托卵む〜たくらむ〜

ゆきんこ

第八話 復讐ウェディング(脚本)

托卵む〜たくらむ〜

ゆきんこ

今すぐ読む

托卵む〜たくらむ〜
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇綺麗な教会

〇教会の中
雀(すずめ)「未来お姉ちゃんキレイ!」
百寿(もず)「ウウウッ・・・! 良かった、良かったなあ未来!!」
雀(すずめ)「パパ、泣きすぎだから〜」
雀(すずめ)「ハイ、使って」
百寿(もず)「チーン!」
雀(すずめ)「もう、ヤダ! 鼻はかまないで欲しかったなあ!」
百寿(もず)「雛は間に合わなかったな!」
雀(すずめ)「イギリスに住んでいるからね〜! あっちが悪天候で、飛行機が飛ぶか分からないって言っていたよ」
雀(すずめ)「しかも、旦那さんがCEOだから、超多忙スケジュールで」
雀(すずめ)「帰ってきても、またすぐにトンボ帰りなんだって!」
百寿(もず)「やっぱり国際結婚には反対しておくべきだった!」
雀(すずめ)「そこは違うでしょ」
雛「遅れてごめんなさい!」
雀(すずめ)「わ! お帰りなさい、お姉ちゃん!!」
百寿(もず)「また逞しくなったんじゃないか?」
雛「失礼なんだけど! 確かに少し太ったかもだけど、日本人が痩せすぎなのよ!」
雛(それにしても、未来・・・)
雛(しばらく見ないうちに、 郭子ママにそっくりになって・・・)
雛「今日は四十雀さんは? 来られないの?」
雀(すずめ)「あっ、ママは相変わらずで・・・」

〇山中の坂道
百寿「スズに絡んでいた、このミイラは何だ!?」
雀(すずめ)「カッコさんだよ!」
雀(すずめ)「一緒にこの崖を登ろうって言ってくれたから、スズもカッコさんと頑張ったんだよ!」
雀(すずめ)「歌も歌って励ましてくれたんだ!」
百寿(もず)「・・・!?」
百寿(もず)「スズが郭子を知っているはずがない!」
四十雀(しじゅうから)「雀! いい加減なこと言わないで!!」
四十雀(しじゅうから)「これが郭子さんなワケないでしょ!?」
雀(すずめ)「スズ・・・いい加減じゃないもん」
雀(すずめ)「ママのバカ〜!!」

〇結婚式場のテラス
雀(すずめ)「ママはあの日を境に壊れたわ・・・」
雀(すずめ)「郭子さんの幻覚を見て、奇声をあげたり、パパの浮気を疑ってストーキングしたり」
雀(すずめ)「挙句の果てに、未来お姉ちゃんを郭子さんと間違えて首を絞めて・・・」
雀(すずめ)「パパと相談して、 精神科病院に入院させたの」
雀(すずめ)「私も雛お姉ちゃんみたいに介護士の資格取ったのよ」
雀(すずめ)「でも、ママが入院している病院には 怖くて行けないの」
雛「そっか・・・スズもツライね」
雛「良かったら、イギリスに来ない?」
雛「私、介護施設を開業しようと思っているんだけど、信頼できるパートナーを探していたのよ」
雛「スズなら安心して共同経営ができるわ」
雀(すずめ)「嬉しい・・・。 考えておくね」
雀(すずめ)「ま、ママ!?」

〇結婚式場のテラス
四十雀(しじゅうから)「スズ! 未来の結婚式に私を呼ばないなんて!」
四十雀(しじゅうから)「アンタをそんな風に育てた覚えはないよ」
雀(すずめ)「どうやって病院から抜け出したの!?」
???「スズ、安心して」
未来(みらい)「私が事前に病院に許可を頂いて、介護士さんにお願いしたの」
未来(みらい)「だって、四十雀さんは私のママも同然じゃない。 結婚式には参列してほしかったの!」
四十雀(しじゅうから)「医者になるだけあって、未来はさすがね。 スズ、アンタみたいな出来の悪い娘は、親孝行もできないんだね!!」
雀(すずめ)「ママ・・・」
未来(みらい)「さあ、中に入って下さいね。 四十雀ママの好きなお肉もあるわよ」

〇結婚式場のレストラン
四十雀(しじゅうから)「ああ、お腹が空いたわあ」
葦雀(よしきり)「おふたりの末永いお幸せと、ご両家ならびにご列席の皆さまのご多幸を・・・」
四十雀(しじゅうから)「パクパクガツガツ・・・」
雀(すずめ)「ママったら乾杯前に・・・」
百寿(もず)「まあまあ、ママは病院食ばかりで我慢していたんだ 大目に見よう」
葦雀「乾杯!」
百寿(もず)「さすが高級ホテル、美味そうだ! パクッ、モグモグ」
百寿(もず)「!?」
興信所の男「ウ・・・何か変だぞ」
史也(ふみや)「気持ち悪い・・・ 立っていられない・・・!!」

