御野町0丁目に御案内

萩野 須郷

エピソード5〜Target3 マキノメグミ〜(脚本)

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〇地下の部屋
「・・・で、追い詰められたあなたは その場にいた者全員を──」
ヒラギノカオル「銃で乱射したと ・・・やれやれ、随分目立つことしましたね」
アオバレイコ「うるさいッ アイツが悪いのよッ!!」
アオバレイコ「私のことを簡単に裏切った あのカチョウがァ・・・」
ヒラギノカオル「・・・フフ、裏切った、ですか」
ヒラギノカオル「私的には、カチョウみたいな人、 好きですけどねー」
ヒラギノカオル「欲望に忠実で、 利用するものは何でも利用するというその精神」
ヒラギノカオル「私に通ずるものがありますよ! ッハハ!!」
アオバレイコ「・・・」
ヒラギノカオル「おっとっと、 もう口をつぐんだ方が良さそうだ」
ヒラギノカオル「・・・しかし、これでわかったでしょう」
ヒラギノカオル「あなたを愛してくれる人なんていない ・・・結局、身体目当て、なんですよ」
ヒラギノカオル「せめて、スタイルが貧弱だったら」
ヒラギノカオル「あんなバカ男どもに 目をつけられることなんてなかったのに・・・」
アオバレイコ「・・・もう良いわ」
アオバレイコ「私は今後、男なんかに騙されない」
ヒラギノカオル「では、これからは 復讐に全力を注ぐ、と?」
アオバレイコ「そうよ ・・・やってやる」
アオバレイコ「この手で全員・・・ 地獄に蹴落としてやるッ・・・!!」
ヒラギノカオル(・・・ふむう 順当に憎悪の感情が高まっていますね)
ヒラギノカオル「では、早速新たな整形といきましょうか?」
アオバレイコ「・・・ええ、お願い」
ヒラギノカオル「・・・わかりました お安い御用ですよ」

