御野町0丁目に御案内

萩野 須郷

エピソード7〜Target4 タカダヤマト②〜(脚本)

御野町0丁目に御案内

萩野 須郷

今すぐ読む

御野町0丁目に御案内
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇白いアパート
「──やっぱり」
アオバレイコ「アンタのことは、 生かしておくことにするわ」
アオバレイコ「一度命を落とせば、 絶望は一瞬で過ぎ去ってしまう・・・でも」
アオバレイコ「生きていれば、ずーっとあなたを 苦しませることができるんですからねえ・・・」
ヘンミユカリ「うっ、ひぐっ・・・ さ、さいてーな、ばけもの・・・」
アオバレイコ「ふん、そんな化け物が、 あなたに一つ忠告しましょう」
アオバレイコ「今後、決して タカダヤマトと関わらないこと」
アオバレイコ「もし関わったら──わかってるわね?」
ヘンミユカリ「・・・!!」
アオバレイコ「そうそう、あと、今後 タカダヤマトに会う時があったら、」
アオバレイコ「彼に一言、こう言ってちょうだい」
アオバレイコ「アオバレイコが来た ・・・とね」
アオバレイコ「それじゃあね、ユカリさん 二度と会わないことを祈ってるわ」
ヘンミユカリ「あお、ば・・・れいこ・・・」

〇病室
  2日後 14:30 病室
ヘンミユカリ「・・・」
「ユカリッ!!」
タカダヤマト「だ、大丈夫か!? 重傷を負ったって聞いたけど・・・」
ヘンミユカリ「・・・!! ヤマ・・・ト、くん」

〇白いアパート

〇病室
ヘンミユカリ「あ・・・いや・・・ いやああああ・・・」
ヘンミユカリ「やめてッ!! こっちに来ないで!!」
ヘンミユカリ「お願いだから、 二度と私の前に姿を現さないでェッ!!」
タカダヤマト「ゆ、ユカリ? 一体どうし・・・」
ヘンミユカリ「・・・が来た・・・」
タカダヤマト「え?」
ヘンミユカリ「アオバレイコが来た・・・」
ヘンミユカリ「いやあああああああッ!!」
看護師「へ、ヘンミ様! 一体どうしたのですか!?」
ヘンミユカリ「早くこの男を・・・ すぐここから追い出してッ!!」
看護師「──あなた! ヘンミ様に一体何を・・・!!」
タカダヤマト「え、いや 俺は別に・・・」
看護師「いいから私についてきなさい! 話は後でじっくり聞きますからね!!」
ヘンミユカリ「・・・はあ、はあ、はあ」
ヘンミユカリ「ごめん、ヤマトくん、 ごめんね・・・」

〇雑踏
  ──アオバレイコ──
  まさか、その名前を
  社会人になってからも耳にするなんて、
  俺は、思ってもいなかった
  俺は学生時代、あいつに告白されたことがある
  確かに当時は、最低な返事をしてしまったけれど
  あいつ、その過去を今もまだ
  引きずっているのか・・・?
タカダヤマト「「アオバレイコが来た」 ・・・か」

〇シックなバー
  22:20 ワインバー
タカダヤマト「・・・はあ」
タカダヤマト「俺は一体、 これからどうしたらいいんだろう」
タカダヤマト「警察に相談するか? いやでもなあ・・・」
タカダヤマト「・・・はあああ・・・」
「マスター、あの不幸そうな坊やに 1杯、私からの奢りで」
タカダヤマト「・・・!」
「どうしたのよ、浮かない顔しちゃって」
アライセナ「お姉さんに話してごらんなさい」
タカダヤマト「あ、えっと、その・・・」
タカダヤマト「急に、彼女に 振られてしまって・・・」
アライセナ「あらあら、それで落ち込んでいたのね ・・・かわいいわあ」
タカダヤマト「でも、それだけじゃないんです 昔俺が振った女が、ちょっと関わってるみたいで・・・」
アライセナ「なるほど、彼女と昔の女が ドロドロしちゃったワケね」
アライセナ「・・・まあ、色々思うところは あるでしょうけど」
アライセナ「今日だけは、たくさん飲んで忘れなさい」
アライセナ「あんたイイ男なんだから ・・・きっと、全て上手くいくわよ」
タカダヤマト「・・・!」
タカダヤマト「ありがとうございます 少し心が軽くなりました」
アライセナ「それは良かった じゃあ今夜は──」
アライセナ「お金なんて気にせず、飲み明かしなさい ・・・私が全部奢ってア・ゲ・ル」
タカダヤマト「・・・はい!!」
  傷心中だった俺の心が
  じんわり暖かくなった気がした
  だから、ちょっと気が緩んでしまったのかもしれない
  この女性なら、
  俺の全てを受け入れてくれると
  そして俺はこの日の夜、
  この女性と密な一夜を過ごしてしまった──