〇結婚式場のレストラン
雀(すずめ)「パパ!ママ!」
雀(すずめ)「誰か、救急車を!」
招待客「ドッキリ、成功したみたいだな!」
招待客「1時間で5千円なんて、割の良いバイトだったわ♡ お疲れさまー」
雀(すずめ)「ドッキリ? バイト?」
雀(すずめ)「どうして 誰も助けてくれないの!?」
未来(みらい)「さあ、レンタル役者の皆さん、ドッキリが終わったら会場から出てくださいね」
未来(みらい)「支配人、出入り口全てに鍵をかけてちょうだい」
雛「未来!どういうことなの!? 倒れている人が居るのよ」
未来(みらい)「会場にはテレビ番組だって言ってあるからよ」
未来(みらい)「この結婚式は、私が仕組んだ罠よ。 郭子ママを殺した犯人を炙り出すための」
雛「何ですって!?」
未来(みらい)「1時間以内に解毒剤を飲まないと、みんな揃ってあの世行き」
未来(みらい)「助かりたかったら自白するのね。 もしくは、知っている事を話しなさい」
興信所の男「だから・・・入口で携帯を預けさせられたのか」
未来(みらい)「私は当時、 ミイラになったママが不思議だったわ」
未来(みらい)「そのミイラがキレイすぎて、 ある法医学医が教室で保有させてくれって言ったの」
未来(みらい)「その日から私は必死に勉強して、 法医学医になった」
未来(みらい)「そして、改めてママの骨を調べたの」
未来(みらい)「ママの首の骨は、当時の鑑識技術では見つけられなかった、絞殺の痕跡が認められた」
未来(みらい)「今日はママに恨みがありそうな 人間全てに毒を盛ったわ」
未来(みらい)「さあ、誰が郭子母さんを殺したの!?」

〇黒背景
葦雀(よしきり)「郭子を経済的に支援するのが、私にとっての、『愛』だった・・・」
葦雀(よしきり)「私は、郭子を殺したりはしない!」
興信所の男「俺も関係ない! 郭子さんには、誘拐の件以来、電話でも話していない!!」
興信所の男「アイツ・・・史也が怪しいよな! 恨みはたっぷりあるはずだぜ」
史也(ふみや)「た、確かに俺は昔、 郭子をタクシーで連れ去って、 夜の山に置き去りにした」
史也(ふみや)「でも、殺してはいない!本当だ!! 誓って、首を締めたりなんかはしていない!!」
史也(ふみや)「四十雀に郭子への復讐をそそのかされたんだ! 四十雀だよ、犯人は!!」
四十雀(しじゅうから)「私──」

〇けもの道
郭子(かっこ)「史也に置き去りにされて、どれぐらい経ったのかしら」
郭子(かっこ)「携帯は充電切れ、最後に電話した百寿が気づいてくれたらいいけど・・・」
郭子(かっこ)「最後に電話したのが葦雀ではなく、百寿だなんて・・・ 私はやっぱり・・・」
郭子(かっこ)「グェ・・・」
?「許せない・・・」
?「子供を道具にしか思っていないくせに」
?「なぜ神様はアナタに子供を授けるの」

〇結婚式場のレストラン
四十雀(しじゅうから)「分からないわ。 頭の中が、グチャグチャなの・・・」
雀(すずめ)「もう止めてお姉ちゃん! 郭子さんも、復讐なんて望んでないわ!!」
未来(みらい)「スズには分からないわ。 ママが、どれだけ苦しかったか」
雀(すずめ)「私・・・分かるの。 お姉ちゃん、ホントは私、分かるのよ」
雀(すずめ)「でも、あの日以来──」
雀(すずめ)「ママがおかしくなって以来、 『他の人が見えていない』、 私だけが『聴いたり視えていること』は」
雀(すずめ)「絶対誰にも言っちゃダメなんだって思ったから、今まで誰にも言わなかったけど」
雀(すずめ)「私、死んだ人と話せるの」

次のエピソード:第九話 終わり始まり

コメント

  • 展開がスゴすぎて、毎回驚かされっぱなしです!
    次が最終回ですか…ドキドキします!

  • なるほど、雛がシルエットだったのは、ドレス衣装がなかったからなんですね💦
    でも幸せそうでよかった〜!

  • 前回の終わりで、いろいろありつつもなんとか落ち着いてフィナーレ…と思いましたが、一転して衝撃的な展開に… タイトルから不穏な感じはありましたが、ここまで恨み辛みがこじれると。果たしてどんなラストになるのか…

コメントをもっと見る(8件)

成分キーワード

ページTOPへ