宝石の王妃(脚本)
〇女性の部屋
晶(あきら)「ふあー ビミョウな目覚めだわ」
晶(あきら)「夢の中で真珠の声を聞いた気がする」
晶(あきら)「何を言っていたかは 忘れちゃったけど・・・」
晶(あきら)「喋る真珠ってことは ・・・うちの母も魔法少女だったのかしら?」
晶(あきら)「あれ? 左腕に張り付いてたガーネットが 消えてる・・・・・・」
晶(あきら)「どうしたんだろう? 旅行かな? 宝石は旅行なんてしないか・・・?」
晶(あきら)「・・・心配なんかしてないんだからね! あんなチャラ宝石 どうせいろんな女 口説いて回ってるのよ」
晶(あきら)「・・・・・・全部夢だったのかも」
晶(あきら)「いや、昨日ゴーストからもらった ブローチもあるし」
晶(あきら)「カーチャンから貰ったパールも あっ!」
晶(あきら)「2つに割れてる なぜ・・・?!」
晶(あきら)「寝る前に首から外して 机の上に置いたから」
晶(あきら)「落としたり踏んづけたりした 覚えもない」
晶(あきら)「喋る宝石は いつも着けてないと 壊れたりするのかな?」
晶(あきら)「・・・なぞが多すぎる」
晶(あきら)「とりあえず金継ぎで いい感じにくっつけよう」
晶(あきら)「カーチャンの前では着けられないな 気まずい・・・」
カーチャン「あきらー! 早く起きなさい」
晶(あきら)「起きてるって!!!」
晶(あきら)「考えても仕方ない 学校行こう」
晶(あきら)「パールはポケットに入れておこう 割れたり無くなったりしたら いやだし」
〇明るいリビング
晶(あきら)(ママって魔法少女やってたことある? とか聞けないわ・・・ やばいやつと思われるだろう・・・)
カーチャン「どうしたの? 神妙な顔して」
晶(あきら)「いや、なにも。 いってきます」
カーチャン「? いってらっしゃい」
〇音楽室
晶(あきら)「うへー 合唱コンクールの季節よ」
晶(あきら)「私、一人で歌うのは好きなのよね ハアー 合唱曲よりボカロ歌いたい」
晶(あきら)「特にダークなボカロ曲がいいわ」
晶(あきら)「合唱コンクールじゃなくて カラオケコンテストだったら いいのになあ」
合唱コンガチ勢「ちょっとあんた! ちゃんと声出してよ」
晶(あきら)(ワワワ 出た合唱コンクールガチ勢だ)
ガチで歌いたくない勢「・・・・・・」
合唱コンガチ勢「なに? 歌えない理由でもあるの?」
ガチで歌いたくない勢「・・・」
合唱コンガチ勢「はっきり言いなさいよ!!」
晶(あきら)(この やな感じ ゴーストが出そう)
晶(あきら)「って思ったすぐにでたー!」
晶(あきら)「怖いのは勘弁してー!」
咄嗟に
ポケットの中のノースポールパールを
握りしめた
〇音楽室
晶(あきら)「学校で変身しちゃった 誰も見てないよね?」
晶(あきら)「・・・たぶんパールパワーで 変身してると思うんだけど」
晶(あきら)「そのノースポールパール本人(?)の 姿が見えないな」
晶(あきら)「割れると本調子じゃなくなるのかも」
晶(あきら)「今日は一人でゴーストに 宝石を渡すのか」
晶(あきら)「不安だけど 宝石って不思議 身に着けているだけで 力が湧く」
晶(あきら)「ジェムセラピー (宝石光線療法)ってのもあるらしいよ」
晶(あきら)「はて、このゴーストスペースは 誰が作ったものなんだろう・・・?」
ちょうだいちょうだい
きれいな宝石
ちょうだいちょうだい
宝石の力で私も強くなれるはず
晶(あきら)「それはどうかな? 石はいしだし」
うるさい
はやくよこせ!
晶(あきら)「いしのちからってスゲ~!」
パールが輝きを放ち
ゴーストの黒い波動から
守ってくれた
晶(あきら)「ねえ、ゴースト どうして強くなりたいの?」
私は攻撃される!
