ダリアの旅立ち

三玉亞実

第一話 こんな人生が死ぬまで続くのだろうか(脚本)

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〇水中
  ブクブク・・・
  ダリア「・・・」

〇小さな小屋(ガムテープあり)
  ダリア「きゃあああああ!!!!」
  ダリア「はぁ・・・はぁ・・・夢・・・か」
  ドンドン
  ダリア「は、はい!」
  女将「ダリア!何を叫んでるんだい?!」
  ダリア「ご、ごめんなさい!ちょっとネズミが出て・・・」
  女将「はぁ?そんなんで叫ぶんじゃないよ!ネズミなんてしょっちゅう出るでしょうが!」
  ダリア「き、気をつけます・・・」
  女将「さっさと支度しな!お客様がお目見えだよ!」
  ダリア「はい!ただいま!」
  ダリア「・・・はぁ」
  ここは娼館メゾンクローズ。
  世間から見捨てられた女性が、最後の希望として縋り付く場所。
  私もその一人。
  ダリア「・・・よし」

〇けばけばしい部屋
  コンコン
  ダリア「失礼します!」
  ダリア「ご指名ありがとうございます!ダリアです!」
  客A「デュボホホホホホホホ!!!!」
  ダリア「えっと・・・どのようなプレイをお望みですか?」
  客A「デュバラボえええええええ!!!!」
  ダリア「いやああああああ!!!!」

〇暖炉のある小屋
  女将「ひぃ・・・ふぅ・・・みぃ・・・」
  女将「なんだい?!これっぽっちしかぶんどれなかったのかい?!」
  ダリア「も、申し訳ございません・・・」
  女将「お前は他の子よりも若いんだから、適当に色目使ってたぶらかしなさい!」
  ダリア「私にそんなこと・・・」
  女将「新米のくせに、口答えすんじゃないよ!」
  ダリア「す、すみません・・・」
  女将「まぁ、何はともあれ。お前はちゃんと稼いだ訳だし、分け前を与えないとな」
  ダリア「あ、ありがとうございます!」
  女将「ほれ」
  ダリア「ありがとうござ・・・」
  ダリア「あ、あれ?」
  ダリア「あの・・・なんでこんなに少ないんですか?」
  女将「決まってんでしょ。お前の管理費を差し引いてるのさ」
  ダリア「だとしてもこれは・・・パンの半分すらも買えない」
  女将「生意気言うんじゃないよ!」
  ダリア「きゃっ!」
  女将「お前の寝床を貸してやってんのは誰だい?お前の空腹を満たしてやってんのは誰だい?」
  女将「ただでさえ、いっぱいいっぱいの状況でお前を雇ってやったというのに・・・文句ばっか言いやがって!」
  女将「嫌ならとっとと荷物をまとめて出て行きな!身寄りがあればの話だけど」
  ダリア「も、申し訳ございません!文句は言いませんから!どうかここにいさせてくれないでしょうか?」
  女将「・・・ふん。まぁ、まだ使えるから置いてあげてもいい」
  ダリア「あ・・・ありがとうございます!」
  女将「分かったのなら、さっさと行きな!明日もバリバリ働くんだよ!」
  ダリア「はい!失礼します!」
  女将「ふふふ・・・バカな小娘」
  女将「お前は私から自立できないよ」
  女将「一生ね・・・アハハハハハハ!!」

〇小さな小屋(ガムテープあり)
  ダリア「・・・」
  ダリア「はぁ・・・」
  ここで、私は寝床と食事を得る代わりに、金持ちを相手に性的サービスを行なっている。
  まぁ、見ての通り、苦労して手に入れたお金もほとんど女将に奪われちゃうけど。
  ダリア「こんな生活・・・一生続くのかな」
  コンコン
  ダリア「は、はい!」
  ???「あたしだよ〜?今、大丈夫?」
  ダリア「あ、ラーマさん!ちょっと着替えます!」
  ラーマ「おっけー!」
  ダリア「えっと・・・」
  ダリア「これでよし。どうぞ!」
  ラーマ「ヤッホー!遊びにきたよ〜!」
  ダリア「ラーマさん、ようこそ!」
  この人はラーマさん。
  この娼館に古くからいるベテランだ。
  私がここに来た時に、とても親切にしてくれた。
  それ以来、本当のお姉さんのように慕っている。
  ラーマさんとの会話が、この日常の中での唯一の癒しだった。
  ラーマ「ほんとあのババァ、金の亡者だよね!あたし達が死ぬ思いで働いた金をほとんど持っていくんだよ?!」
  ダリア「ラーマさんでも持っていかれるんですか?」
  ラーマ「もちろん!あたしが稼げば稼ぐほど持っていかれるの。そんで貰えるのは、パン一個分しか買えない程度」
  ダリア「ら、ラーマさんですらそれしか・・・」
  ラーマ「まぁ、住ませてもらっている立場だから文句言えないけどね」
  ダリア「・・・そうですよね」
  ダリア「私達、一生あの人の奴隷なのでしょうか」
  ラーマ「う〜ん・・・分かんないわ」
  ダリア「でも、希望はある」
  ダリア「ほ、ほんとですか?!」
  ダリア「ちなみにそれはどういう・・・」
  ラーマ「買ってもらうの。私達を」
  ダリア「か、買う?」
  ラーマ「たまにお客様の中に、相手をしてくれた方が気に入って、女将に交渉して売られることがあるの」
  ラーマ「そういう人は上流階級かブルジョアの成金がほとんどだから、衣食住に困ることはない」
  ラーマ「これしか、ここを出る方法はないわ」
  ダリア「そうなんですね・・・私には無理ですね」
  ラーマ「えぇ?!どうして?」
  ダリア「私はラーマさんみたいにスタイル良くないし、明るくもない・・・」
  ダリア「他のみんなに比べたら、まだまだ未熟で、とても買いたいとは思えない代物だから・・・」
  ラーマ「そんなこと無いよ〜!あなたの真面目な所とか、礼儀正しい所とか、あたし大好き!」
  ダリア「・・・ラーマさん」
  ラーマ「あ、そうだ!」
  ラーマ「ねぇねぇ、あの歌聞かせてくれない?」
  ダリア「え?・・・あれですか?」
  ラーマ「そうそう!あなたの歌声を聞かないと、眠れなくてさ〜!」

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コメント

  • 夢のような展開が待っていましたね、しかし、ここから絶頂期を迎え、そしてその先には…続きが楽しみです。

  • ニャンダフルウォッチの影響がここにも!?(違)
    ではなく、セリフ入力がなされていなくても伝わる魅力いっぱいのストーリーですね。ダリアのマイナススタートからの人生、今後どうなるのか楽しみです!

  • こんばんは!
    とても読みやすくてテキストだと気づきませんでした!
    主人公はどん底生活から這い上がれるのか?気になります!

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