男爵令嬢モブリーナ・モブリンの受難

はやまさくら

お見合い相手は公爵殿下(脚本)

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〇花模様2
  この作品は、オメガバース設定を
  用いたBL(ボーイズラブ)小説です。
  その点、理解いただいた上で
  お楽しみ下さい。
  オメガバースについては、
  ウィキペディア等、様々なサイトで
  紹介されておりますので省略します。

〇洋館の一室
  私の名前はモブリーナ。
  モブリン男爵家の長女であり、
  一家の母親役でもあります。
  早くに亡くなったお母様の代わりに、
  齢17歳の私が女主人として
  一家を支えて参りました。
  我が家はあまり裕福ではないため、
  使用人は片手で数えるほどしか
  おりません。
  なので、細々とした繕いものなどは、
  長女である私が担っております。
  今日も弟たちが破ってしまった衣服が、
  私の目の前に山積みとなっております。
  やんちゃ盛りの弟たちは、
  いくら注意しても
  聞き入れてくれませんの。
  困ったものですわ。
モブリン男爵「モブリーナ、ちょっとよいかな?」
  せっせと繕いものをする私に、
  お父様が遠慮がちに声を掛けました。
モブリーナ「なあに、お父様?」
モブリン男爵「少しお前に話があるんだ。 美味しいケーキを買ってきたから、 一緒に食べながら話そう」
  お父様は人気ケーキ店の箱を
  これ見よがしに掲げ、
  ニコニコと微笑みながら、
  私の反応を伺っております。
  ・・・ですが、これは作り笑いです。
  目が笑っておりませんもの。
モブリーナ「では、紅茶を淹れますわ。 少し早いですが、 ティータイムといたしましょう」
  いただきますと手を合わせ、
  私は遠慮なくケーキを頂きました。
  これはチーズケーキかしら?
  さすが人気パティシエが作る
  ケーキですわ。
  とても濃厚で素材を生かした
  お味ですこと。
  ・・・さて、お父様が私の機嫌を
  取ろうとする時は、
  大抵面倒事を持ちかける時ですの。
  一体何があったのでしょう?
モブリーナ「それで、お話って何ですか?」
モブリン男爵「え、ええと・・・」
モブリン男爵「・・・・・・」
モブリーナ「はっきりおっしゃって下さい」
モブリン男爵「実はお前に縁談が・・・」
モブリーナ「お断りします」
モブリン男爵「えっ、即答!?」
  あら、やっぱり。
  この手のお話は
  既にいくつも持ち込まれていますし、
  実際に何人かの殿方と
  お見合いをしました。
  でも、貧乏男爵令嬢の私に
  魅力を感じなかったのか、
  先方からは全部お断わりされております。
  私は二次性がオメガなので、
  格上の家との縁談も多く、
  いつも気疲れします。
  同じ貴族とはいえ、
  日々の生活に苦労する貧乏貴族と、
  広大な領地を持つ有力貴族とでは
  住む世界が違いすぎますわ。
モブリン男爵「まだ何も詳しいことは話してないぞっ! ちゃんと最後まで聞きなさい!」
モブリーナ「聞くだけ無駄ですわ」
モブリン男爵「今回の縁談は国王陛下から 直々に持ちかけられたお話なんだ。 お願いだから、話だけでも聞いておくれ!」
モブリーナ「えっ、陛下から?」
モブリン男爵「ああ、そうだ。 理由もなくお断りなどしたら、 父さんは仕事を失うかもしれない」
モブリーナ「・・・分かりましたわ。 受けるかどうかはともかく、 とりあえずお話だけなら聞きますわ」
モブリン男爵「ありがとうモブリーナ! これでモブリン家は救われる!」
モブリーナ「大げさよ、お父様。 まだ縁談を受けるとは言ってないわ」
モブリーナ「・・・で、今回のお相手は、 どなたなのかしら?」
モブリン男爵「聞いて驚くんじゃないぞ。 今回の縁談のお相手は、レイノルズ公」
モブリン男爵「――つまり第二王子の ウィレム・アーレンフリート殿下だ」
モブリーナ「レイノルズ公? 王子様? どう考えても、家柄の釣り合いが とれておりませんわ」
モブリン男爵「父さんには陛下のお心は よく分からないが、 声を掛けて頂いたのは事実だよ」
モブリン男爵「実はお見合い用に 殿下の魔法絵を預かってきたんだ。 見るかい?」
モブリーナ「ええ、是非拝見させてくださいな」
  どんな方なのでしょう?
  レイノルズ公爵殿下は
  御年23歳、私よりも6歳年上です。
  私は王家の紋章入りのカードを受け取り、わずかに魔力を込めました。
  すると、カード全体が光り出し、
  一人の青年の立ち姿が
  宙へと浮かび上がります。
  この方がウィレム殿下・・・
  実用的な鎧に身を包んだ姿で、
  泰然とした立ち振る舞いからは、
  王家の一員に相応しい威厳を感じます。
モブリーナ「初対面のはずですが、 どこかでお目にかかったことが あるように思います」
モブリン男爵「今はご自身の領地にお住まいだが、 以前は王都にいらっしゃったからな」
モブリン男爵「社交界にも頻繁に顔を出されていたし、 夜会などでお見かけしたのではないか?」
モブリーナ「言われてみれば・・・」

〇大広間

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