エピソード6〜Target4 タカダヤマト①〜(脚本)
〇地下の部屋
「・・・まさか、結婚式の日に 復讐するなんて」
ヒラギノカオル「あなたも、随分 悪いことを考えるようになりましたね」
ヒラギノカオル「・・・まあ、ちょっと 派手にやりすぎな気もしますがね」
ヒラギノカオル「しかも、自分がアオバレイコだと 認識させた上で復讐するなんて」
ヒラギノカオル「自分の正体を隠すのは やめたんですか?」
アオバレイコ「まあ、そんなトコよ」
アオバレイコ「復讐相手に近づくには 素性不明な方が良いけれど」
アオバレイコ「復讐するその瞬間は── アオバレイコでいた方が良いのよ」
アオバレイコ「その方が・・・ 相手にもっと絶望を味わってもらえるでしょ?」
アオバレイコ「「あの」バカにしていた アオバレイコにやられた──」
アオバレイコ「その事実だけで、そいつを 惨めな気持ちにさせることができるんだからね」
ヒラギノカオル「・・・はあ まあ良いでしょう」
ヒラギノカオル「もう既に、警察には あなたが悪者だとバレていますしね」
ヒラギノカオル「ま、好きなようにやってください 私の保護下にいれば安全ですしね」
アオバレイコ「もちろんそのつもりよ」
ヒラギノカオル「では、今日も早速 ”整形”させていただきたいのですが」
アオバレイコ「ええ、それは構わないけど・・・」
アオバレイコ「なんかこう、今までと違った 整形をしてもらいたいわね」
アオバレイコ「使える武器が増えるだけじゃあ、 ちょっと面白みにかけるし」
ヒラギノカオル「ふむう、良いでしょう ちなみにどんな整形をご希望で?」
アオバレイコ「そうね・・・例えば」
アオバレイコ「復讐する時だけ姿形が変わる・・・ なんてどうかしら?」
アオバレイコ「ろくろ首になったり、 鬼に変化したり、そういうのが良いわ」
ヒラギノカオル「・・・ただの化け物じゃないですか、それ」
アオバレイコ「良いのよ 殺意が湧いた時だけそうなるなら問題ないから」
アオバレイコ「それが実現できたら、 復讐相手をもっと恐怖に陥れることができる」
アオバレイコ「・・・できないなんて言わないわよね? ヤ・ブ・医・者・さん?」
ヒラギノカオル「・・・あなたも随分 ワガママになりましたねえ」
ヒラギノカオル「まあ、もちろんできますけど」
アオバレイコ「じゃあ決定ね♡」
ヒラギノカオル「ハイハイ、では今から 2時間後に始めますよ」
アオバレイコ「わかったわ じゃあ私はちょっと仮眠でも取ってくるわね」
ヒラギノカオル「・・・顔面化け物女が、 自分から全身化け物に変わりたい、なんて言い出すとは、ね」
ヒラギノカオル「これはケッサクですよ ・・・くひッ、ふっははは!!」
〇雑踏
3日後 20:30 表通り
アオバレイコ「さて、今日は一体 どの復讐相手に出会えるかしら」
『──だから、アオバレイコは
速やかに捕らえるべきですよ!』
『それはわかっていますが・・・
なぜか、彼女の足取りが掴めないんですよ!』
『どうしてだ! 現代の技術なら、
簡単に見つけられるんじゃないのか!』
『そんなこと言われましても・・・』
アオバレイコ「・・・ふふっ、テレビの コメンテーターたちが何やら騒いでるわね」
アオバレイコ「連日私の話題が テレビで取り上げられてるみたいだけど」
アオバレイコ「・・・まさか、そのアオバレイコが こんな街中を堂々と歩いてるなんて」
アオバレイコ「アイツらには、想像も できないでしょうねえ」
「──ヤマトくんッ、おまたせ! 待った?」
ヤマト「ううん、俺も今来たとこだよ」
ヤマト「じゃあ、ディナー食べに行こっか」
「うん! 楽しみー!」
アオバレイコ「・・・ケッ、カップルが イチャイチャしやがって・・・」