〇カウンター席
  ──3日後 13:40 カフェ──
アオバレイコ(昼間に「外」の世界に出るの、 久しぶりね・・・)
アオバレイコ(夜じゃ会えない奴に会うために わざわざ日中に来てみたけど)
アオバレイコ(いくら私の正体をごまかす スマートウォッチをつけてるとはいえ)
アオバレイコ(やっぱり、ちょっと落ち着かないわ)
「メグミッ! 結婚おめでとう!!」
アオバレイコ「ケッコン・・・?」
アオバレイコ(私が今 一番聞きたくない言葉ね・・・)
「いやあ、あんなハイスペ男子と 結婚するなんて、メグミやるじゃん!」
「ふふふっ、まあね♡」
マキノメグミ「私の手にかかれば、 男なんてイチコロなのよ♡」
「もーメグミったら、 小悪魔ちゃんなんだからー」
マキノメグミ「女は小悪魔くらいが ちょうど良いのよ☆」
マキノメグミ「私の相手も、 そんな私に惚れたんだし☆」
「メグミはかわいいから 許されるんだよー」
「私なんかじゃ 彼氏に怪訝な顔されるだけだしィ」
マキノメグミ「まあ、そこは 生まれ持った私の美貌にバンザイね☆」
マキノメグミ「キャハハッ ホント、かわいいってお得よねえ♡」
アオバレイコ「うわ何あの女・・・ ウッザ・・・」
アオバレイコ「ちょっとかわいいからって 調子に乗りやがって・・・」
「ねえねえ結婚式はいつなのよ 私のこと招待してくれるんでしょお?」
マキノメグミ「もちろんよ 今招待状を作っているところなの♡」
マキノメグミ「ほら見てッ これ試作品なんだけど、かわいいでしょ♡」
「きゃああ〜ッかわいい〜 さっすがメグミ、センスあるぅ〜ッ」
マキノメグミ「当然よ だって私は完璧美女だもの☆」
マキノメグミ「私の人生はイージーモードなの☆」
マキノメグミ「私の人生に敗北の二文字は無い 何でも私の思い通りなのよ♡」
「ハハハッ言えてるゥ〜!!」
アオバレイコ「何よ、何よッ 私なんて人生ハードモードなのよッ・・・」
アオバレイコ「どうしてこうも、 アイツと私の人生は違うのよ・・・!!」
アオバレイコ「それにしても・・・ あの女どこかで見たことがあるような」
「そうそう、メグミ先日のニュース見た?」
「アオバレイコって女が 上司含め複数人を大量殺害したっていう・・・」
マキノメグミ「ああ、あれね ・・・見たわ、とても恐ろしいわよね」
マキノメグミ「何が恐ろしいかって、 ──あの女、私たちの小学生の頃の同級生だものね」
アオバレイコ「──!! ドウ、キュウ、セイ・・・」
「そうそう、 同じクラスだったシンジくんもあの子にやられたんでしょ?」
「ホント、ああいう地に落ちた人間って、 何するかわからないから恐怖よね」
マキノメグミ「──そうね」
マキノメグミ「ま、人生に躓いてもしょうがないんじゃない?」
マキノメグミ「あんなヒドイ顔してちゃあ、 誰だってそりゃあ狂うわよ☆」
「ふふふっ言えてる ・・・でもまあ」
「あの女をレイコ菌って言い出したメグミが 言うことじゃないでしょ〜!!」
マキノメグミ「フハハッ 我ながら良いネーミングセンスでしょう?」
「ホントホント! さすがメグミは当時、「女王」って言われてただけのことはあるよ!」
マキノメグミ「やだぁ女王なんて、 恥ずかしい〜〜☆」
アオバレイコ「お、おもい、だした・・・」
アオバレイコ「あの女、 小学生の頃、みんなの頂点にいた存在で・・・」
アオバレイコ「あの女を中心として、 私をいじめていたんだったわ・・・!!」
アオバレイコ(そんな女が、良い男を捕まえて、 ケッコン、ですって?)
アオバレイコ(ひたすら私を地に叩き落としたアイツが、 幸せになる、ですって?)
アオバレイコ「そんなの、許さない・・・」
マキノメグミ「あッ私そろそろ行かないと〜 結婚式の準備しなくっちゃ☆」
アオバレイコ(結婚式・・・ そうだ、良いこと思いついたわ)
アオバレイコ「あっすみません ・・・机の角にぶつかってしまいました」
マキノメグミ「い、いいえ 大丈夫ですよ・・・☆」
アオバレイコ「すみません、本当に」
アオバレイコ「──ゴメン、ナサイネ」
マキノメグミ「・・・ッ!?」
「め、メグミ、どうしたの? そんな怖い顔して・・・」
マキノメグミ「──あの女、 どこかで見覚えがあるような──」
マキノメグミ「・・・いえ、気のせいね 何でもないわ☆」
マキノメグミ「・・・あら?」
マキノメグミ「さっきまで机の上に置いてた、 結婚式の招待状がないわ・・・」
「え〜? あの女がぶつかった拍子に、どっかに飛んでっちゃったんじゃないの?」
「ま、別に良いんじゃない? 結婚式の日時が書いてあるくらいでしょ?」
「さすがに悪用する人はいないって!」
マキノメグミ「ま、まあ、それもそうね・・・☆」

〇教会の控室
  ──メグミの結婚式当日──
「・・・グミ・・・ メグミッ」
マキノタダシ「どうしたんだい? ここ最近、ぼーっとしてることが多いけど」
マキノタダシ「僕と結婚するの・・・ そんなに不安かい?」
マキノメグミ「・・・! い、いいえ、そんなことないわ☆」
マキノメグミ「むしろ、楽しみすぎて、 気分がフワフワしてるだけよ☆」
マキノタダシ「そっか、それなら良かった」
マキノタダシ「それじゃあ、僕は少し 御手洗いに行ってくるよ」
  あの日・・・カフェで
  あの女と会った日
  私の人生に、
  少し影が差した気がした

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コメント

  • レイコさんの狂気がどんどん強まってますね……。今回は女性相手なのでチョロさは出ず、粛々と復讐に邁進という感じでw
    メグミさんのようなタイプの子、確かにいたなーと思うので、レイコさんの復讐心もよりリアルに感じられます

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