幸せの在り処(ありか)

朝永ゆうり

2 優しさという罠(脚本)

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朝永ゆうり

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〇住宅街
玲未「あの女にも、私の気持ちを!」

〇ファンシーな部屋
玲未(私の、気持ちを・・・!)
玲未(車を借りて、あの時間にあの道で・・・)
玲未(これで、あの女にも・・・)
玲未(ふふっ・・・)

〇空

〇ファンシーな部屋
玲未(あれ、私、いつの間に寝ちゃって・・・)
玲未(これ、夢なのに覚めてない!?)
玲未(・・・夢じゃないの?)
玲未(うっ・・・)

〇住宅街
玲未(ここは“結婚しなかった”世界で──)
玲未(──私にとって、これは現実なんだ)
  あのときは、苦しかったけど──
  ──本当にこんな世界があるなんて、思うわけないじゃん。
玲未(バカだなぁ、私)
玲未(この世界で、生きていかなきゃならないなんて)

〇一戸建て

〇住宅街
玲未「パパ、芽依・・・」
玲未(・・・関係ないんだ)
玲未(この世界では、私はパパとも、芽依とも)
玲未(なのに私、なんてこと考えて・・・)

〇一戸建て
克彦「行ってきます」
芽依「いってらっしゃーい」

〇住宅街
玲未(関係・・・ない・・・)
「あれ?」
七海「玲未?」
玲未「何で私の名前・・・」
七海「やっぱり玲未だ!」
七海「私、七海だよ! ほら、同じ中学だった・・・」
玲未「七海・・・」

〇教室の外
七海「玲未、もうボロボロじゃん・・・」
七海「いい加減先生に──」
玲未「このくらいヘーキだって!」

〇住宅街
玲未「・・・七海!」
七海「あはは、やっぱり玲未だ!」
七海「ねぇ、家でお茶でもどう?」
玲未「え・・・でも」
七海「いいじゃん、積もる話もあるし・・・」
芽依「ママ・・・ゴミ・・・」
七海「ゴミ出してくるからちょっと待ってて!」
玲未「ちょっと、七海!」
玲未(芽依・・・)

〇豪華なリビングダイニング
七海「どうぞ」
玲未「ありがとう」
玲未「・・・結婚、してたんだね」
七海「ああ、うん。 ・・・玲未、式呼べなくてごめんね」
玲未(結婚式、呼ばれなかったんだ・・・)
玲未(まぁ、私も中学の友達なんて呼ばなかったし・・・)
玲未「ううん、仕方ないよ」
玲未「みんなとの連絡断っちゃったの、私だから」
七海「もー、そうだよ! 誰も玲未と連絡つかないんだもん!」
玲未「まぁ、誰とも同じ高校じゃなかったからさ・・・」
「ママー」
芽依「この人、誰?」
七海「こら、芽依! まずは『こんにちは』でしょ!」
玲未(芽依・・・!?)
芽依「ごめんなさい・・・」
七海「なんかごめんね、玲未・・・」
七海「・・・どうかした?」
玲未「親戚の子と同じ名前だから、驚いちゃって」
七海「そうなんだ! ほら、挨拶しなさい、芽依」
芽依「うう・・・こんにちは」
玲未「こんにちは。 きちんとご挨拶できて、偉いね」
七海「あ、コラ、芽依!」
玲未(同じだ・・・ 人見知りなところも、すぐ逃げるところも)
  この子は、私の家族じゃない。
  この子を産んだのは、七海で──
七海「なんかごめんね〜」
玲未「ううん、全然! 芽依ちゃん、いい子だね」
  ──私はこの子にとっては、見知らぬおばさんだ。
  私は、一人ぼっち。
  ・・・それを、選んだんだから。
七海「ねえ、玲未は?」
玲未「ん? 何が?」
七海「結婚だよ〜! 彼氏と同棲中、だったりしないの?」
玲未「いや、私は・・・」
七海「そうなの? 玲未と恋バナ、したかったのに」
七海「あ、好きな人は? 同棲してなくても、彼氏はいるよね?」
玲未「いや〜、いないよ・・・多分」
七海「・・・多分?」
玲未「あー・・・うん・・・あの、さ、七海?」
玲未「これ、夢・・・じゃ、ないよね?」
七海「何言ってるの? 玲未」
玲未「あ、いや、何かごめん・・・」
七海「あ、そうだ!」
七海「週末にさ、中学の同窓会あるんだけど ・・・一緒に行かない?」
七海「ほら、出会いもあるかもよ?」
玲未「中学・・・」