やりたいようにできない
攻撃される!
晶(あきら)「やりたいようにやっても 攻撃されないかもよ」
・・・?!
晶(あきら)「それを望んでいるんでしょう」
ええ・・・
晶(あきら)「望んでるものがわかるなら もう大丈夫」
晶(あきら)「そっちに意識向けておいて 現実が変わるから」
・・・・・・わかった
試してみる
晶(あきら)「ほあ・・・」
安心したせいか
急に眠気がきた
晶(あきら)「欠伸すると涙がでる・・・」
晶の涙は宝石に変わった
晶(あきら)(いいこと思いついた)
晶(あきら)「この涙の宝石に 思いきって 行動できるおまじないかけたよ 食べてごらん」
ありがとう・・・
涙の宝石を食べた
ゴーストはブローチに変わった
晶(あきら)「毎日、光り物のコレクションが 増えるな・・・」
晶(あきら)「このブローチ 集めるといいことがあったり するのかな?」
晶(あきら)「わからん・・・」
ゴーストスペースが晴れていく・・・
〇音楽室
滝川「委員ちょー」
合唱コンガチ勢「どしたん滝川」
滝川「俺やっぱり指揮じゃなくて歌うほうがいいな 誰かに変わってもらってもいいですか?」
合唱コンガチ勢「ええ? いきなり何?」
滝川「まだ合唱コンの曲決まって 練習始まったばっかりだし いいんじゃない?」
合唱コンガチ勢「それもそうね」
合唱コンガチ勢「誰か指揮したい人いる?」
ガチで歌いたくない勢「・・・はい」
合唱コンガチ勢「朝比奈さんね」
合唱コンガチ勢「じゃあ 滝川くん 指揮教えてあげて」
滝川「わかりました〜」
合唱コンガチ勢「じゃあ他の人たちは2番から練習しよう」
〇音楽室
晶(あきら)「・・・ほっ」
晶(あきら)「丸く収まってよかった パールだけに!」
〇川に架かる橋
学校からの帰り道・・・
晶(あきら)「最近不思議なことばっかりだなあ」
晶(あきら)「退屈しなくていいけど 怖いのはやめてほしい」
晶(あきら)「一体私は何に 巻き込まれているんだろう?」
宝石商「気になりますか?」
晶(あきら)「ワア! でたー!」
晶(あきら)「ガーネットがいなくなったんだけど 何か知ってる?」
宝石商「ええ 王妃に相応しくないため 私が消しました」
晶(あきら)「ええー こわっ」
晶(あきら)「チャラいけど消すまではないでしょう」
宝石商「パールを壊したのも ガーネットなのですよ」
晶(あきら)「こわ・・・」
宝石商「彼の黒薔薇気質は やはりジュエリーサーヴァントに 向きません」
晶(あきら)「・・・・・・」
宝石商「あなたが望めば またガーネットは 現れるでしょう」
晶(あきら)「どういうこと・・・?」
宝石商「まだ秘密です」
晶(あきら)「さっき 王妃って言ってたけど 誰?」
宝石商「お分かりでしょう」
晶(あきら)「わからない 私は結婚したことないし これからもすることはない」
宝石商「さて 未来はわかりませんよ?」
晶(あきら)「なんか バカにされてるみたいで はらたつー セクハラ!」
宝石商「ふふふ パールを修復しましょう」
晶(あきら)「この真珠もジュエリーサーヴァント なんだね・・・」
晶(あきら)「ということは 私のカーチャンも魔法少女?」
宝石商「そのうちわかりますよ」
晶(あきら)「モヤモヤするなあ」
宝石商「謎はゆっくり解いていくものです ひとのペースに合わせる必要は ありませんよ」
宝石商「はい 修理が終わりました」
晶(あきら)「元通りになってる・・・! さすが宝石商」
宝石商「いつも身に着けてあげてください あなたの力で 真珠の輝きが 増します」
宝石商「それでは またお会いしましょう」
晶(あきら)「行ってしまった・・・ まだいろいろ聞きたいことが あったのに」
晶(あきら)「王妃・・・か」