僕が長生きするために🌠

ライ麦

【9話】嘘つきの選択(脚本)

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〇電脳空間
桃香(ももか)「プロジェクターってこんなことできるんだ!」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「これは試作品なの 市販のものでは、まだ出せないから」
沙羅(さら)「これ、どうなってるんですか?」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「市販のバーチャルゴーグルを使ってプロジェクターの映像の中に入る感じ」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「メンバーを認証すればどこにいてもこのバーチャル空間で会うことが可能なの」
沙羅(さら)「それ、あんまり説明になってません」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「まあ、そのへんは大学で勉強してね」
桃香(ももか)「う~~」
沙羅(さら)「ゆうかてゃにこのアカウントを伝えたけど・・・来てくれるかな?」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「ライブの翌日だし、彼女がケア・アワーを使ってでもきてくれるかどうかね」
沙羅(さら)「そう言えば桃香! 何でついてきたの!」
桃香(ももか)「沙羅だけなんでダメだよ!」
桃香(ももか)「それに今のところ危険は少なそうだし! 気にしない気にしない♪」
沙羅(さら)「はぁ・・・桃香らしいや・・・」
  『メンバーがログインしました』
楽本 優花(らくもと ゆうか)「・・・・・・」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「来てしまった・・・」
沙羅(さら)「ゆうかてゃ!」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「君、いつもライブに来てくれてる・・・」
沙羅(さら)「羽村 沙羅といいます」
沙羅(さら)「隣のこの子は山鳥 桃香」
桃香(ももか)「はじめまして!」
沙羅(さら)「で、その隣が私の大学のOBの久遠 翡翠さん」
沙羅(さら)「ゆうかてゃはAPだからケア・アワーで来てくれたんだよね! 早速、例の人に会ってきて!」
沙羅(さら)「私たちは一時的に仮ログアウトするね」
  『メンバーが3人ログアウトしました』
  『メンバーがログインしました』
神田 矢真樹(かんだ やまき)「あれから8年前、変わらねぇな」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「矢真樹くんは、歳をとったね・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「お前、俺と同い年なこと忘れるなよ」

〇電脳空間
神田 矢真樹(かんだ やまき)「あんまり思い出話もしてられねぇから単刀直入に言うぞ!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「お前のことを世間に公表させたのは庭谷だろ! 奴とはすぐに手を切れ!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「アイツは不都合なことをしようとした俺を殺そうとしたんだ!」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「そんな!まさか・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「本当だ!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「実は庭谷と昔、仲間だった大学の先生がいるんだ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「その人が俺たちの為にできることを協力してくれるって言ってる」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「庭谷から逃げるチャンスは今しかねぇ!」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「ダメだよ! 今更、私は私のファンを裏切れない・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「バッカヤロウ!!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「今が、裏切りになってるんだよ!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「お前だって分かってんだろう!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「歌ってる時だって応援してくれてる人をちゃんと見てなかったじゃねぇか!」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「だって・・・だって・・・」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「私・・・どうしたら良かったの・・・」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「私が出たかったあの部屋と・・・今も同じだった・・・」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「どうしていいか私分からないよ・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「分からねぇなら、俺について来い!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「だがな!最後に決断するのはお前だからな!絶対に忘れるなよ!!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「どうするんだ!優花!!」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「もう後悔したくない」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「矢真樹くんについて行くよ」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「分かってた・・・私が応援してくれるファンに酷いことしてることも」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「庭谷がしてることは人として間違いであることも・・・」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「矢真樹くんを追い出した時に十分過ぎる程分かってたはずなのに・・・」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「私、自分にも嘘ついてたんだね・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「お前、嘘は顔に出やすいからな」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「気づくの矢真樹くんぐらいだよ」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「でも、気づいてくれてありがとう 矢真樹くん」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「よし!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「じゃあ、決まりだな!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「バーチャルゴーグル取ったらすぐ準備しろよ!」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「えっ?どういう・・・」

〇寮の部屋
ロボットJO「翡翠・・・これ犯罪ギリギリ・・・アウトでは・・・」
ロボットJO「だってしょうがないじゃない」
ロボットJO「しかも優花の返信だけで所在地まで割り出しやがった・・・現代社会は怖ぇな・・・」
ロボットJO「怪しいメッセージに応えたら、それぐらいのリスクは付き物よ」
ロボットJO「さあっ楽本 優花さん あなたもこれに着替えて」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「えっと・・・これって、このロボットに!」

〇研究開発室
ロボットJO「ここは・・・」
  どこかに到着したようなので
  楽本 優花はロボットを脱いだ
楽本 優花(らくもと ゆうか)「どこなの?」
星 太陽(ほし たいよう)「ここはある大学の研究室だよ」
星 太陽(ほし たいよう)「はじめまして」
星 太陽(ほし たいよう)「私は星 太陽 最近ここの大学の教授になったんだ」
星 太陽(ほし たいよう)「君もやっているスローアライブを私もやっている」
星 太陽(ほし たいよう)「20歳から40年だから今は60歳」
星 太陽(ほし たいよう)「君のことは勝手ながら調べてもらって知っている」
星 太陽(ほし たいよう)「庭谷のことは本当に申し訳なかった」
星 太陽(ほし たいよう)「謝って許されることでないが・・・」
星 太陽(ほし たいよう)「かつての庭谷の仲間として謝りたい」
星 太陽(ほし たいよう)「そして、これから君が生きていく為の協力をさせてほしい」
星 太陽(ほし たいよう)「もし君がこれからもAPとしてスローアライブを続ける意思があるなら全力で支援する」
星 太陽(ほし たいよう)「もし普通の生活に戻りたいなら、その為の支援をさせてくれ」
星 太陽(ほし たいよう)「必ず安定した生活に戻してみせる」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「ありがとう・・・ でも私の他にもまだいるの・・・」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「庭谷の実験に巻き込まれた仲間が・・・」
星 太陽(ほし たいよう)「私は君も含めて庭谷の実験に参加した人たちも救いたいんだ」
星 太陽(ほし たいよう)「もし君が良ければ、私に力を貸してほしい」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「皆も救ってくれるなら私は何でも協力するわ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「優花、この先生なら希望が持てるだろ!」
楽本 優花(らくもと ゆうか)「うん!」

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