ぼくらの就職活動日記

大杉たま

エピソード13(脚本)

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〇ディベート会場
藤原一茶「猫がええー、猫がええー、猫がええんやー」

〇ディベート会場
「!?」
若山柿之介「上がったべー」

〇ディベート会場
藤原一茶「猫がええー、猫がええー、にゃにゃにゃにゃー」
真田紅音「なんで・・・」
  残り時間が0になり、モニターに戸川の姿が現れる。
  終了でーす、みなさんお疲れさまです。
  これ以降、動画配信はストップしますので、どうぞ楽にしてください
  視聴者の方々にはこれから1分間、デッドゾーンのグループ以外の動画で投票を行ってもらいます
  結果が出るまで少々お待ちください
藤原一茶「ふー、疲れたわ。 人前でにゃにゃにゃにゃ言うんは、はずいわ」
藤原一茶「あ、瑚白、自分なんか演劇とかやってたやん、えらいノリノリやったな」
中園瑚白「何したの、あれ」
藤原一茶「せやから、魔法やで」
真田紅音「嘘だ」
藤原一茶「ああ、それは嘘や」
若山柿之介「ええ、そうなんだべか」
中園瑚白「どういうカラクリなの。 何かズルしてて、巻き添えで失格なんて許さないけど」
藤原一茶「ズルちゃうわ、ちゃんとルールに則ってやったわ」
真田紅音「じゃあ、どうやって」
  モニターに再び戸川の姿が現れる。
  はーい、集計が終わりましたので、発表したいとおもいまーす
  各教室のモニターに、それぞれの結果を表示しますよー。
  ふふふ、ドキドキだねー
  じゃあ、結果発表、どん!
真田紅音「勝った・・・」
中園瑚白「なんで」
藤原一茶「ふぁーあ」
  相手チームのメンバーである映人やまりあたちが落胆している。
  はい、という、結果になりましたー。
  投票数が多かったチームが次の選考に進むことになります
  今後の選考について説明がありますので、その場で少々お待ちください
  残念ながら選考に漏れてしまったみなさま、お疲れさまでした
  皆様の今後一層のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
  お帰りの際は、気を付けてお帰りください
  プツッとモニターが途切れる。
東映人「よし、撤収、バラしちゃってー」
長谷川まりあ「おめでとう」
中園瑚白「ありがとう、さっきはひどいこと言ってごめんなさい」
長谷川まりあ「いえ、あなたとお芝居するの楽しかったわ」
東映人「ちょっとすみませんよ、これね、ぼくの名刺」
  名刺に『東映人』と書かれている。
東映人「僕ね映画監督やってて、次に撮る映画はヒロイン二人にしようと思ってて。 まりあと君がいいなと思ってて」
東映人「もし、興味あったら、ここに連絡ほしいなと思ってて」
藤原一茶「ええ、監督、新作撮るんすか。 うわー、瑚白めっちゃええやん」
東映人「このエリートピア選考に参加したのも、何かしらのエンスピレーションをもらえないかと思って参加したっていうのがあって、どうかな」
中園瑚白「ありがとうございます、でも絶対興味わかないと思うので結構です」
東映人「あ、そう、うん、わかったよ・・・」
長谷川まりあ「あれだけできるのに、もったいない」
中園瑚白「私にとって演技は日常でもするものだから、わざわざ場所を用意されなくてもいいの」
藤原一茶「めっちゃカッコええこと言うやん」
中園瑚白「さて、じゃあ、どうやって視聴率を稼いで、かつ票も稼いだのか教えてもらえる?」
藤原一茶「あー、忘れてへんかったか」
真田紅音「汚い票じゃないんだよね」
藤原一茶「なんやねん、汚い票って。 まあ、あれは——」
  ぐ〜・・・
若山柿之介「おら、腹減っただ」
藤原一茶「ほんなら、たこ焼きでも食い行こか」
真田紅音「たこ焼き?」
  ニヤりとする一茶。

〇たこ焼き屋(看板無し)
  看板に大きな文字で『ごっつ!』と書かれている。
藤原一茶「ここや、ここ。 ここがうまいねん」
中園瑚白「目がチカチカする。 出来れば入りたくないんだけど」
真田紅音「あんまり流行ってないみたいだし、僕の舌に合うかな」
若山柿之介「おら、あんまりお金もねえんだけど」
藤原一茶「ぶつくさ文句多いわ」

〇たこ焼き屋の店内
藤原一茶「ただいま!」
真田紅音「は、ただいま?」
藤原晶子「ああ、お帰り。あらお友達。 あんた友達いたの?」
藤原一茶「友達ちゃうわ、選考で一緒だったやつや。 オトンは?」
藤原晶子「出前行ってるわ」
藤原一茶「おお、うるさくなくて助かるわ」
若山柿之介「なんだべ、ここ一茶の家だったべか」
藤原晶子「やだ、何この子? ごっつキュートやね」
  晶子が柿之介を抱きしめる。
藤原一茶「せや、せやけどおごりやないで、きっちり払えや」
  晶子が一茶の頭をはたく。
藤原晶子「なにケチくさいこと言うとんねん。 気前よくおごったりや」
藤原一茶「せやったらオカンがおごったらええやんか」

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