02 希望とたどり着いた先(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
母親「──やったじゃない信子!!」
母親「お母さんも鼻が高いわぁ!!」
母親「流石私の娘ね」
母親「だから──」
母親「──貴方はこれからも私の言う通りにすればいいのよ」
〇女性の部屋
信子「・・・はぁ」
〇オフィスのフロア
信子「はい・・・」
信子「はい、はい・・・」
信子「申し訳ありませんでした・・・」
〇オフィスのフロア
信子「はぁ・・・」
唐瑠「紫錦さん、大丈夫?」
唐瑠「ミスは小さいやつだし、気にしないでね?」
信子「綿瑠、さん・・・」
唐瑠「こっちは先輩とフォローしとくから、少し休憩してきなよ」
信子「・・・えぇ」
信子「ありがとう」
〇休憩スペース
信子(・・・一体何だっていうの?)
信子(なんだってあんなミス・・・)
信子(体の調子が悪い?)
信子「・・・いや、そうじゃない」
〇オフィスのフロア
〇休憩スペース
信子「──っ!?」
信子「綿瑠唐璃・・・」
信子(誰なの、あれは・・・?)
信子(急に職場に現れた人間・・・)
信子(けど、皆普通に受け入れてる・・・)
信子「おかしいのは、私?」
信子「まさか・・・」
〇神社の本殿
〇休憩スペース
信子「願いの代償は、苦痛の原因・・・」
信子(私は、一体何を──)
佳純「信子、大丈夫?」
信子「か、佳純?」
信子「どうしてここに?」
佳純「いや、信子が辛そうな顔で歩いてたから・・・」
佳純「何かあったの?」
信子「い、いえ、ちょっと仕事でミスをしてね・・・」
信子「同僚にフォローして貰ったから、何とかなったんだけど・・・」
佳純「あぁ、綿瑠唐璃さんって人?」
信子「──っ!?」
佳純「へぇ、結構良いところもあるんだね」
信子「そう、みたいね・・・」
〇オフィスのフロア
〇教会の中
〇休憩スペース
信子「──っ!!」
佳純「ちょっと、信子!?」
佳純「顔色悪いよ!?」
信子「平気よ・・・」
佳純「そんな風には見えないって!」
佳純「やっぱりどこか・・・」
信子「平気だってば!!」
信子「──あっ!?」
信子「ごめんなさい・・・」
佳純「う、ううん・・・」
佳純「こっちこそ、ごめんね?」
信子「・・・ごめん、佳純」
信子「今日は、ちょっともう帰るね・・・」
佳純「うん」
佳純「本当に無理しないようにね・・・」
信子「えぇ、ありがとう・・・」
〇ゆるやかな坂道
信子「はぁ・・・」
信子「あぁ、頭が痛い・・・」
〇オフィスのフロア
上司「はぁ?」
上司「あのさぁ、もう学生じゃないんだよ?」
上司「社会人としての自覚を持って──」
上司「──はぁ・・・」
上司「まぁ、制度は制度だし、有給は出すけどね」
上司「今度からはこんな事無いようにね?」
上司「体調管理も仕事の──」
信子「はい・・・」
信子「申し訳ありません」
〇ゆるやかな坂道
信子「なんで私がこんな目に・・・」
信子「・・・そもそも私、なんだってこんな思いをしてまでここで働いてるんだっけ」
信子「たしか──」
〇おしゃれなリビングダイニング
母親「せっかく大学に入学したんだから、良い所に就職しなさい」
母親「そうすれば貴方は良い相手も見つけられるし、幸せな家庭を築けるのよ」
〇大学の広場
佳純「だからさ、一緒に行かない?」
信子「そうねぇ」
信子(まぁ、そこなら納得するか)
〇ゆるやかな坂道
信子「──あぁ、佳純か」
〇神社の本殿
信子「もっと別の道を選んでいたら・・・」
信子「私は──」
〇大学の広場
信子(大学のキャンパス・・・)
信子(やっぱりあの神社は本物なのね・・・)
信子「・・・だったら」
〇大学の広場
佳純「ねぇ、信子」
佳純「ここのインターン一緒に行ってみない?」
信子「・・・へぇ」
信子「かなり大きな会社ね」
佳純「この会社、今年新入社員を多く取りそうって噂あるんだ」
佳純「新しい部署できるから採用増えそうなんだって」
佳純「だからさ、一緒に行かない?」
〇大学の広場
佳純「あ、居た居た」
佳純「ねぇ、信子」
佳純「ここのインターン一緒に行ってみない?」
信子「へぇ」
信子「・・・けどごめんね、佳純」
信子「その期間は別の予定入っちゃってて・・・」
佳純「あ、そうなんだ」
信子「えぇ、だから佳純1人で行ってきて」
信子「かなり大きな会社だし、良いんじゃない?」
佳純「分かった」
佳純「また良さそうな所があったら誘うね」
信子「えぇ、ありがとう」
信子「私も良い募集があったら誘うわね」
信子「・・・さて」
信子「これで・・・」
信子「・・・?」
信子「戻らない?」
信子「なんで?」
信子「なら一体・・・」
信子「・・・あぁ」
信子「あれか・・・」
信子「──あぁ、もしもし?」
信子「・・・お母さん?」
〇黒
〇神社の本殿
信子「──っ!?」
信子「これで・・・」
信子「・・・?」
信子「私、なんでここに?」
信子「たしか──」
〇オフィスのフロア
〇休憩スペース
〇教会の中
〇神社の本殿
信子「──うぅっ!?」
信子「っ、いぁ!?」
信子「う、うぅ・・・」
信子「あ、あぁ、そうだった・・・」
信子「たしか、仕事を早退して・・・」
信子「だから帰らなきゃ・・・」
信子「また、明日から・・・」
信子「体調管理も、仕事の・・・、あれ?」
信子「誰に、言われたんだっけ・・・?」
〇神社の本殿
〇神社の本殿
〇アパートのダイニング
信子「・・・ふぁ、あぁ」
信子「仕事、行きましょうか・・・」
〇役所のオフィス
信子「おはようございます」
信子「昨日はご迷惑をおかけしました」
上司「あぁ、紫錦さん」
上司「もう体調は良くなったの?」
信子「えぇ、お陰さまで」
上司「それなら良かった」
上司「身体は大切にね」
信子「いえ、体調管理も仕事のうちですから」
上司「紫錦さんは真面目だねぇ」
上司「けど、どうしようもない時もあるからね」
「そういう時は遠慮無く言ってね?」
信子「は、はい・・・」
信子「ありがとう、ございます・・・」
〇役所のオフィス
信子「・・・あら、佳純からね」
信子「元気にしてる、か」
信子「あっちも元気そうね」
信子(インターンで行った大企業に受かったんだものね)
信子(凄いわ)
信子(私も一緒に行ってれば)
〇オフィスのフロア
〇役所のオフィス
信子「──っ!?」
信子「・・・今のは?」
信子(大企業じゃ無いけれど、公務員ならとあの人も納得した)
信子(私は佳純の誘いを断って、ここに──)
信子(──なんで?)
信子「なんで、私はあの時佳純の誘いを・・・」
ねぇ、信子?
貴方、将来の事はどう考えてるの?
〇黒
徐々に壊れていく記憶...後ろ髪が引かれる展開、面白いです😆