公爵様の恋人とは?(脚本)
〇立派な洋館
モブリーナ「あの、私・・・ ロランス君のお母様に お会いしたいのですが?」
使用人「えっ・・・ すみません、私は何も存じ上げません」
モブリーナ「そうですか・・・」
本当に知らないのか、
それとも口止めされているのか・・・
私には判断がつきません。
モブリーナ「では、アシュリー様は今、 どこにいらっしゃいますか?」
使用人「・・・この時間帯でしたら、 殿下の執務室にいらっしゃるはずですよ」
モブリーナ「ありがとうございます」
〇屋敷の書斎
アシュリー「どうぞ」
アシュリー様は公爵殿下の代行として、
書類仕事を片付けている最中でした。
モブリーナ「あ、あの・・・アシュリー様、 お仕事中に申し訳ございません」
モブリーナ「教えて頂きたいことがあるのですが、 少しお時間いただけないでしょうか?」
アシュリー「はい、構いませんよ。 いかがなさいました?」
モブリーナ「私、ロランス君のお母様と お話がしたいのですが、 彼女は何処にいらっしゃるのでしょうか?」
アシュリー「・・・何故そのようなことを?」
質問に質問で返されてしまいました。
珍しくアシュリー様の
歯切れが悪いようです。
モブリーナ「今後のことを話し合いたいのです」
モブリーナ「もし私が公爵殿下と 結婚することになったら、 彼女はどうなさるのかしら」
アシュリー「・・・ロランス様の母親は身分が低く、 愚かで優柔不断な人物です」
アシュリー「モブリーナ様がお会いになる価値など ございません」
アシュリー「ご婚礼前には屋敷を 出て行ってもらいますので、ご心配なく」
モブリーナ「えっ? あっ、いや、そうではなくて」
モブリーナ「私は彼女に出て行って欲しいわけでは ないのです。 単にお話がしたいだけで・・・」
アシュリー「申し訳ございませんが、 母親にお会いさせるわけには参りません」
モブリーナ(そんなぁ・・・)
モブリーナ(メイドたちはともかく、 アシュリー様までもが頑なに拒否するとは予想外でしたわ)
身分の違いというのは、
実はそんなに大きな障害とはなりません。
どうしても結婚したいのであれば、
親戚筋の貴族に頼み込んで、
相手を養女として迎えてもらい・・・
貴族の地位を与えた後に
結婚すればよいのです。
なのに、公爵様はそうしなかった。
国王陛下はそれを許さなかった。
これには何か理由があるはずです。
〇立派な洋館
その後、私は不審がられないよう
気をつけながら、
屋敷内部を探りました。
自由に屋敷内を動き回ることが
できればよいのですが、
残念ながら客人が立ち入れる場所は
限られています。
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