ひとのこころびょうけつ(脚本)
〇二人部屋
あづま「一日雨で辛かったなあ。火薬がシケちゃうもん」
殿 福「どこまでも戦闘狂、もうせんとこう?」
玄担 一茶「と、止めてくれ──」
玄担 一茶「さもなくば、斬る!!」
殿 福「ついに狂ったか玄担!」
あづま「まずい、銃火器は使い物にならないぞ」
殿 福「没収したのになんで普通に使おうとしてる?」
玄担 一茶「逃げろ、さもなくば斬る!!」
〇らせん階段
殿 福「思わず駆け込んだのは長い長い行き止まり・・・」
あづま「不測の事態を攻略するには原因を探るのが吉だぞ」
橙台 愛未「おっとばったり。あの、ごめんなさい」
殿 福「スピーディーに原因がわかった」
〇ホテルのレストラン
玄担 一茶「ごほ、ごほ」
玄担 一茶「美味美味 朝は家庭の味、夜はプロの味、昼は高楊枝。これぞ最高の献立」
橙台 愛未「ナンシーが大嫌いなだけで玄担のことも嫌いでないとは言えないと言っておきたいかも」
玄担 一茶「曖昧すぎてわからない」
ナンシー「しゅたっ。一流店に潜入して盗んだ味はいかがデスか?」
橙台 愛未「もしかして、今までのご飯ナンシー作なの?」
ナンシー「デース」
橙台 愛未「death!!」
玄担 一茶「こらこら、自刃は拙者の専売特許」
ナンシー「玄担が刀を取られマシタ」
橙台 愛未「ありえないかも」
ナンシー「玄担がおっちんだデスか?」
橙台 愛未「ご飯たかって倒れるとか迷惑かも 腹いせに、試作中の薬投与するかも」
ナンシー「わくわくデース!」
〇近未来の通路
橙台 愛未「体が休まる代わりに心を眠らせて衝動が表に出てしまう睡眠薬を飲ませたの。今の玄担は鞘を失った刀」
殿 福「あいつに鞘があったのか?」
あづま「人斬り衝動を切腹願望で抑え込んでいたんだな!」
殿 福「修羅すぎる!」
橙台 愛未「電気ショックで一回衝動ごと仮死状態にして、蘇生させれば解決かも。じゃーねー」
殿 福「めんどくさいな。いくら玄担とはいえ、隣人に攻撃するのか──クソっ、嫌な思い出をいっぱい思い出そう」
殿 福「あいつ、今は理性飛ばして猛獣みたいなもんだからな。素面で俺の親斬ったもんな。あれ? 思ったより危険だな」
殿 福「やるしかねええええ 玄担への鬱憤をぶつける!」
あづま「鎮圧完了」
殿 福「終わった! 一生懸命呼び起こした怒りの行き場がない!」
あづま「蘇生はよろしく」
殿 福「改めて危険人物と認識した奴を!? ま、いいや。腐っても臭いだけ、恐怖しても器用!」
〇近未来の手術室
殿 福「まさか難しいと思わなかった、いつも死を回避して当たり前だったから! ナイアガラ!」
殿 福「南都大病院(大学病院ではなく、おっきい病院の意)でも起きないなんて、アリカンテ・・・」
あづま「ダーリン、言いにくいんだけど・・・」
殿 福「死は覆らないっていうんだろ!? 平和ボケの国に住んでても、そのくらい知ってるの、インフェルノ!」
あづま(普段に輪をかけてキレが悪いよ・・・)
橙台 愛未「流石に申し訳ないかも・・・」
ナンシー「ワタシたちの医療ミスなのデス・・・」
殿 福「庇わなくていい! 俺が生き返らせられなかったんだ、五反田! 俺は一度殺そうとしたんだから、雑司ヶ谷!」
橙台 愛未「今はドクターストップかも」
〇二人部屋
殿 福「あづま、今日の朝ご飯は2人分だな」
あづま「いや、3人分で・・・」
殿 福「そうだよな、あいつの分もお供え死ないとな!」
殿 福「人はいつ死ぬのかな、きっとハイツにいるのかな」
玄担 一茶「いるよ〜・・・」
殿 福「そうだよな、俺が忘れなきゃ、思い出の中でずっと一緒にいるよな!」
「いただきます」
殿 福「おい玄担、なんでいるんだよ」
玄担 一茶「朝食をいただくゆえ」
殿 福「いーかげんにしろ、この前家計部で計算してわかったがもうお前にやる食費は──」
玄担 一茶「いやはや、間違って酒を投与されるとは思わなかった」
あづま「ごめんね、電撃銃はしっかり弾かれてて、酔いつぶれて寝ちゃったみたいなの」
殿 福「ふざけるなッ!!」
玄担 一茶「記憶は飛んでいるが今回ばかりは迷惑をかけた。かくなる上は──」
殿 福「いいんだよ、昼ご飯もやるよ! 生きてていいよ〜!」
玄担 一茶「してやったり✌️」