しはいのしっかりかん(脚本)
〇おしゃれな教室
曇天坂 昇「転校生を紹介するぞ」
カルマ「カルマ=ピーチフラワーだよん。よしなに」
曇天坂 昇「席は──」
殿 福「只者じゃなさそうだ、曲者は堅そうだ」
カルマ「よろしくだよん」
あづま「その口調──」
南都 勅使香「あづま様の香りを嗅ぎ放題の人間! わたし様が許さないわ!」
カルマ「逆恨みだよん 仕方ないなあ」
南都 勅使香「これは!! あづま様の香り!!」
あづま「倒れた」
殿 福「香りを出した・・・? すごい転校生、強い反応性」
南都 勅使香「もっと、もっと寄越しなさい!」
カルマ「何が欲しいよん?」
南都 勅使香「もちろん、あづま様!」
あづま「気持ちわるっ」
カルマ「これでいいよん?」
殿 福「はっ!?」
南都 勅使香「あづま様が、ついに── カルマ様、転校生の中で最も神に近い男だわ!!」
男子「御令嬢が言うならそういうことにしておこう」
〇豪華な王宮
殿 福「玄担に昼ご飯あげるために昼休みの度に帰るの馬鹿らしいよ──うわ教室がすごいことに!!」
あづま「ボクの玉座かな?」
カルマ「ボクのだよん」
殿 福「たった30分こっきりで、あんたなんちゅうもんおっきいで」
南都 勅使香「控えおろう! 新キャラは無条件にえらいのよ!」
殿 福「俺たち全員新キャラみたいなもんじゃねーか」
カルマ「玉座建立記念にこの学校を天から地獄までの6階級に分ける法律をつくるよん」
殿 福「なんだその上下のわかりにくい分け方!」
カルマ「む。きみ、地獄だよん」
殿 福「薄々気付いてはいたけど地獄か」
カルマ「隣の君は──」
カルマ「びっくりだよん」
カルマ「こっちからもいくよん」
殿 福「なにやってんだ!? 撃ち合ってんだ!! 自分の分身?を盾にしやがった!」
女子「キャアアアア」
曇天坂 昇「何だこれ、みんな逃げろ!」
あづま「大変だ・・・イマソカリ共和国が直接攻めてきた」
カルマ「ええーっ、仕掛けてきたのそっちだよん!? て、あっ。あづまだよん!!」
殿 福「知り合い?」
あづま「知り合いなんてもんじゃないぞ──」
カルマ「婚約者だよん」
カルマ「なんで気付かなかったよん? そっか男装のせいだよん」
カルマ「てことはお前が許嫁のシンガリ福だよん」
殿 福「降って湧いた許嫁が人妻と浮気してたと思ったら婚約者までいた」
〇研究装置
ナンシー「なかなか情報を吐きマセーンね」
橙台 愛未「気絶してるから当たり前かも」
手の者「うーん、ここはいつ私はどれ──」
手の者「体内の通信機に王からの指令が!!」
橙台 愛未「あっ逃したかも」
ナンシー「しかも多分ここの場所がバレてマス」
〇豪華な王宮
カルマ「とっとと日本をもらうよん」
あづま「くうっ、敵のボクが強すぎる! さすがボク!」
殿 福「自画自賛はいいから一旦退いて、玄担でも連れてきてなんとかさせようぜ」
玄担 一茶「呼ばれて飛びでて邪蛇じゃじゃーん」
玄担 一茶「驚いたいきなり撃ってくる」
殿 福「なんで完璧に防げるんだよ」
曇天坂 昇「シンガリも早く逃げろ! あとはお前とアヴァランチカスタムだけだ」
殿 福「これがほんとのしんがりってね あづま、動けそうか!?」
あづま「先生危ないよ!」
曇天坂 昇「人生は多面体! 誤った道を歩んでいると感じても、ねじれの位置に移ることができる!!」
〇白い校舎
曇天坂 昇「せっかくの見せ場だったのに」
あづま「先生の授業わかりにくいよ」
曇天坂 昇「よりによって今言う!?」
殿 福「すみません邪魔する関門は爆破する子なんです」
玄担 一茶「かくなる上は──」
玄担 一茶「逃げちゃおう!」
殿 福「その流れだよ、ほぼ遅れだぞ」
玄担 一茶「ちょっと思ってたんだけど、私はなぜ剣を一本しか使わないのだ」
玄担 一茶「二刀流の方がかっこいいな」
カルマ「あづまたちを逃したか、やるよん」
玄担 一茶「まずい、かっこよさを追求していたら逃げ遅れてしまった」
カルマ「・・・」
玄担 一茶「間合いさえ掴めばこの通りだ」
玄担 一茶「えっ多い」
〇古いアパート
殿 福「なんじゃこりゃあああ」
ナンシー「大変に大変デス!」
殿 福「みたいだな。あづま、大丈夫か? 自分の姿のが、バタバタ──」
あづま「潮時かもしれないな」
殿 福「あづま?」
柑奈刑事「大臣から援護要請です、なんとかしてください」
殿 福「大臣!?」
ナンシー「ナンシーは頑張りマスよ、破壊するだけならお手のものデス」
橙台 愛未「法的保護とお金を積んでもらわないとハイとは言えないかも・・・」
殿 福「こんな時にがめつく要求するな!」
柑奈刑事「一刻を争います。政府がなくなります」
橙台 愛未「アレ使ってもいいかも?」
柑奈刑事「い、いいかも〜」
橙台 愛未「よっしゃハイになってきたかも🧡」
殿 福「条件重いくせに口約束でいいんだ!」
〇荒廃した国会議事堂
カルマ「いい具合だ、ここを式場にしよう」
橙台 愛未「あ、あああああ〜〜」
殿 福「なんだよ」
橙台 愛未「国会議事堂を壊したの、私の掘削機かも」
ナンシー「そういえば温泉掘ってマシタ! 敵にあげちゃうなんて、とんだポンコツデース」
橙台 愛未「ナンシーには言われたくないかも 掘削機の依頼は南都から来たかも」
ナンシー「てことは中途半端に潜入を投げ出したナンシーのせいデス」
殿 福「このおバカたちに国の命運が・・・」
カルマ「えー日本国民諸君。この国はイマソカリ共和国になり、全員を天から地獄までの6階級に分け、数時間後結婚式を挙げるので見ろよん」
殿 福「なんにも伝わらないぞ」
橙台 愛未「思ったよりおバカなので私たちは秘密兵器を取ってくる。持ちこたえるように」
殿 福「お前らも秘密兵器確保してから現場に到着してくれよ」
カルマ「ぷんすこだよーん!!」
殿 福「このおバカっぽい奴に征服されかけてるのか、この国」