ワンコにグッバイ

根本桃安(ねもとぴぁ)

第二話 宣戦布告のマーキング(脚本)

ワンコにグッバイ

根本桃安(ねもとぴぁ)

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〇おしゃれなリビングダイニング
餘目 天花(あまるめ あまか)「おっはよ~ん🎵」
餘目 天花(あまるめ あまか)「て、鈴ちゃん、クマすっご!」
餘目 天花(あまるめ あまか)「どうしたの?怖い夢でも見た?」
  夢──だったのかな?
  やましいことした直後に
  
  こんな普通に絡めないよね?
  それとも──演じてるの?
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「・・・」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「ねぇ、天花ちゃん 昨日の夜さ、気のせいかもだけど──」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「おはよう」
「おはようございます!」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「唯鈴、大丈夫か?顔色悪いぞ?」
  愛瀬さんも、いつもと変わらない
  後ろめたければ、もっとこう──
  
  あるよね?ぎこちなさとか
  信じて──いいんだよね?
  疑いたくないよ 優しい二人を──

〇黒

〇おしゃれなリビングダイニング
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「唯鈴?」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「はい!大丈夫です!ココア、入れますね」
餘目 天花(あまるめ あまか)「ねぇ鈴ちゃん」
餘目 天花(あまるめ あまか)「来てたよね?昨晩──」
  なんで今、その話──!?
餘目 天花(あまるめ あまか)「聞こえてたんでしょ?私が──」
  嫌ッ!聞きたくない!
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「やめッ──」
餘目 天花(あまるめ あまか)「私が、仁藤さんにお仕置きされてたのッ!!」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「えぇ?」
餘目 天花(あまるめ あまか)「実は──」

〇ダブルベッドの部屋
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「犬と寝る習慣ないんだけど」
餘目 天花(あまるめ あまか)「え~、鈴ちゃんだって犬じゃん (動物に例えれば)」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「人の嫁を犬扱いすんなよ!」
餘目 天花(あまるめ あまか)「はぇ?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「百歩譲っても、あいつは忠犬! 媚びるだけの愛玩犬が馬鹿にするなよ?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「謝れ!さもないと──」
  こちょこちょこちょッ!!!
餘目 天花(あまるめ あまか)「あひゃっ!やめへっ!」
餘目 天花(あまるめ あまか)「話へにゃッ──うひゃあん!」

〇おしゃれなリビングダイニング
餘目 天花(あまるめ あまか)「──というワケで、仁藤さんから 『お可愛がり』を頂きまして・・・」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「例え客でも許せなくて・・・ とはいえ、女性叩くワケにもいかず──」
餘目 天花(あまるめ あまか)「本当にごめんね、悪気はなかったの!」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(え、何それ?私だって くすぐってもらったことないのに)
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(──じゃなくて)
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「全然いいよ!気にしないで!」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(私のために怒ってくれたんだ♥️)
  ほらね? 愛瀬さんが裏切るワケないの
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「──あれ?」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「天花ちゃん、 首と鎖骨、どうしたの?赤いよ?」
餘目 天花(あまるめ あまか)「え?」
餘目 天花(あまるめ あまか)「あ~、虫かな?痛くも痒くもないけど」
餘目 天花(あまるめ あまか)「愛瀬さんは喰われてな~い?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「はっ!?」
  彼女は躊躇なく
  愛瀬さんのシャツをまくりあげた
餘目 天花(あまるめ あまか)「わぉ、壮観~」
  脇、腹、背中、手当たり次第喰われている
餘目 天花(あまるめ あまか)「よっぽど美味しかったんだね♥️」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「何してんだ!」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「大丈夫ですか?お薬──」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「別にどうともないし、もう行くから」
餘目 天花(あまるめ あまか)「あ、私も~」

〇綺麗な一戸建て
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「行ってらっしゃい」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「おう」
餘目 天花(あまるめ あまか)「行ってくるね~」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(職場同じだもん、一緒に行くわよね)
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「鍵はこっちで調整するから 待ってなくていいよ」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「夕飯も適当に済ましてくるから」
餘目 天花(あまるめ あまか)「今日はお肉な気分だな~」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「え!?」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「二人で──食べてくるの?」
餘目 天花(あまるめ あまか)「ご飯まで迷惑かけられないからね!」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「迷惑だなんて──」
餘目 天花(あまるめ あまか)「ダイジョブ、ダイジョブ! 基本いつも外食だし!気にしないで~」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「もう行くぞ」

〇駅のホーム
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「挑発しすぎ、会社遅れたらどうすんの」
餘目 天花(あまるめ あまか)「ごっめ~ん、独占欲出ちゃった♥️」
餘目 天花(あまるめ あまか)「でも鈴ちゃん、ヘラヘラしてたよね~」
餘目 天花(あまるめ あまか)「本当に愛瀬さんのこと、好きなのかな~?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「好きだから、信じたいんだろ?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「傷つきたくなくて 必死に解釈ねじ曲げてんのさ」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「いじらしいだろ?」
餘目 天花(あまるめ あまか)「鈴ちゃんのことよ~くご存じで!」
餘目 天花(あまるめ あまか)「さ~っすが!私より付き合い長いもんね~」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「妬くなよ」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「これからはお前の方が 長い付き合いになるだろ?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「とにかく、あいつのことは任せとけ」
餘目 天花(あまるめ あまか)「はぁ~い♥️」

