TENGU

下假 貴子

第五話…天仰げば尊し我氏の恩忘れ散りゆく枝に水挿せば命超ゆる。(脚本)

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〇空

〇霧の立ち込める森
  てくてく

〇霧の立ち込める森

〇空
  ────────。
謎の女「──ちょっと寒いな」
謎の女「これでいいだろう」
謎の女「おい、お前たち、何してる!!」
樹木 理亜欄「はい。 って、ここ、どこ〜。 理亜欄、場合によってはキレちゃうよ」
喜々 樺音「まあまあ、お姉チャン、そんなん、いってると、逆にシバかれるんやない? ふたりの兄ちゃんもいってるからな。 なっ・・・」
鈴木 田中「まあまあ。 昔のどこかだろ・・・。 タイム何て言うんだ・・・。 何も驚かない所が俺等らしいな」
ケビン・デュラント「拙者、侍と申すなんてな」
ケビン・デュラント「──」

〇空

〇綺麗な図書館
ねこ「どれ行こうかね」
謎の女「待って・・・そんなに先を急がなくても──」
ねこ「あら、賑やかね」
鈴木 田中「お──。 これ凄い・・・ 信長の野望。 発行日が大正。この時から信長の野望書かれてたのか──」
喜々 樺音「何言ってるんや。 野望なんて── 前から騒がられてるやろ?」
樹木 理亜欄「あはは。 漫画の剣心でもあったじゃん・・・ 信長の野望はライセにありって」
ケビン・デュラント「お三人さん、何してるん? 今日、初めてあったのに、もうなかよしかいな?」
喜々 樺音「違うもん」
樹木 理亜欄「ちゃうんや。 ウチはそんな関西弁認めないいうんてるんや。仲良しやない」
喜々 樺音「うるさいわ・・・ 関係ないやろ」
ケビン・デュラント「標準語も可愛んとちゃうん?」
喜々 樺音「標準語好きなの? 実は前に喋り方が訛っているって言われて・・・」
喜々 樺音「私の話し。 聞いてくれるよね♡」
ケビン・デュラント「あ──・・・」
ケビン・デュラント「もう帰るかな。 皆は帰らんの?」
樹木 理亜欄「帰る。帰る・・・。 待ってや」
喜々 樺音「むぅ。 ウチも一緒に帰る・・・」
鈴木 田中「じゃあ、俺、この本、借りてくる」
ケビン・デュラント「ああ」
  てくてく。
鈴木 田中「すみません。 これ、借りたいんですけど・・・」
「・・・」

〇桜並木
樹木 理亜欄「ねえねえ、こうやって出逢えたのも何かの縁・・・。喫茶いこうや」
鈴木 田中「いいね──」
  くるっ。
喜々 樺音「ウチは帰るわ。 また、ここにくるやろ・・・?」
鈴木 田中「そうだな。 俺も、これ、読みたいし帰ろうかな」
樹木 理亜欄「そんなぁん。 寂しいやぁん」
ケビン・デュラント「素直でいいな。 お前は・・・」
喜々 樺音「むぅ。 ウチにも微笑みかけてえな」
ケビン・デュラント「まあまあ。 またな・・・」
喜々 樺音「むぅ」
鈴木 田中「じゃあ、帰るか・・・。 何か変だな。一生会えないわけでもないのに、何かもう、会えない気がする──」
ケビン・デュラント「ああ──」
樹木 理亜欄「じゃあ・・・  ・・・ またな・・・」
鈴木 田中「じゃあな・・・」
ケビン・デュラント「ほなさいなら・・・」
喜々 樺音「またな・・・」
喜々 樺音「ん・・・?!」
天空 翔「・・・」
  てくてく
謎の女「皆さん後で会いましょう──」
謎の女「明日が今になる──」