アオバレイコ「復讐相手の前に、 サクッとアイツらやっちゃおうかしら・・・」
ヘンミユカリ「聞いてよ、今日 会社の同僚がね──」
タカダヤマト「ははっ、ユカリすっかり 社内のいじられキャラになってんじゃん」
ヘンミユカリ「もー! 私はその立ち位置にはなりたくないのー!」
ヘンミユカリ「・・・いじられるのは ヤマトくんだけで十分なんだから」
タカダヤマト「え、急に かわいいこと言ってくれるじゃん」
タカダヤマト「ま、そういうところが 俺は好きなんだけどね」
ヘンミユカリ「・・・もう! ヤマトくんったら!!」
アオバレイコ「この人通りの多いところで よくそんなにラブラブしてられるわね・・・」
アオバレイコ「地獄へ地獄へ地獄へ堕ちろ・・・」
アオバレイコ(でも──何だろう)
アオバレイコ(あのヤマトって人・・・ どっかで見たことあるような・・・)
〇高い屋上
タカダヤマト「気持ち悪いからさ ・・・そういうの、やめてくれないかな」
タカダヤマト「大体、その顔で告白するとか嘘でしょ?」
タカダヤマト「告白より先に、整形でもしたら?」
〇雑踏
アオバレイコ「・・・ああ・・・ ああああ・・・・・・」
アオバレイコ「私をバッサリ振った男・・・ タカダヤマト!!」
アオバレイコ「あの頃より背も伸びてるし、 髪も染めてるけど・・・」
アオバレイコ「顔は・・・変わってない あの時のまま・・・」
アオバレイコ「じゃあ、今回の相手は アイツってことね・・・」
アオバレイコ「さて、一体どう料理して──」
アオバレイコ「あッ・・・す、すみません」
タカダヤマト「い、いえ、こちらこそ」
アオバレイコ(いけない・・・ 私としたことが)
タカダヤマト「大丈夫ですか? お怪我は?」
アオバレイコ「い、いえ、何ともないわ・・・」
タカダヤマト「そっか それなら良かった」
アオバレイコ「・・・あ・・・あ・・・ あんなに、ヤマトくんを間近で見たの、初めてだわ・・・」
アオバレイコ(やっぱり、あの人・・・)
アオバレイコ(すごく・・・カッコいい)
アオバレイコ(さすが、私が 好きになっただけのことはあるわね)
アオバレイコ「い、いけない、私・・・」
アオバレイコ「ヤマトくんに、 ときめいてしまっているわ・・・!」
アオバレイコ「ダメよレイコ、アイツは・・・ 学生の頃、私の顔をバカにした奴なのよ」
アオバレイコ「それに、私はもう決めたの」
アオバレイコ「恋なんて幻 これからは、復讐に全力を注ぐって・・・!!」
アオバレイコ「・・・でも・・・」
アオバレイコ「・・・ッ!!」
「ヤマトくん、レストランは こっちだよー」
ヘンミユカリ「そっちは逆方向だよ? もうー!」
タカダヤマト「うわあ! そっか ごめんごめん!!」
ヘンミユカリ「ホント、ヤマトくんて 方向音痴だよねー」
タカダヤマト「はあ、俺絶対 行ったことない場所一人で行けないわ・・・」
アオバレイコ「・・・・・・」
アオバレイコ「あの女・・・邪魔ね」
〇白いアパート
23:00 ヘンミユカリ アパート前
タカダヤマト「ユカリ、今日はありがとう 会えて嬉しかったよ」
ヘンミユカリ「えへへ、私も! 最近仕事で忙しかったから・・・」
ヘンミユカリ「でも私、そろそろ繁忙期が終わるの だから・・・」
ヘンミユカリ「その時は・・・ ヤマトくんの家に遊びに行っても良いかな?」
タカダヤマト「・・・もちろん 楽しみにしてる」
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ラブラブなカップルを見て殺意を抱くレイコさん……、あれっ何だか親近感が←
そして復讐心と恋心の間で揺れる乙女心、何だか可愛く思えてきました(変身後の姿を除いて)