第二話 これが私と彼との初めての出会い。(脚本)
〇小さな小屋(ガムテープあり)
ラーマ「あの・・・失礼ですけど、どなたですか?」
ダルシア「こ、これは失礼しました!まだ名乗っていませんでしたね」
ダルシア「私は劇場『シアトレ・ウベート』の支配人、ダルシアと申します」
ラーマ「ええええええ?!シアトレ・ウベートって、あのシアトレ・ウベート?!」
ダリア「ご存知なんですか?」
ラーマ「知ってるも何も、数々の伝説を残した歌姫や俳優を輩出した劇場よ!」
ラーマ「パリで知らない人はいないって言うほど、有名よ!」
ダリア「そ、そんな凄い所に・・・」
ダリア「あ、あの・・・じょ、冗談ですよね?」
ダルシア「いいえ、本気です」
ダルシア「あなたの歌声は間違いなく、伝説級の才能を秘めています」
ダルシア「舞台に立てば、必ずこれまでの人生では味わえないほどの莫大な名誉と富を得ることができると思います」
ダルシア「どうか来ていただけないでしょうか?」
ダリア「うーん・・・急に言われても」
ドタドタドタドタ!
女将「ちょっと!勝手なことをすると人を呼ぶよ!」
ダリア「おっ、女将さん・・・」
ダルシア「お邪魔してすみません。私は・・・」
女将「なるほど・・・要するに、その子が欲しいと言うんだね?」
ダルシア「はい」
女将「でも、タダってわけにはいかない。あたしは、この子を雇っている雇用主だからね」
女将「もしその子をあんたが引き渡した場合、本来手に入るはずの従業員一年分の稼ぎを失うことになる。これは非常に大きい」
ダルシア「では、お支払い致します。おいくらでしょうか?」
女将「話が早くて助かるよ♪う〜ん、そうさね・・・」
女将「五千万はいただこうかね♪」
ダルシア「ご、五千万?!」
ラーマ「この金の亡者!そんなの払えるわけないじゃない!」
女将「おだまり!」
女将「・・・おや?何を驚いてるんだい?劇場支配人なら支払うのは容易いだろ?それにあの有名な劇場なら・・・」
女将「それともなんだい?この子にそんな価値はないとでも思ってるのかい?」
ダルシア「いえ、違います!彼女は間違いなく億単位以上の価値を秘めている宝石です!」
女将「億単位・・・ほほう」
女将「じゃあ、一億ね」
ダルシア「えっ・・・」
女将「値下げなし。分割払いも禁止だよ」
女将「さぁ、どうすんだい?」
ダルシア「うっ、くぅ・・・」
ダリア「なんて下劣なの・・・相手が金持ちだからって、一億も取るなんて・・・」
ダリア「どうしても、私をここにいさせたいのね・・・本当に酷い人・・・」
ダルシア「払います」
ダリア「・・・え?」
女将「ほう!」
ダルシア「えぇと・・・」
ダルシア「はい、どうぞ」
ダリア「うわっ!」
ラーマ「ええええええええ?!」
女将「ぬひょーーーーー!!!!」
女将「ぬんが、くんか、スンスンスン・・・」
女将「う〜ん!間違いない!本物だよ!」
ダルシア「では、彼女を譲っていただけますね?」
女将「もちろん!もちろん!あんな小娘なんか劇場でも牧場でもどこへでも好きなように連れてってください!」
女将「じゃあ、ダリアちゃん♪お達者でね!」
ダリア「は、はい・・・」
女将「ルンルンル〜♪ラララ〜♪」
ラーマ「ほんとお金に貪欲ね・・・あいつ」
ダルシア「では、改めてまして、ダリアさん」
ダリア「は、はい!」
ダルシア「私の劇場へようこそ!」
ダリア「は、はい!よろしくお願いします!」
ダルシア「では、明日の朝、お迎えにあがります」
ダリア「はいっ!よろしくお願いします!」
ダルシア「では、おやすみなさい!」
ダリア「おやすみなさい!」
ラーマ「おめでとーーー!!!」
ダリア「あ、ありがとうございます!」
ラーマ「よかったじゃん!これで晴れてここから卒業だね!」
ダリア「本当に・・・夢みたいです」
ラーマ「よーし、今日は先輩のおごりよ!この街でそこそこ高級なレストランに行きましょ!」
ダリア「えっ?!でも、お金が・・・」
ラーマ「ふ、ふ、ふ・・・実はこっそりお客様からもらった代金をこっそり自分用に取って置いて貯めていたのよ!」
ダリア「それ、バレたらまずくないですか?」
ラーマ「まぁ、細かいことは気にしない♪気にしない♪」
ラーマ「で、でも本当にいいんですか?」
ダリア「コツコツと貯めていたヘソクリを私なんかに使っちゃって・・・」
ラーマ「いいの!私の可愛い後輩が無事に巣立っていくのが嬉しいからお祝いさせて!」
ダリア「ラーマさん・・・」
ラーマ「さぁ!そうと決まれば、おめかししないと!」
ラーマ「その格好だと入れないから、私が前にお客さんに貰ったのがあるからあげるね!」
ダリア「何から何までありがとうございます!」
ダリア「いいのよ♪いいのよ♪」
その夜、私はラーマさんと今までの食事とは比べ物にならないほどのご飯を食べた
ラーマさんとはこれで最後となると悲しい。だから、夜明けまでいっぱいお話をした。
今までにないくらい幸せな時間だった。
〇中世の街並み
〜翌朝〜
ラーマ「うぅぅうううう・・・・・・」
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ラーマさん素敵!慈愛に満ち溢れてますね!
その一方での女将さん、札束を見たときのリアクションが……。「ぬひょーーーーー!!!!!」って、人生で出くわしたことのないリアクションに笑ってしまいました。