エピソード24 動く城の行く先は(脚本)
〇睡蓮の花園
バースレッテ王妃「闇の神殿にかけられた 闇の王への封印は」
バースレッテ王妃「今や解けかけておる」
ロワン「・・・・・・」
バースレッテ王妃「ぬしは闇の神殿の場所は知らぬか」
バースレッテ王妃「キャスクの手記によれば、ぬしは そこにたどり着く前に倒れたのであったな」
バースレッテ王妃「案ずるな。わかりやすい目印がある」
〇闇の闘技場
バースレッテ王妃「英雄と闇の王との決戦の地である 闇の神殿の近くに・・・」
バースレッテ王妃「否」
バースレッテ王妃「英雄の死を民衆に隠すため」
バースレッテ王妃「まともに弔うこともできなかった “想い人”の」
バースレッテ王妃「遺体を取り残した場所のすぐそばに 後年、キャスクは自らの墓を建てた」
〇養護施設の庭
バースレッテ王妃「下手に刺激すれば闇の王を目覚めさせて しまうかもしれない、危険な土地じゃ」
バースレッテ王妃「だからこそキャスクは己の墓の場所を 己の跡取りにすら隠したというのに」
バースレッテ王妃「それなのに我が夫は キャスクへの怒りに任せ」
バースレッテ王妃「禁忌の理由も知らぬままに 禁忌の地をわざわざ探し出して」
〇西洋の城
バースレッテ王妃「あえてその場所に 新たな城を建てよったのじゃ」
〇睡蓮の花園
バースレッテ王妃「英雄の子孫でなかったことが そんなにも悔しかったのか」
バースレッテ王妃「実際にはキャスクの血とて 引いておらなかったのに」
バースレッテ王妃「キャスクが残した手記によれば 王の跡取りは養子だったそうじゃ」
ニュイ「ミューリア城を動かしているのは 闇の王なの?」
バースレッテ王妃「そうとしか考えられぬ」
〇魔界
バースレッテ王妃「目覚めかけの闇の王は 今はまだ力が弱く」
バースレッテ王妃「わらわのような死者を素材とせねば しもべを生み出せぬが」
〇魔物の巣窟
バースレッテ王妃「いずれ力を取り戻せば 新たに作り出されたダークドヴェルグが」
バースレッテ王妃「地にあふれるじゃろう」
〇睡蓮の花園
バースレッテ王妃「問題は、今おるダークドヴェルグどもが 仲間の増加を望んでおらぬという点じゃ」
バースレッテ王妃「王妃としてと、ダークドヴェルグとしてと 二つの責務をもって」
バースレッテ王妃「わらわは闇の王の復活を阻止せねばならぬ」
ニュイ「王妃さま!?」
ニュイ「空に飛んでいっちゃった・・・」
ロワン「追いかけよう! あんな化ケ物を 放っておいていいわけがない!」
〇山道
男性の声「ニュイ! どうしてお前がここに!?」
ジャッド町長「お前があの動く城を連れてきたのか!? 呪いの子め!!」
ロワン「あんた、いったい何を・・・ッ!」
ロワン「あれは・・・!!」
〇西洋の街並み
水没の進むロワニアの町並み
逃げ惑う人々
家々の屋根の向こうに
〇西洋の城
ミューリア城が迫ってきている
〇山道
ジャッド町長「あああああ! 早く町の人を避難させなければ!」
ロワン「あの方角は・・・・・・ まさか・・・・・・」
ロワン「ニュイ! 地図を出してくれ!」
〇地図
ロワン「前に城を見たのがこの森」
ロワン「城がこの森から来たのなら こっちの方角からになるはず」
〇西洋の城
ロワン「だけど城はこっちの・・・」
ロワン「城がもともとあった ミューリアの方角から来ている」
ロワン「僕たちが通ってきたのと同じルートだ」
ニュイ「えええっ!? それってつまり・・・」
〇山道
ニュイ「お城がぼくたちを 追ってきてるってこと・・・?」