〇霧の立ち込める森

〇霧の立ち込める森
喜々 樺音「着物着てると不便やわ。 何とかしてほしいわ──」
ケビン・デュラント「我慢が大事やで」
ケビン・デュラント「何てな。 俺は楽だけど」
喜々 樺音「異国からの旅人・・・ だから浴衣ってな。 着物は簡単に着してもらわへん設定なんやね」
ケビン・デュラント「ほんま、偉いところに飛んでしもうたわ」
樹木 理亜欄「ウチは異国の外人に合わせて気を使っている道場の娘って設定やわ」
鈴木 田中「そして俺は・・・。 その道場の師範を持ってる息子」
喜々 樺音「じゃあ、ウチは妹やね」
謎の女「そして私は用心棒で雇われた僧侶」
ねこ「私はその連れ」
喜々 樺音「まるで、水戸黄門みたい──」
謎の女「にこ」
ねこ「ふふ」
ケビン・デュラント「ふっ」
樹木 理亜欄「わーい」
鈴木 田中「くすっ」
謎の女「折角、ここで会ったのもなにかの縁。 皆で仲良く長旅でもしましょうか──」
鈴木 田中「あぁ、何言ってるんだよ・・・。 何か変な呪文言って、卑怯な手を使って俺等をここまで運んだじゃないのかよ」
ケビン・デュラント「まあまあ・・・。 べっぴんさんには怒らない方がいいぞ」
鈴木 田中「何いってん・・・ いててて」
謎の女「悪かった。手癖が悪いもんでな」
???「・・・」
喜々 樺音「ウチ。いい事、考えたんや」
喜々 樺音「水戸黄門チーム作るんや。 題して、チーム名、未都、効問様。 紋所はないけどな」
樹木 理亜欄「いいやん。いいやん」
ケビン・デュラント「決まりだな」
ねこ「決まりですね」
鈴木 田中「俺は認めてねえぞ。 何で、こんな女と・・・」
謎の女「まあまあ──。 よろしくな」
鈴木 田中「俺は認めねえ」
喜々 樺音「まあまあ」
樹木 理亜欄「あ、そうだった・・・」
ケビン・デュラント「何だ?」
樹木 理亜欄「名前、名前は・・・皆の名前」
鈴木 田中「俺の名前は鈴木田中・・・」
樹木 理亜欄「えっ。 それって・・・。 ゴニョゴニョ! まじでまじで・・・凄くない」
ケビン・デュラント「2つとも名字みたいだな。 って一つは名字でいいのか・・・」
鈴木 田中「俺は認めねぇ・・・」
樹木 理亜欄「もう・・・いつまでいってるんや。 こほん。 うちの名前は樹木 理亜欄や。 よろしくな」
ケビン・デュラント「俺の名はケビン・デュラント。 宜しく」
喜々 樺音「そしてウチの名前が喜々 樺音や。 仲良くしたってな」
ねこ「私の名前は鈴木 佐藤です」
喜々 樺音「お婆ちゃんも名字みたいな名前や」
謎の女「ふふっ。 あ、悪かった。 私の名前は聖母 真理亜だ。 よろしく」
喜々 樺音「自己紹介終わったね。 じゃあ、みんな・・・」
喜々 樺音「ううっ・・・」
謎の女「・・・?」
喜々 樺音「よろしく──。 3、3、7拍子」
喜々 樺音「たん、たん、たん。 はい・・・」
  たん、たん、たん・・・
樹木 理亜欄「たん、たん、たん、たん、たん、たん、たん」
ケビン・デュラント「たん、たん、たん。 たん、たん、たん。 たん、たん、たん、たん、たん、たん、たん」
樹木 理亜欄「ほら、鈴木?田中だっけ?どっちでもいいや。 一緒に・・・」
鈴木 田中「俺は認めねえ──」
喜々 樺音「たん、たん、たん。 たん、たん、たん。 たん、たん、たん、たん、たん、たん、たん」
ねこ「くす」
ケビン・デュラント「元気だな──」
樹木 理亜欄「もう、意固地になって・・・」
謎の女「まあまあ」
鈴木 田中「ちらっ・・・」
鈴木 田中「俺は認めねえ。 俺の道を行くんだ──」

〇空

〇空
「雨が止んだ。 夕陽が綺麗だな・・・」
  fin.

次のエピソード:第六話…越ゆる秋舞い上がるは仲間と十五夜と酒を啜る降りる剣。

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