7.過去、そして宣戦布告(脚本)
〇桜並木
???「・・・」
鷲尾拓海「もう少し前に来てくれないと 顔が見えません」
鷲尾拓海「──おにいさん」
白鳥勇次「は! なんだよ・・・つまんねーの」
白鳥勇次「気づいてたのか、お前」
鷲尾拓海「僕はこれでも一応、後継者ですから」
鷲尾拓海「系図を把握しているんで 名前でピンときましたよ」
白鳥勇次「系図を!? お前みたいな子供があちこちにいるから訳わかんなくなりそうだけど」
白鳥勇次「それ全部覚えてんの!?」
白鳥勇次「お前、暇人だな」
鷲尾拓海「もっと早く、僕に接触してくると思ってましたけど」
鷲尾拓海「なにか良からぬことを、企んでいましたか?」
白鳥勇次「まぁ、お前のこと調べたり?」
白鳥勇次「なにか企んでいたとして、お前なんかに話すかよ」
鷲尾拓海「はぁ・・・腹違いで、話したこともないけど」
鷲尾拓海「おねえさん・・・里香さんに同情します」
鷲尾拓海「かわいそうに」
白鳥勇次「ば~か、里香は幸せなんだよ!」
白鳥勇次「里香は望みの男が手に入って」
白鳥勇次「鷲尾家の娘と結婚した俺は金を自由に使えて、ウィンウィン♪」
鷲尾拓海「じゃあ、それでいいじゃないですか!」
鷲尾拓海「なんで琴美さんを追い回すんですか!」
白鳥勇次「わっかんね~かなぁ」
白鳥勇次「仕方ねーから、俺さまが教えてやるよ」
鷲尾拓海「・・・」
〇大企業のオフィスビル
里香は俺と同じ会社で秘書をしていた
俺を見初めた里香は、父親に見合い話を持ち掛けたんだ
〇ホテルのレストラン
見合いは、とんとん拍子に進んだ
里香は俺が欲しい
俺は金が欲しい
断る理由なんて、ないだろ?
〇綺麗なダイニング
里香は、結婚後すぐに子供が欲しいと言い出した
里香に対する愛はなかったが、子供ができればいいと思った
子供ができれば、鷲尾家からの援助が増えるだろ?
でも、1年経っても子供はできなかった
だから、不妊治療をすることにした
不妊治療なんてめんどくさかったけど、夫として協力した
でもなぁ、いい加減萎えるんだよ
里香も鬱気味になってくるし
ほとほと嫌気がさしてきたころに
出会ったのが──
〇高層ビルの出入口
琴美だ
〇綺麗な部屋
琴美が不倫や浮気を嫌っているのは聞いていたから、結婚のことは黙っていた
琴美は料理上手で、完全に胃袋をつかまれた
里香は、料理なんて一切しなかったからな
よく気がつくし、俺に尽くすし
俺は琴美にのめり込んでいった
琴美にとって俺は、はじめての男らしい
琴美を女にしたのは、俺だ
あのときの琴美は、従順で最高だったよ
〇桜並木
白鳥勇次「ま、お前みたいなガキにはわかんね~か!」
鷲尾拓海「・・・相当下品ですね、あなた」
白鳥勇次「ふん! なんとでも言え」
白鳥勇次「とにかく、琴美は俺のものだ」
鷲尾拓海「琴美さんは、ものじゃありません」
白鳥勇次「琴美ほど、なにもかも肌が合う女は他にいないんだよ!」
鷲尾拓海「・・・そんなに琴美さんがいいなら」
鷲尾拓海「なんで里香さんと離婚して、琴美さんと結婚しなかったんですか」
白鳥勇次「はぁ~?」
白鳥勇次「これだからお子ちゃまは・・・」
白鳥勇次「あのなぁ、一度上げた生活レベルって下げられないの。Do you understand?」
白鳥勇次「俺は生活レベルを保ったまま、琴美も手に入れたいんだよ」
鷲尾拓海「あんたは・・・どこまでクズなんだ!」
鷲尾拓海「そんなの、琴美さんがかわいそうじゃないか!」
白鳥勇次「・・・うるせ~なぁ」
鷲尾拓海「このことを、あの人に伝えれば・・・」
白鳥勇次「あ? あの人って里香とお前の父親か?」
拓海は、勇次を睨みつけたまま、こくりとうなずいた
白鳥勇次「あーはっはっはっは!!」
白鳥勇次「お前、それマジで言ってんの? ホント、ばかだな」
白鳥勇次「あのなぁ、あの人は何人も愛人を囲ってるような男なんだよ」
白鳥勇次「俺が琴美に執着してるって伝えたところで、あの人が俺に注意するとでも?」
白鳥勇次「できるわけねーだろ!」
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ひー!まさかの繋がりが!
そして以前の「離婚したい、待っててくれ」はやっぱり嘘ですね😂
Do you understand?あたりが無理すぎて、「殴る」ボタンが欲しかったです。
のっけから、不穏な疑惑が確定してしまいましたね。二人の対立はどうなっていくのか楽しみです。
今日ちょうど、偶然の最悪の再会を果たしてしまった我が身としてはもう、グギギギッ…! という思いです😬
物理攻撃が許される世の中が来ないかしら…?
じゃなくて、平和な解決が出来ると良いですね🥴