きなこちゃんは?」
きなこ「・・・・・・・・・・・・むにゃむにゃ・・・」
あゆか「・・・ぐっすり寝てるね♪ それに、きなこちゃんの制服も消えてる!」
るり「笑いごとじゃないって・・・ きなこちゃん傷とかないよね?大丈夫?」
あゆか「そうだね、心配かも!」
きなこ「うぅん・・・ あ、おはようございます・・・あれ?可愛いパジャマ♪」
あゆか「きなこちゃんおはよー! だよねー♪きなこちゃんの着てるパジャマ妖精さんみたい」
るり「おはようきなこちゃん。 ごめんね、起こしちゃって」
きなこ「るりさん、大丈夫ですよ♪」
あゆか「きなこちゃん、朝から元気だね♪何か良い夢でも見たの?」
きなこ「夢ではないですけど・・・ハイ♪」
るり「あっ、ハーイ!」
???「起きてっかー? 挨拶の時間だぞ」
きなこ「何ですかそれって?」
あゆか「私も分からないよ、きなこちゃん」
るり「分かりました、準備してすぐ出ます!」
???「おー 部屋着のままでいいぞ」
るり「さっきの声ってルシファーさんだよね?このカッコなこと知ってるんだ。 てか髪の毛ボッサボサなんだけど!」
あゆか「挨拶ってなんだろー?学校でいう朝の挨拶みたいなやつかな?」
るり「分かんないけど・・・ ・・・二人とも、準備できたー?」

〇謁見の間
「おはようございます」
神「おはよう。 ・・・挨拶は毎日この時間から始まる。頭に入れておくことだ」
「はいっ、分かりました!」
ミカエル「あゆか、るり、きなこ、おはよう。 まずは、お着替えしなくてはね」
「わぁ!!」
あゆか「えっ!!!」
きなこ「お洋服が・・・」
るり「変わった・・・!!」
ミカエル「うふふ♪地上界の人たちの服を見よう見真似で作ってみちゃった」
ルシファー「おー似合ってんじゃん」
サリエル「お言葉ですが、不適当かと・・・」
ミカエル「あら、いいじゃないサリエル。 三人ともとってもお似合いだし。それにこのお洋服、ちゃんと頑丈に作ってあるのよ?」
るり「ミカエルさんありがとうございます。少し不安でしたけど、気慣れた洋服でよかったです」
あゆか「私もすっごく気に入りましたー!ありがとうございます、ミカエルさん!」
きなこ「ありがとうございますミカエルさん。とっても可愛いです♪」
サリエル「「ミカエル様」と呼びなさい。処するわよ」
あゆか「わっ、ごめんなさい!」
ミカエル「どちらでも良いのよ、三人とも。 呼びやすい方で呼ぶといいわ」
サリエル「ミカエル様・・・」
神「座興は終わりか。 ではこれより、儀式を始める!」
「ごくり・・・・・・」
神「オォペプペプペプペプペプシコーラァ オォエルオ・オ・オーエルオエル サラリーマンohコインtheランドゥリィ」
神「サラリーマンohコインtheロックァ デカデパデカデパデカデパデカデパート wowロッテジャンボスゥパァ」
神「これで本日の儀式を終いとする・・・ハァハァ」
ミカエル「さぁ、戻りましょう」
「・・・・・・・・・・・・・・・え??」

〇城の会議室
ルシファー「さぁて、人間3名の鍛錬をするにあたってのメンターを発表していくぞ」
「めんたぁ?」
るり「先輩みたいなものよ」
ルシファー「そういうやつだな。三人分うちが決めてる。 じゃあまずあゆかの面倒は、うちが見ることになった」
あゆか「ル、ルシファーさん?!」
ルシファー「残念か?ビシバシ教えてやる」
ミカエル「姉上様に選ばれて良かったじゃない。彼女から教わった子はみんな出家してるのよ」
あゆか「優しくお願いします〜・・・」
ルシファー「じゃ、次 るりのメンターは、ガブリエル!」
るり「え?ガブリエルさん?」
ガブリエル「精一杯教えるね〜☆着いてきてね!」
るり(なんか・・・ほんと申し訳ないって分かってるけど、この子アホそう)
ルシファー「じゃあ、最後のきなこのメンターは、 ラファエルだ」
ラファエル「きなこちゃん、こんにちは。 一緒に、弓を上達させようね・・・♪」
きなこ「はい。ラファエルさん、よろしくお願いします!」
ルシファー「よし、メンターとメンティーの発表は終わりだ。 今日から、武器の扱い方とか、メンターに教わるようにな。解散!」