〇個室のトイレ
クラスメイト「まじアイツどこ行きやがった?」
クラスメイト「どこ隠れてんだよ、カス!」
クラスメイト「出てこいよ!」
玲未「う・・・」
クラスメイト「あ!」
クラスメイト「み〜つけた」
玲未「え・・・?」
玲未「キャーっ!」
クラスメイト「キャー、だってよ」
クラスメイト「可愛い子ぶったって、カスは所詮カスだよな」
クラスメイト「アッハッハッハッ!」
玲未「うう・・・」
七海「玲未・・・? タオル、置いとくね」
玲未「七海・・・」

〇豪華なリビングダイニング
玲未(七海と一緒なら、きっと・・・)
七海「中学時代、楽しかったよね!」
玲未「え?」
七海「特にさぁ、京都の修学旅行で、あきちゃんが・・・」
玲未(もしかして、こっちの世界の私は──)
玲未(──虐められて無かったの?)
七海「・・・でさぁ、玲未は当時好きだった蒔田くんと〜」
玲未「ちょ、ちょっと七海!」
七海「ま、そんな感じで同窓会、一緒に行こうよ! 幹事には連絡しとく」
玲未「うん・・・」
七海「連絡先教えてよ! あとで会場と時間送るから」
玲未「あ・・・うん」
  不在着信 5件
  チーフ、大丈夫ですか?
  無断遅刻なんて初めてなので、心配です。
  連絡ください。
七海「どうした?」
玲未「仕事、忘れてた」
七海「『忘れてた』って!」
七海「ごめん、私が引き止めたからだ!」
玲未「ううん、いいのいいの」
七海「よくないよー、ごめん! またゆっくり話そ!」
玲未「うん、またね」

〇オフィスのフロア
玲未「すみませんでした!」
後輩「いえいえ、チーフに何もなくて良かったです」
後輩「チーフがいないと、仕事にならないですからね〜僕ら」
  この世界の私は、一応チーフとして出世してる。
  結婚よりも、独り身を選んだ私は、
  ちゃんと仕事で成果を得て、幸せになってるんだ。
玲未(久々だなぁ、仕事。 ちゃんとできるかなぁ・・・)

〇空

〇オフィスのフロア
後輩「おつかれさまでした〜」
後輩「お先っす!」
玲未(みんな帰っちゃった・・・)
玲未(チーフだからって、みんな押し付け過ぎじゃない?)
後輩「いつもできなかったら頼れって言うの、チーフじゃないですか!」
後輩「チーフが言ったんですよ? 『私がやっとく』って」
  結局、私は──
玲未「独りぼっち、だなぁ・・・」
玲未(パパ、芽依・・・ ううん、私が望んだ世界なんだから、頑張らないと)
玲未「幸せ、かぁ・・・」
  From:七海
  同窓会の会場、送るね!
  当日は、一緒に行こうね^^
玲未(・・・行ってみようかな)

〇ホテルのレストラン
  週末──
玲未「うう、緊張する・・・」
七海「久しぶりってだけでしょ? 大丈夫だよ」
玲未「うん・・・」
元クラスメイト「あ、七海!」
元クラスメイト「久しぶりじゃん!」

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コメント

  • わぁワァワァ、ドキドキしながら見ちゃいました🙈
    このまま一気読みしようと思ってたのですが、
    すごい展開で、コメントを残さずにはいられませんでしたっっ!!😆
    これは、じっくり噛み締めながら読みます!

  • おおお……!
    なんとなく七海だけ優しかったみたいな描写に胡散臭さを感じていましたが、全ての……黒幕?
    これは目が離せない展開ですね。どこからどこまでが仕組まれてるのか😳旦那さんの意図は?
    セクシーシーンがタップノベルでは最高レベルでドキドキしました。これモニタリングされてるの辛すぎる~😂
    結末が読めませんが、子どもだけは不幸にならないで欲しいです😭
    寸胴鍋、カレーじゃなくてほっとしましたw

  • あー(× × )
    もう一話の影響で全員黒く見えてます!笑

    たしかに縦読み漫画向きだなと思います。
    想像できる。流れる感じで。

    少し、男同級生に笑ってしまったのは
    私だけなんでしょうか?笑
    なんだろ。オラってるのがツボりましたw

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