馬鈴

山縣将棋

庇い(脚本)

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〇大きな日本家屋
吉川 文代 「お祭り楽しかったです!また来年も連れて行って下さいね!」
引田 昇 「もちろんですよ!一緒に行きましょう!」
吉川 文代 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
引田 昇 「どうしました?文代さん?」
吉川 文代 「あの、昇さんにお願いがあります!聞いて頂けますか?」
引田 昇 「何でしょうか?」
吉川 文代 「私の事を文代と下の名で呼んでいただきたいです!」
引田 昇 「あ、えっ?いきなり?ですか?」
吉川 文代 「ダメでしょうか?」
引田 昇 「わ、分かりました!呼ばせてもらいます・・では、ふ、ふ、文代!」
吉川 文代 「はい!これからはずっとそう呼んでくださいね!約束ですよ!」
引田 昇 「それでは僕からもお願いがあります!」
吉川 文代 「はい!何でしょう!」
引田 昇 「来年の春の祭りの日に『めおと』になり、またあの馬に乗りましょう!」
吉川 文代 「そ、それって、ふ、夫婦になるという事ですよね?」
引田 昇 「その通りです!」
吉川 文代 「是非!昇さんの隣にずっといます!」
引田 昇 「並んでいて下さいね文代さん!」
吉川 文代 「もちろんです、あっ!さん付けはダメですよ!」
引田 昇 「そうでした!アハハハハハ!」

〇古民家の居間
吉川 文代 「玄関先に野菜が置かれてあったのですが誰か持って来てくれたのですかね?」
引田 昇 「お裾分けですね!置いてくれた人が分かったら、お礼を言わないといけませんね!」
吉川 文代 「そうですね!」
引田 昇 「それより、一日中歩いて疲れてはないですか?」
吉川 文代 「へっちゃらですよ!今、夕ご飯作りますね!」
引田 昇 (ハハッこの幸福が長く続けばいいなぁ!)
  トントン・・・
  引田さんお帰りですか?茂木です!
引田 昇 「はーい!今、戸をあけます、お待ちください」
引田 昇 「茂木さん!どうされました?アザだらけじゃないですか!」
茂木 兵吾 「いや、派手に転んだだけです・・・くっ・・すいません・・・手紙を代わりに預かっておりました!・・どうぞ」
引田 昇 「・・わざわざすいません!・・涙が出てるではありませんか!お身体の方は本当に大丈夫ですか?」
茂木 兵吾 「・・・・・・大丈夫です!・・・失礼します」
引田 昇 (僕宛に手紙?何だろう開けてみよう)
引田 昇 「へっ?白紙?」
引田 昇 (・・・茂木さんが何か知ってるかもな、追いかけて聞いてみよう)

〇神社の石段
「茂木さ〜ん!お待ち下さ〜い!」
茂木 兵吾 「な、何でしょうか?引田さん」
引田 昇 「いや、あの・・・この手紙の事なのですが」
茂木 兵吾 「わ、私は知りませんよ!・・・それでは!」
三井 雫 「あっ!茂木のおじちゃん!さっきは大丈夫だったの?」
引田 昇 「大丈夫って、雫ちゃん、何があったの?」
三井 雫 「なんかね、殴られてたの!手紙がどうとか言ってた!」
茂木 兵吾 「ははっ!勘違いしてるんだよ!さっ雫ちゃんもう家に帰ろう!送っていくよ」
引田 昇 「待って茂木さん、教えて下さい!手紙の事!何があったのですか!」
茂木 兵吾 「お話したくありません!」
引田 昇 「どうかお願いします、何か悪い予感がするのですが・・・覚悟はしています!」
茂木 兵吾 「・・・わ、分かりました・・・お話させていただきます・・・」
引田 昇 「・・・お願いします・・・」

〇白

次のエピソード:戸惑い

コメント

  • 茂木さんの優しい想いと昇のシーンはこれから起ころうとしてることが予測できるが、見入ってしまう!文代さんのキャラステキです!

  • 文代さん、とっても可愛いですね!
    その当時ならではの距離感と、その中でも懸命に距離を縮めようとする2人の姿が胸を打ちますね!

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