Vtuberの復讐戦争

紗卦冬葉(さけとば)

#7 記録① -罪と罰-(脚本)

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〇黒
  あなたたちの中で
  罪を犯したことのない者だけが
  この女に石を投げなさい
  新約聖書
  ヨハネ福音書8章7節より、意訳

〇空
  13年前

〇黒背景
  今日の天気は
  昼から未明にかけて雨となる予報です
  傘の準備を忘れずにして───

〇アパートのダイニング
???「・・・行ってきます」

〇黒
  どこにも居場所は無かった

〇学校の下駄箱
???(早く、見つかる前に帰らなきゃっ・・・)
  ちょっと、待てよ?
クラスメイト「どこ行くんだよ?」

〇黒
  どこにも居場所は無かった

〇田舎の教会
???「あっ」
???「かえっ、返して、教科書っ」
  うっせー!
クラスメイト「臭ェ〜教科書! いま洗ってあげてるでしょ〜!ほらぁ!」
クラスメイト「呪われちゃうから 素手で触らないようにしないとね・・・」
クラスメイト「雨で臭い落ちると良いね〜?ははっ」
  あはははは!
  生まれた時から、
  私に居場所なんて・・・
「きゃああああ!」
クラスメイト「何何!?」
クラスメイト「サイッアクッ!」
  主は正しい者にも正しくない者にも
  『雨』を降らせてくださる
  マタイ福音書、5章45節より───
シスター「ってね?クソガキ共が」
シスター「『身体に水がかかった事』 それ自体には大した意味は無ェンだよ」
シスター「お前らにかかった水・・・ それは『天罰』なのか?」
シスター「はたまた『恵みの雨』なのか?」
シスター「『主』は全部見てンだよ?(クイックイッ👍」
  Amen(分かってるよな?)
  ッ!
  死ね!くそばばあァッ!!
シスター「あーあ、穢らわしい」
???「う゛っ、うぅ」
シスター(・・・)
シスター「教会は、『迷える子羊』の為にある」
シスター「清めてやるから」
  さっさと入れ?

〇白いバスルーム

〇教会内
???「色々・・・ ありがと、ございました・・・」
シスター「今回、私はお前を救ったけど」
シスター「次回も救ってあげる『義務』は無ェよ?」
「え?」
シスター「『試練』ってのは 『耐えられない程の物』は与えられない」
シスター「『打開策』『逃げ道』『抜け道』 どんな物にも何かしらの突破口はある」
???「・・・」
シスター「主の言葉さ」
シスター「『諦め』っていう『悪魔の誘惑』は いつか『堕落』を招き、身を滅ぼす」
「・・・」
シスター「御託並べたが、 難しい話じゃねェーよ?」
シスター「『救われるように考えて動きな』」
  『叩けよ、さらば開かれん』
  
  って奴さ
???「・・・っ」
???「私、は、」
???「いじめら、れたくないです・・・っ」
莢蒾 ナゴミ(がまずみ なごみ)「嫌、なんです!こんな目に遭うの!」
シスター「・・・」
シスター「・・・辛くなったらここに来な」
  『拠り所』は、いくらあっても良いもんさ

〇田舎の教会

〇田舎の教会
シスター「おっ」

〇空
  『止まない雨は無い』
  
  ってね

〇田舎の教会
  私は、それから
  いじめられることは無くなって
  学校帰りにこの協会に通い、
  色々な事を教えてもらうようになった

〇黒
  わたしが『煌めく剣』を研ぎ
  手に『裁き』を握る時
  わたしは敵に『仇』を返し
  わたしを憎む者に『復讐』するであろう
  わたしの『矢』を血に酔わせ
  わたしの『剣』に肉を食わせるであろう
  『殺された者』と
  『捕えられた者』の血を飲ませ
  敵の長髪の頭の肉を
  
  食わせるであろう
  旧約聖書「申命記」第32章40-42節
  『モーセの歌』より、意訳

〇教会内
莢蒾 ナゴミ(がまずみ なごみ)(怪文書じゃん・・・)
  ペラっペラっ
莢蒾 ナゴミ(がまずみ なごみ)(・・・他にも怖いこと沢山書いてるなぁ)
シスター「これは、かの有名な預言者 モーセが死の間際に歌ったもの」
シスター「初見だと怖い内容に感じるだろ?」
シスター「『目には目を歯には歯を』ってね? 残酷な報復を正当化してた時代の書物さ」
シスター「キリスト教の前身─── ユダヤ教の発足には、 『当時の過酷な生活環境』が背景にある」
シスター「故に、だ」
  私たち人間の発してきた全ての物には
  必ず人間的な『思想』や『理由』がある
  何事も多角的に捉えられる人間になれ
  この聖書に書かれてる『言葉達の意味』を
  色々な角度からみて、考えろ
  そして最後に、いちばん大切なこと

〇白
  自分自身を愛するように隣人を愛しなさい
  主も、使徒たちも、遍く流布してきた
  『隣人愛』についての一節
シスター「世界(ジンセイ)を良きものにする為に 世界(ダレカ)を愛せよ、という『教え』」
シスター「ゆめゆめ、忘れず、 心に刻んでおけよ?」
  Amen(そうなりますように)

〇古いアパート

〇アパートのダイニング
  シスターはいつも
  大切なことを教えてくれるけど
  私の現実(セカイ)の家族(リンジン)は、
  私に興味が無いみたいだ

〇黒
  故に

〇謁見の間
姫ちゃん「魔王討伐! 行ってこいや〜!」
プリーストちゃん「嫌だが?」
姫ちゃん「・・・」
プリーストちゃん「・・・」
  私は現実なんかより、
  非現実(アニメ)に救いを求めていた───
  と、思うのだ

〇黒背景
  あっ
  聖書、教会に忘れちゃったな・・・
  ・・・暗くなる前に、取りに行こう

〇荒れた公園
クラスメイト「ねぇ、あのカメラ 学校に出されたらどうしよう」
クラスメイト「でも、今のところ、 私たち何ともないよ?」
クラスメイト「・・・脅されてるんだと思う」
クラスメイト「アイツいじめたら 『公開する』って事じゃないかな?」
クラスメイト「・・・」
クラスメイト「人生の汚点、残されたくないし」
クラスメイト「・・・壊す、しか無いかな?」
クラスメイト「やるのは早い方が良いよ、きっと」

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コメント

  • うわあ〜いいキャラのシスターがあ〜
    そうですか、それでVチューバーをシスターで...
    立ち絵とキャラをここまでリンクさせてるの本当に凄いです

    姫や修道士、ファンタジーの中のキャラがここまでリアルの人間の内面を表すんですね


  • 銃でも持ってそうなシスターでした。いいキャラでしたが使い捨てと。何とも豪快。
    この作品に出てくるキャラクターが教会に居たから救われたなんてエピソードが来るとも思ってませんでしたが、やはり想像の斜め上でした。石持ってそっちいくかー。

  • ヤンキーシスター最高すぎでしょ👍
    どこかで再登場させてほしいです❤

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