〇二階建てアパート
  次の日 10:30 タカダヤマト アパート前
タカダヤマト「あの、昨夜は 色々と申し訳ございません」
アライセナ「フフッ、イイのよ、別に」
アライセナ「・・・すっごく、アツい夜だったから♡」
タカダヤマト「!!」
アライセナ「それじゃあね ・・・また連絡するわ」
タカダヤマト「は、はい、また・・・」
アライセナ「ふう、まさかこんなことになるなんてねえ」
アライセナ「年下は恋愛対象外だと思っていたけど ・・・案外、イイもんね」
アライセナ「ふふ、次はいつ会おうかしら・・・」
「・・・ふふ、次なんて、ないわよ」
アオバレイコ「あの女も・・・ 粛清、確定ね」

〇二階建てアパート
アライセナ「・・・え?」

〇雑踏
  ──そうしてセナさんは重傷を負い、
  ユカリのように俺から離れていった
  「アオバレイコが来た」
  そう言い残して──

〇二階建てアパート
「・・・もう、我慢の限界だ」
タカダヤマト「確かに過去の俺が悪かったことは認める ・・・だけど」
タカダヤマト「他の人たちを傷つけるのは許さない!」
タカダヤマト「アオバレイコッ! 近くにいるんだろ、出てこいッ!!」
タカダヤマト「言いたいことがあったら、 俺に直接言え!!」
  ・・・ワカッタワ
  お望み通り、姿を現してアゲル
アオバレイコ「久しぶりね・・・ヤマトくん」
タカダヤマト「・・・お前が、やったんだな?」
タカダヤマト「ユカリのことも、セナさんのことも」
タカダヤマト「お前が、彼女たちを傷つけた!! どうしてだ!!」
アオバレイコ「・・・だって、邪魔だったんだもの」
アオバレイコ「ヤマトくんは、私のモノよ」
アオバレイコ「なのに、おじゃま虫がうようよしてる ・・・気分がいいワケないでしょう?」
タカダヤマト「俺が、あんたのモノだって・・・?」
タカダヤマト「何勝手に変なことを言って・・・!」
アオバレイコ「別に、アンタの意見なんて聞いてないわ」
アオバレイコ「ただ、私がそう決めただけ」
アオバレイコ「・・・文句ある?」
タカダヤマト「・・・ッこいつ・・・! 頭狂ってやがる!」
アオバレイコ「私を狂わせたのは、あんたらよ」
アオバレイコ「あんたらが、私をバカにしてきたから」
アオバレイコ「私を、人として扱ってくれなかったから」
アオバレイコ「だから私は成り果てたのよ ──復讐、それだけを遂行する化け物にね」
アオバレイコ「あのヤブ医者め・・・ 「姿形をかわいくすることは不可能」なんて」
アオバレイコ「あいつも、ゆくゆくは私の手で 地獄に落としてやるんだからね・・・」
タカダヤマト「・・・お・・・お前は、 アオバレイコ、なのか?」
アオバレイコ「ええ、そうよ」
アオバレイコ「あんたらのせいで、私は こんな格好になってまで、」
アオバレイコ「全てを壊したいのよ」
アオバレイコ「だから、その目に焼き付けておきなさい」
アオバレイコ「あんたらが私にしたことが、 今の私の姿のように──」
アオバレイコ「どれだけ私の心を どす黒くしてしまったか!」
タカダヤマト「・・・!!」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:エピソード8〜不気味な前触れ〜

コメント

  • ヤマトくん、内面もイケメン……、レイコさんへの言葉が本心からだとしたらww
    レイコさんの願望や不満、後悔といった感情がごちゃ混ぜに吐き出された、心情吐露回ですね。化け物となり果てても憎めないキャラですね。。。

成分キーワード

ページTOPへ