〇綺麗な一戸建て

〇ダブルベッドの部屋
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(よし!お掃除完了!)
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(一応ダニスプレー買ってこようかな)
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(ゴミもくくっとこ)
  丸めたティッシュからはみ出た
  『それ』を見た瞬間──
  昨晩の嬌声がよみがえる
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「ダニなわけ──」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「夢なわけ、ないじゃん」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「知りたくなかった」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「信じてたのに──」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「フッ・・・グスッ」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「ヒック ヒッ──」
  ヒュッ──

〇黒
  ハッ ハッ カハッ
  ヒュ──ッ ヒュッ──
  こッ れ──

〇古いアパート
「『カコキュー』だっけ?」
母「泣きながら呼吸困難とか器用すぎ!」
唯鈴(学生時代)「だ──っで、おっ母さッが── 絹ちゃんのおじッさと・・・フッ」
唯鈴(学生時代)「うっ、うぇッグ──」
母「は──、うっとぉし 学校でどう習ったか知んねっけど」
母「あんなん娯楽だかんね? 機会がありゃ、誰だってすんだよ!」
母「そうシリアスに捉えんなって」

〇ダブルベッドの部屋
  今さら、お母さんのこと思い出すなんて──
  でも少し、冷静になれたかも──
  
  落ち着いて、深く吐いて──
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「スハ──ァ スハ──ァ」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(──うん)
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(ゴムつけてたってことは、ただの遊び)
  そう、冷静になって──
  
  感情に飲み込まれないで──
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(『機会があれば誰だってする』)
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(そう、シチュエーションが 本能を刺激しちゃっただけ──)
仁藤 唯鈴(にとう いすず)(──となれば・・・)

〇黒背景
  よしッ──!!

〇女子トイレ
餘目 天花(あまるめ あまか)「うん、かわいい♥️」
  From: まな君♥️
  
  19時 『Ortensia』
餘目 天花(あまるめ あまか)「あん、そっけな~い」

〇商店街

〇おしゃれなレストラン
餘目 天花(あまるめ あまか)「職場から一緒に来たかった~」
餘目 天花(あまるめ あまか)「いつまでこんなコソコソするの~? 『根回し』してくれてンでしょ?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「そうなんだが── 昇進がかかってる時期だけに慎重にな」
餘目 天花(あまるめ あまか)「既婚正社員様は大変だね~」
ウェイトレスさん「お待たせいたしました」
餘目 天花(あまるめ あまか)「んん♥️ おっいし~♥️」
餘目 天花(あまるめ あまか)「鈴ちゃん、どこでなに食べてるんだろ~?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「家で食パン噛ってンじゃね? 俺が『出張』のときはそうしてたって」
餘目 天花(あまるめ あまか)「うっわ、かわいそ! 私らは海鮮三昧だったのにね~」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「お前との『差』が分かれば 自分から身を引きたくなるだろうな」

〇電車の座席
餘目 天花(あまるめ あまか)「鈴ちゃん、今日は何してたんだろ?」
餘目 天花(あまるめ あまか)「部屋中、隠しカメラとか 盗聴機つけられてたりして~」
餘目 天花(あまるめ あまか)「それとも会社からつけられてたり~?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「スリル楽しんでんなよ お気楽なもんだな、独身貴族様は」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「ま、あいつは何もしないさ 敵に塩どころか全財産差し出すタイプだ」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「お人好しッつーか 自己卑下がすぎるッつーか・・・」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「今日は、そうだな、家中大掃除して 防虫缶でも焚いてたんじゃね?」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)「で、今ごろ、俺らの帰りを待ってる、と」
餘目 天花(あまるめ あまか)「やん、いじらし~ぃ」

〇綺麗な一戸建て

〇シックな玄関
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「お帰りなさい」
仁藤 愛瀬(にとう まなせ)(ほらな)
餘目 天花(あまるめ あまか)(まじワンコじゃん)
「ただいま~」
仁藤 唯鈴(にとう いすず)「随分早かったですね せっかく金曜日なのに──」

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コメント

  • なぜこんなに自己暗示ですませるのかなー。可哀想な子ですね。
    家庭環境も酷い。耐性がついちゃってるんですね。
    復讐の隙がというか本人のやる気が起きるポイントがどこにあるのか、楽しみです。

  • 昔の思い出がフラッシュバックするとか辛い😢
    しかし外犬にもほのかな狂気を感じます。
    復讐劇が始まるのかドキドキ

  • 母が良いキャラですね。お友達になれそう。自分の家は厳しかったせいか、子供の頃、こういう不道徳で自由な大人に憧れていました。貞操観念なんて壊れてるくらいが丁度良いと思ってるので、他人のご主人に発情する雌犬にも悪い感情は抱きません。むしろ、自分に素直で可愛らしい……

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