温泉稲荷の決闘(脚本)
〇教室
キーンコーンカーンコーン
きりーつ
れい
さような
ビューーーーん
クラスメイト「うわっ 転校生帰るのはや!!」
クラスメイト「ボルトも驚きのスピードで 教室出てった!」
〇学校の校舎
結(ゆい)「タタタタタタ(忍者走り)」
男子「誰だ?! この下校ナンバーワンスプリンターの 俺を追ってくるのは・・・?!」
男子「見ない顔だ! 転校生・・・? やるな!!」
男子「今日はお前に一位を譲ってやるぜ! アデュー!」
〇神社の本殿
結(ゆい)「きつねさん こんにちは〜」
きつねさん「あら 結さん 来てくれたんですね」
結(ゆい)「これ 昨日借りた浴衣です 貸してくれて ありがとうございました」
きつねさん「また着物が着たくなったら 言ってください お貸しします」
結(ゆい)「わーい!」
きつねさん「今日こそ 温泉水鉄砲やりましょう 約束したでしょ?」
結(ゆい)「はい 昨日、家の風呂で練習しました バッチリです 対戦よろしくお願いします」
きつねさん「まあなんて努力家! わたし 感動しました」
結(ゆい)「なんか待ちきれなくて」
結(ゆい)「授業中もきつねさんのことばかり 考えてて あまり記憶にないです」
結(ゆい)「ある意味、平穏無事に学校生活を送れました この神社、ご利益ありますね」
きつねさん「人に合わせて なあなあにすることだけが 平穏無事な学校生活ではないですからね」
結(ゆい)「たしかに」
きつねさん「では結さん 温泉に浸かっても濡れないおなじない かけてもいいですか」
結(ゆい)「はい!」
結(ゆい)「ああ〜〜極楽〜〜」
結(ゆい)「湯加減最高ですね ちょっとぬるめだから 長風呂できる」
きつねさん「美人の湯なので 何時間浸かってても いいことしかないですよ」
結(ゆい)「心地よすぎて 温泉と一体化しそう・・・」
きつねさん「人間の身体の6割は水です 元々おなじだから 大丈夫」
結(ゆい)「なるほど 水と一体化すれば 素晴らしい温泉指鉄砲の使い手に なれそう」
きつねさん「結さん 決闘しましょう」
きつねさん「ふつうに水鉄砲しても つまらないので」
結(ゆい)「はい!」
きつねさん「私がこのコインを 高〜く投げますので 水にポチャンと着いたら 一斉にズドン! です」
結(ゆい)「水鉄砲の早撃ちですね 負けませんよ!」
きつねさん「ではコインを投げます」
指を交互に重ねてカップを作り、
水をため、閉じる
この状態で水から手を出して、空中で30秒経過しても水が手の中に残るような感じで密閉出来ていればOKだ
親指と人差し指の間から水を出すのではなく
小指の先に少し出口を作る。
それ以外は密閉した状態にする
きつねさんが天高く投げた
コインが
とてもゆっくりと落ちてくる
ように見える
ポチャン
一気に手のひらをたたむ!
きつねさん「負けました」
結(ゆい)「練習した甲斐がありました!」
きつねさん「結さん あっぱれです」
きつねさん「ふふふふふ 久しぶりに人と決闘できて 楽しかった」
きつねさん「そうだ おやつに いなり寿司はいかが」
きつねさん「手から出したてですよ」
結(ゆい)「わぁ~~! 黄金色に光り輝いている!」
結(ゆい)「いただきます!」
結(ゆい)「うまっ この世のものとは思えない! また温泉に浸かりながら食べると 美味しさが増しますね」
きつねさん「でしょう?」
結(ゆい)「商売したら儲かりそうですね」
きつねさん「私は人間には見えないので 商売にならないですね」
結(ゆい)「そうか・・・ ん?」
きつねさん「結さんは変人だから 私のことが見えるのです」
結(ゆい)「喜んでいいのかな? へんじん・・・」
結(ゆい)「きつねさんと遊ぶのは 楽しいから 大喜びしちゃおう 変人でよかった〜」
きつねさん「その意気でいいんですよ」
〇神社の本殿
結(ゆい)「そろそろ帰ります」
きつねさん「また遊びに来てくださいね」
結(ゆい)「はい、また明日!」
きつねさん「・・・・・・」
きつねさん「帰らなくてもいいのに」