〇城の回廊
ルシファー「よーし。あゆか、あたしに着いてこい!」
あゆか「はいっ!先輩!」
あゆか「せ、せんぱーい、ま、待って・・・」
ルシファー「おい、まだ30分だぞ。そんなんじゃその辺の雑魚にも勝てねーぞ」
あゆか「ゼェッ、ハァッ、ゼェッ、ハァッ ・・・しんどいよ〜〜〜〜!」
ルシファー「おい、止まるな。速度下げてやるから、ちゃんと着いてこい」
あゆか「うえ〜〜〜〜、るり〜。きなこちゃ〜〜ん!」
  一方その頃
ガブリエル「だーかーらー!今は私の言うことだけ聞いてればいいのー!!」
るり「なにそれ・・・!その言い方、教える立場としてどうなの?」
ガブリエル「そんな怒るなら魔法拳教えてあげないよーだ!」
るり「いいわよ、私はラファエルさんのとこに変えてもらうから!」
ガブリエル「えーーっ!?ルシファー様に怒られちゃうからそれはやめて〜!!」
きなこ「るりさん達、けんかしてる・・・?」
ラファエル「二人とも、仲良くなれたらいいけど・・・」
ラファエル「・・・・・・・・さてと・・・ 私たちは、この辺りで練習しよっか」
きなこ「はい!よろしくお願いします、ラファエルさん」
ラファエル「こちらこそよろしくね・・・♪ まずは体力作りをしていこっか」

〇城の回廊
ルシファー「よしっ、今日はとりあえずここまでだ! おつかれさん」
あゆか「も、も、もう立て・・・ない・・・・・・」
ルシファー「ははは、これ毎日するんだぞ?」
あゆか「え〜〜〜〜〜〜〜ッ?! 武器っていつ持たせてくれるんですか?」
ルシファー「まず基礎体力がねぇからな。・・・そうだな、あそこの山3つ15分で超えれるようになったら大剣を教えてやる」
あゆか「あの大きな山3つも!?30分どころか、一週間かかりそう・・・っ!」
あゆか「・・・でも、強くならなきゃ家に帰れないですもんね!頑張ります!!」
ルシファー「お前の根性にかかってんな。 よしっ、風呂と飯行くか!早く立たねーと置いてくぞ」
あゆか「わわっ置いてかないで〜〜!」

〇荒野
  同時刻、荒野にて
サリエル「ヤッ、ヤッ、ハァッ!!! ・・・・・・ハァ、ハァ」
???「随分と、穏やかな素振りね」
サリエル「・・・・・・何の用?」
アモン「明日の討伐戦、あなたと私とルシファーで向かえ、との指示よ。 邪魔をすれば敵共々あなたも遠慮なく殺すわ」
サリエル「明日あなたと一緒ですって・・・?なんであなたなんかと・・・ 邪魔するほど興味ないわ、一人孤独に死んでくれる?」
アモン「なんですって・・・ッ? どうやら殺されたいみたいね。その口、二度と開かないようにしてあげる」
サリエル「残念だけど殺されるのはあなたの方。 月の力を込めた剣、ナメてかかると後悔するわよ」
アモン「ハァッ!!」
サリエル「ヤァッ!!」
「ハァーーーーーー!!!!」
ウリエル「そこまで」
「ウリエル!!?」
サリエル「・・・邪魔をしないでくれますか?」
サリエル(気付かなかった!いつの間に間に・・・。 それにこいつ、武器を足だけで!?)
アモン「・・・止めに来たの?」
ウリエル「ルシファー様から、会議が遅くなってしまうので止めに行ってくるように、との言いつけがございましたので」
アモン「ルシファーから・・・ そう。ならいいわ。わざわざ呼びに来てくれて、どうも」
サリエル「・・・ウリエル。必ず、あなたを超える」
ウリエル「・・・・・・お身体を壊されないようにだけ」
ウリエル「・・・・・・・・・」
???「相変わらずねぇ」
ウリエル「何用でしょうか。ベリアル様」
ベリアル「さっきの攻撃の受け方は良かったわよ さすが、飲み込みが早いわね〜🎵」
ウリエル「お褒め頂き、光栄です」
ベリアル「喋り終える前に帰ってしまうなんて、サリエルちゃんも苦い子よね」
ウリエル「・・・お怪我さえなければ良いのです」
ベリアル「ウリエルらしいわね。 それより、最近人間が入り込んだと聞いたわ。どんな感じなの?その子たち」
ウリエル「私が思っているより、忠実な者たちですよ。・・・ベリアル様と比べれば」
ベリアル「嫌ねぇ、私と比べないでウリエル。 ・・・まぁ、部外者をよく神も許したものね。 すぐ処分されちゃうでしょうけど」
ウリエル「・・・左様、ですね」
ベリアル「? らしくないわね、その反応。 あぁそうだ、これから暇なんでしょう?私と一杯付き合ってくれる?」
ウリエル「かしこまりました」

次のエピソード:2 いざ、出陣!!

コメント

  • 天界では天使だらけで夢のようなウフフアハハな毎日かと思ったら、天使にも裏切りやら訓練やら戦闘やらがあって気が休まりませんね。始末書の心配をするべらんめえ調のルシファーもツボでしたし、神様の儀式のあのセリフ、笑わず真顔でいる自信がないです。

  • 天使たちの反逆、一体目的はなんなのだろう?
    恐らくソーシャルゲームが流行しなかったら、こういった天使たちの名前もここまで広まらなかっただろうなぁと関係ないところで思いました。

  • 誰が本当の天使で誰が堕天使なのか、はっきりとはわかりませんでしたが、昨日の友は明日の敵・・的な要素もあり、無常なものなんてありえないんだなあと感じてしまいました。

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