おいでよ温泉稲荷神社

はるばる来たぜ温泉稲荷村(脚本)

おいでよ温泉稲荷神社

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〇車内
父「そんなに田舎がいやなのかー?」
結(ゆい)「別に」
父「父さんの故郷はいいところだぞ」
結(ゆい)「へーえ」
父「狐の神様が掘り当てたという 秘湯の神社があるぞ」
結(ゆい)「ふーん」
  ・・・・・・
  父さんと母さんは離婚した 
  私は今日から父さんの実家に住む

〇実家の居間
おばあちゃん「ゆいちゃん よくきたねえ」
父「お袋、俺は仕事でいないことが多いから、 結のこと頼むよ」
おばあちゃん「まったく、あんたってやつは」
父「いやー、俺に構われても困るだろう 中学生だし」
おばあちゃん「・・・ほんとに静かな子だね 結ちゃんは」
おばあちゃん「あらまあ 結ちゃんどこ行くの」
結「ちょっと近くを 散歩してきます」
おばあちゃん「ああそう 気をつけてね」

〇田んぼ
結(ゆい)「はあ 外を一人で ぶらぶらするのが 一番落ち着くわ」
結(ゆい)「やだなー 明日から学校だ 転校先で馴染めるかな」

〇神社の石段
結(ゆい)「・・・ちょうど神社があるし 人間関係の願掛けしようかな」
結(ゆい)「石段上がるのめんどいけど」

〇神社の本殿
結(ゆい)「・・・うわーっ! 美人の湯!!」
結(ゆい)「ここが・・・ パパが言ってた 温泉稲荷神社?!」
きつねさん「あ、こんにちは はじめまして、 見ない方ですね もしかして私のこと見えますか」
結(ゆい)「見えるも何も ケモミミ・・・?! 人間じゃない・・・?!」
きつねさん「ああ、ここ混浴です 無料の秘湯です 一風呂浴びていきませんか いなり寿司もありますよ」
結(ゆい)「秘湯なの?! 賽銭箱のまえなのに?! うっかりすると 落ちそう」
きつねさん「そうですね よくびしょびしょの 参拝者が濡れて帰ってますね」
結(ゆい)「ええ・・・・・・」
結(ゆい)「いろいろツッコミどころありすぎて 悩みとか吹っ飛んでしまった」
きつねさん「悩みですか」
結(ゆい)「今日、この村に引っ越してきて 明日から学校なんです」
きつねさん「行かなかったらいいじゃないですか」
結(ゆい)「それはまずいでしょう 怒られるし目立つ」
結(ゆい)「転校初日からサボるとか 不良扱いされそう・・・」
きつねさん「イメチェンですね」
結(ゆい)「ええ・・・」
結(ゆい)「そうだ、あなたは この神社のかみさま? なんですか?」
結(ゆい)「だったら、明日平穏無事に 学校生活が送れるように してもらえませんか?」
きつねさん「わたしは狐人間妖怪です」
きつねさん「明日の平穏ですか そういうことは神様に お願いしたほうがいいでしょう」
結(ゆい)「狐人間妖怪・・・・・・ あいまいだ・・・」
きつねさん「肩書きとか名前とか どうでもよくないですか?」
結(ゆい)「そうだけど・・・ なんて呼んだらいいかわかりませんよ」
きつねさん「私のことはきつねさんと 呼んでください」
きつねさん「この神社の社務所に 居候してます 特技は手からいなり寿司を出すことです」
きつねさん「改めまして、よろしくお願いします 久しぶりに私のことが見える人に会えて 嬉しいです」
結(ゆい)「まって 情報量が多すぎて 混乱してきた・・・」
結(ゆい)「えっと 私は結といいます 不思議なものが好きです 私もきつねさんに会えて嬉しいです」
結(ゆい)「こちらこそよろしくお願いします」
きつねさん「ふふふ 一緒に温泉に入って 水鉄砲しましょうよ」
結(ゆい)「したい・・・けど 着替えるのがめんどうだな」
きつねさん「私がおまじないをかけたら 服着たまま 濡れずに 浸かれますよ」
結(ゆい)「すご・・・ めちゃくちゃ便利 そんな異能があったら 温泉はしごしたくなる」
結(ゆい)「あ、パパからラインだ」
きつねさん「もうお帰りですか いけず」
結(ゆい)「また明日来ます!」
結(ゆい)「神様に平穏な学校生活が 送れるようにお願いして帰ろう」
きつねさん「あ、足元注意してくださいね」
結(ゆい)「ギャッ!」
きつねさん「大丈夫ですか?」
結(ゆい)「ああ、、このまま帰ったら 温泉稲荷の湯に落ちたことが バレてしまう」
きつねさん「大丈夫ですよ そんなに珍しいことじゃないし」
結(ゆい)「ええ・・・ 温泉に蓋とかすればいいのに」
きつねさん「バスタオルと浴衣お貸しします」
結(ゆい)「ありがとうございます 洗って返します」
きつねさん「またいつでも遊びに来てくださいね 人間の話し相手ができて嬉しいのです」

〇実家の居間
おばあちゃん「あら結ちゃん 髪が濡れてる 温泉稲荷に行ったの?」
結(ゆい)「うん、足元見てなくて 温泉に落ちちゃった」
おばあちゃん「いいのよ気にしなくて あるあるだから〜」
おばあちゃん「美人の湯だから 何回落ちても大丈夫よ」
結(ゆい)「きつねさん 美人だったなあ」
おばあちゃん「きつねさん?」
結(ゆい)「ううん、 なんでもない!」
結(ゆい)(きつねさんのことは 私だけの秘密にしよう)
結(ゆい)(明日また 会えるのが楽しみだな〜)

次のエピソード:温泉稲荷の決闘

コメント

  • いいですね、この空気感。きつねさんの「手からいなり寿司」の能力は、ちょっとウラヤマシイですねw未知なる土地で出くわすこういった不思議、大好きです。

  • 両親の離婚、さらに田舎への引っ越しでさぞかし気が滅入っていただろう結ちゃんにとって、きつねさんとの出会いは今後の生活に何か光を照らされたようで、こちらまでわくわくしました。

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