あなたの特別

羽遊ゆん

8.不穏(脚本)

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〇黒
  ― 4月中旬 ―

〇おしゃれなレストラン
鷲尾拓海「いらっしゃいませ!」
「・・・」
「・・・」
高校生A「鷲尾さん、忙しそうですね♡」
高校生B「お手伝いしてあげたいなぁ♡」
鷲尾拓海「あはは」
鷲尾拓海「お気持ちだけいただいておきますね」
「きゃ~~! やっぱ鷲尾さんの笑顔っていいよね~♪」
南「・・・」
女性客A「あの、注文いいですか?」
鷲尾拓海「はい、今うかがいます!」
女性客A「ねえ、あなたって、新しいバイトさん?」
鷲尾拓海「はい、先月から働いています」
女性客A「へぇ、そうなんだ」
女性客A「私、久しぶりに来たんだけど・・・来る回数、増やしちゃおうかな」
鷲尾拓海「え・・・っと、ありがとうございます?」
女性客A「うふっ、可愛い~♡」
女性客A「キャラメルラテ、ホットでお願いできる?」
鷲尾拓海「ホットのキャラメルラテですね、かしこまりました」
南「・・・」

〇中規模マンション
  ― 翌日(店休日)の夜 ―

〇綺麗な部屋
前嶋琴美「うん♪ こんな感じで・・・いいかな?」
前嶋琴美(あ)
前嶋琴美「はぁい」

〇玄関内
前嶋琴美「はいはーい! どうぞ~」
鷲尾拓海「お邪魔します!」
  店休日の夜は、拓海くんと晩御飯を
  
  一緒に食べるようになっていた

〇綺麗な部屋
鷲尾拓海「うわぁ、タケノコ!」
前嶋琴美「美味しそうなタケノコ売ってたから♪ 今、旬でしょ?」
鷲尾拓海「タケノコご飯に、天ぷら♪」
鷲尾拓海「美味しそ~♪」
前嶋琴美「拓海くん、タケノコ好きなんだね♪」
鷲尾拓海「はい♪ タケノコは好きですけど・・・炊き込みご飯全般が好きです」
前嶋琴美「あ、そうなんだ♪ じゃあ今度は、別の炊き込みご飯作るね」
鷲尾拓海「ありがとう、琴美さん!」
前嶋琴美「じゃあ、食べよ♪」
「いただきまーす♪」
鷲尾拓海「僕・・・店休日が楽しみで仕方ないんですよ」
前嶋琴美「ん? なんで?」
鷲尾拓海「夜まで琴美さんに会えないのは淋しいけど」
鷲尾拓海「夜になったらこうして琴美さんとご飯が食べられるから」
前嶋琴美「そ、そっか!」
前嶋琴美(んも~、恥ずかしげもなくこういうこと言っちゃうんだから・・・)
前嶋琴美(嬉しいけど、照れる~~!)
前嶋琴美(ふふっ、笑顔で美味しそうにご飯ほおばって・・・)
前嶋琴美(可愛い♪)
前嶋琴美(あ、そーだ!)
前嶋琴美「拓海くん、昨日も女性のお客さんに気に入られてたね」
鷲尾拓海「あ・・・あの、あーいうのって、どう対処すればいいのか・・・」
前嶋琴美「・・・対処?」
前嶋琴美「昨日みたいに、笑顔で応対すればいいと思うよ?」
鷲尾拓海「・・・でも」
前嶋琴美「ん?」
鷲尾拓海「・・・ぃや、わかりました!」
鷲尾拓海「笑顔、ですね!」
前嶋琴美「うん♪」
前嶋琴美「そーだ、拓海くん、嫌いなものは?」
鷲尾拓海「あまりないけど・・・強いて言うなら匂いのキツイ漬物とか」
前嶋琴美「あ、そうなんだ! キムチとかも?」
鷲尾拓海「そうですね・・・好んでは食べませんね」
前嶋琴美「そっか~、じゃあ・・・」
前嶋琴美「冬になったら、キムチ鍋しよ~♪」
鷲尾拓海「え!? ちょ! 琴美さん!?」
前嶋琴美「あっはは! 冗談冗談♪」
前嶋琴美「安心して♪ キムチ鍋じゃない、美味しい鍋を作ってあげるよ」
鷲尾拓海「やった~♪」
鷲尾拓海「あ、琴美さん、今度晩御飯を作るとき、僕も一緒に作ってみたいんですけど」
前嶋琴美「うん? いいけど。 あ、料理の勉強?」
鷲尾拓海「一緒に料理すれば、琴美さんと過ごす時間が増えるでしょ?」
前嶋琴美「そ、そっか」
前嶋琴美(も、も~! ホントにこの子は・・・ 好意がストレート過ぎ!)

〇黒
  ― 数日後 ―

〇大学の広場
  ― 拓海の通う大学 ―
南「あ~! 拓~! 待ってよ~!」
鷲尾拓海「・・・」
南「もぉ、先に行かないでよ!」
鷲尾拓海「バイトがあるんだから、仕方ないだろ?」
南「あ、あのね! 拓・・・ちょっと話があるの」
南「こっちに来て!」
鷲尾拓海「え!? ちょっと南!」

〇華やかな広場
鷲尾拓海「ちょっと南~、なんでこんな場所に──」
南「・・・」
南「あ、あのね! 私って、拓の・・・なに?」
鷲尾拓海「なに? 急に」
南「私は、拓のこと好──」
鷲尾拓海「南は、僕にとって一番──」
鷲尾拓海「気の合う女友達、でしょ?」
鷲尾拓海「南みたいに気を遣わないでいい女友達、いないからなぁ・・・」
南「・・・」
鷲尾拓海「あれ? 南、どうしたの? 今日はカフェ寄らないのー?」
南「き、今日は、用があるから 行かない!」
鷲尾拓海「・・・」

〇街中の階段
南「ひっく・・・」
南「ずっと拓のそばにいたのに・・・」
南「私の気持ち・・・」
南「全然・・・伝わってなかった・・・」
南「うぐっ・・・ひっく・・・」
南「拓の気持ちが私に向いてないのに」
南「告白したら、そばにいられなくなっちゃう」
南「拓のそばにいたいのに・・・」
南「そばにいるのが、つらい・・・」
???「・・・お嬢さん」
南「・・・え?」
???「私が力を貸しましょうか?」
南「え・・・と、あなた、誰?」

〇黒
  ― 5月中旬 ―

〇おしゃれなレストラン
高校生A「やっほ~♪ 鷲尾さん♡」
高校生B「今日も来たよ~♡」
鷲尾拓海「いらっしゃいませ!」

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コメント

  • 南ちゃんの切ない気持ちを悪用するとは……!😱
    もう琴美の気持ちもかけらも残ってなさそうだし、もはやただのお邪魔虫ですね😂
    わたしの中で彼の名は邪魔杉邪魔男になりました。

  • 南ちゃんの傷心はわかってたといえ、心に来ます😭😭😭そんな心理状態の人を利用しようとするのですね😡😡😡

  • あっ、そうか、タクミくんて、
    一度見たら忘れない特異体質でしたね!
    いいなぁw 忘れっぽい私には羨ましい…。
    さておき、ラブラブですね!
    この先ラブラブシーンが待ち受けてるので、
    楽しみに読ませていただきます😊

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