第六話 オーダーメイド(脚本)
〇居酒屋の座敷席
──あらすじ──
陽花は会社の後輩に頼まれ
合コンに参加することとなった
田所胡蝶(こちょう)「え~、楠原先輩も来られたんですかぁ?」
田所胡蝶(こちょう)「彼氏さんいるのにダメですよぉ!」
楠原陽花(はるか)(出たよ・・・)
楠原陽花(はるか)「もう別れたけど?」
楠原陽花(はるか)(お前が原因でな)
田所胡蝶(こちょう)「えー、また捨てちゃったんですかぁ? これで何人目ですぅ?」
社員「ちょ、田所・・・!」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
デザイン会社社員「た、田所さんはさ、なんで 楠原さんのこと先輩って呼んでんの?」
デザイン会社社員「大学の先輩とか?」
田所胡蝶(こちょう)「やだぁ、違いますよぉ」
田所胡蝶(こちょう)「楠原先輩は私より5歳も年上だから、 大学一緒になったことないですぅ」
田所胡蝶(こちょう)「あ、『先輩』って言い方、 もしかして子どもっぽいですかぁ?」
田所胡蝶(こちょう)「恥ずかしい~」
楠原陽花(はるか)(はぁ・・・)
楠原陽花(はるか)(まぁ、客寄せパンダ的に 参加しただけだし)
楠原陽花(はるか)(適当に飲んで食べてようっと)
〇雑居ビル
〇居酒屋の座敷席
デザイン会社社員「あ、そうそう!」
デザイン会社社員「聞~てよ、こいつ童貞なんすよ。 誰かもらってやってくれません?」
デザイン会社社員「ぶひゃひゃ♪」
田所胡蝶(こちょう)「やだぁ」
社員「あははは、もー」
小田真希也(まきや)「はは・・・」
楠原陽花(はるか)(酔っ払い・・・)
デザイン会社社員「田所さん、どう?」
田所胡蝶(こちょう)「ふぇ?」
田所胡蝶(こちょう)「あの、だって、初めての時は 慣れてる人が相手じゃないと痛いって いうじゃないですかぁ」
田所胡蝶(こちょう)「はぅう、私、何言ってるんだろう」
デザイン会社社員「え? 田所さんって処女? ヒュウ♪」
田所胡蝶(こちょう)「もー、えっちですよぉ!」
楠原陽花(はるか)(本当に何言ってんだろうな、こいつ)
デザイン会社社員「楠原さんどう思います? この歳で童貞ってヤバいですよね?」
小田真希也(まきや)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)「清らかでいいんじゃない?」
デザイン会社社員「え?」
小田真希也(まきや)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)「男女平等が叫ばれるこの時代、 女の処女性だけがありがたがられ」
楠原陽花(はるか)「男の童貞が笑いものになるの、 変でしょ?」
楠原陽花(はるか)「私は素敵だと思うな」
楠原陽花(はるか)「私のために生まれてきてくれた、 オーダーメイドの存在、って感じで」
小田真希也(まきや)「・・・!」
デザイン会社社員「マジすか。 いや、だって童貞ですよ?」
楠原陽花(はるか)「あなた、処女好き?」
デザイン会社社員「えっ? あ、まぁ・・・」
楠原陽花(はるか)「女だけが、 使用済みの中古をありがたがるなんて おかしくない?」
田所胡蝶(こちょう)「・・・・・・」
田所胡蝶(こちょう)「楠原さん、下品ですよぉ。 いくら童貞狩りが好きだからって」
楠原陽花(はるか)「略奪が好きな人よりは 下品じゃないかなぁ」
田所胡蝶(こちょう)「・・・っ!」
楠原陽花(はるか)「小田くんだっけ? 隣行っていい?」
デザイン会社社員「嘘だろ、あの楠原さんが・・・」
小田真希也(まきや)「あ、はいっ、どうぞ!」
小田真希也(まきや)「あの、さっきはありがとうございました。俺のこと庇ってくれて」
楠原陽花(はるか)「気にしないで。 昭和感漂うイジリがウザかっただけ」
楠原陽花(はるか)「今時まだあるんだ、あぁいうの」
小田真希也(まきや)「あいつ、酔っぱらうと 下ネタに走るんですよ」
楠原陽花(はるか)「なるほど」
楠原陽花(はるか)「小田君って、前にウチとコラボした 商品の開発に携わってたよね?」
楠原陽花(はるか)「文具の」
小田真希也(まきや)「あっ、そうです!」
小田真希也(まきや)「俺がデザインした商品、楠原さんが 動画で紹介してたの見ました!」
楠原陽花(はるか)「あのデザイン、手にフィットするし、 負担を下げるように さりげない工夫されてて良かったよ」
楠原陽花(はるか)「使い心地が軽くてびっくりした」
小田真希也(まきや)「気づいてもらえたんですね! そこ、頑張った部分なんで嬉しいっす!」
社員「え、なんか小田君って」
社員「もしかして有能な人?」
社員「あの楠原さんが褒めてるし・・・」
田所胡蝶(こちょう)「・・・・・・」
〇雑居ビル
〇渋谷のスクランブル交差点
デザイン会社社員「じゃあ、ZUGZAGの皆さん、 本日はありがとうございました」
社員「こちらこそ、楽しかったです。 セケルさん」
小田真希也(まきや)「あのっ、楠原さん!」
楠原陽花(はるか)「はい?」
小田真希也(まきや)「あの・・・、 また連絡してもいいですか?」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
小田真希也(まきや)「ごめんなさい、やっぱり取り消しで」
小田真希也(まきや)「俺なんて楠原さんに 全然釣り合ってないですもんね」
小田真希也(まきや)「分かってるんです」
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胡蝶、やってくれますね~🤣いやぁ、どうにか叩きのめしたい❗そしてハルちゃんは、最高です😆カッコいいーーー✨
あーこういう女性憧れちゃうなぁ😍でもすぐそばにいたら、嫉妬しちゃいますかね?
田所ぉー、またお前はー!!
と怒りを露わにしながら読んでいましたが、陽花さんの切れ味鋭い発言にスッキリです!
それにしても、小田くんにはバッドエンドしか見えない展開に、、、好青年なのに。男性は、女性から寄せられる肯定・評価の言動から意識していくことが多いですよね。男女の恋愛スイッチの差って難しいですね。
これが、そんなつもりはないのに思わせぶりな〜、ですね。100%男の勘違いなのに。身に覚えがあるのでメチャクチャ胸が痛いです😂 いや、わかっちゃいるんですけどね。
いやしかしそれにしても描写が上手い。勉強させて頂きます。
m(_ _)m