【6話】ゴーストプラネット(脚本)
〇大教室
久遠 翡翠(くおん ひすい)「アナタ、庭谷の実験に巻き込まれた一人なの?」
星 太陽(ほし たいよう)「・・・・・・すまない・・・本当に、すまない・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「謝ってんじゃねぇよ! 優花を利用しておいて白々しい!」
星 太陽(ほし たいよう)「・・・庭谷を止められなかったのは俺の責任でもある」
星 太陽(ほし たいよう)「だが、聞いてほしい」
星 太陽(ほし たいよう)「俺はスローアライブに君たちを巻き込むつもりはなかったんだ・・・」
星 太陽(ほし たいよう)「今更、謝罪しても足りないだろうが・・・本当にすまない・・・」
桃香(ももか)「なんか大変なことになっちゃった・・・」
沙羅(さら)「えっ・・・ゆうかてゃが犠牲に・・・ どういうこと?」
沙羅(さら)「あの男の人何なの?」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「謝罪なんかで許せるわけねぇだろ!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「俺はお前らがしたことを公表してやる!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「絶対に許さないからな!」
神田 矢真樹は星 太陽を睨み付けると
その場から去っていった
〇大学の広場
沙羅(さら)「あの男の人が言っていたこと・・・ ホントかな・・・」
桃香(ももか)「うーん・・・」
沙羅(さら)「どうしよう・・・もし・・・ゆうかてゃがホントは苦しんでたら・・・」
沙羅(さら)「私たちは星先生を信用していいのかな・・・」
桃香(ももか)「それは・・・」
桃香(ももか)「星先生は良い人そうだけど・・・」
桃香(ももか)「今回のこと、星先生何か知ってるようだった・・・」
桃香(ももか)「私も分からないよ・・・」
〇研究開発室
久遠 翡翠(くおん ひすい)「太陽、彼のことは私が調べておくから」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「アナタのケア・アワーはもうすぐ終わるから睡眠の準備に入って」
星 太陽(ほし たいよう)「スローアライブのせいで人生を後悔する人を出してしまった・・・」
星 太陽(ほし たいよう)「翡翠、俺はどうしたら・・・」
星 太陽(ほし たいよう)「いや、これは俺が考えなければ・・・」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「だからってすぐに何とか出来る訳じゃないでしょ」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「必要な時に動けるように今は休んで」
星 太陽(ほし たいよう)「翡翠・・・ありがとう・・・」
〇田舎の病院の病室
神田 矢真樹(かんだ やまき)「あれだけ騒げば、あちらから何が接触してくるはずだ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「正直、俺なんかが何を主張しようが誰もまともに聞いちゃくれねぇ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「俺は優花みたいにはいかねぇからな・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「・・・ん?」
神田 矢真樹は病室に人の気配を感じた
村雨 夏李(むさらめ なつり)「神田様の病室はこちらですね」
清田 黒斗(きよた くろと)「神田はお前だな!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「・・・アンタら、あいつらの仲間か!」
清田 黒斗(きよた くろと)「これくらいの金で納得してくれねぇかね」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「もうすぐ死ぬ俺に金なんて意味ねぇよ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「お前らのせいで碌な人生にならなかったじゃねぇか、クソが!」
清田 黒斗(きよた くろと)「じゃあ、くたばるまで余計なことは黙っててくれねぇかね」
清田 黒斗(きよた くろと)「無駄な怪我したくねぇだろ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「嫌なこった! お前らの要求なんて死んでも呑むかよ!」
村雨 夏李(むさらめ なつり)「残念でございます・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「クソッ・・・」
清田 黒斗(きよた くろと)「オイッ、村雨早く済ませろよ」
清田 黒斗(きよた くろと)「ん?何か機械音がしねぇか?」
謎のロボットが病室に現れた
清田 黒斗(きよた くろと)「何だ!?こいつは!?」
「ターゲットを発見しました」
「翡翠様、こちらです」
清田 黒斗(きよた くろと)「何だコレ!」
村雨 夏李(むさらめ なつり)「駄目です 手持ちの武器では攻撃が通りません」
村雨 夏李(むさらめ なつり)「心苦しいですが、撤退致しましょう」
清田 黒斗(きよた くろと)「チッ、しゃあねえ」
村雨と清田は帰ってしまう
ロボットJO「間に合って良かった・・・」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「怖かった・・・なに、あのメイド・・・ 刃物を持ち歩くなんて・・・」
ロボットJOの中から久遠 翡翠が出てきた
神田 矢真樹(かんだ やまき)「いや・・・アンタも何なんだよ! ロボット連れてくるなんて!」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「これに武器なんて付いてないわ 安心して!」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「・・・庭谷とアンタらは仲間じゃねぇのか?」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「・・・かつての仲間よ」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「だから、アナタには本当に申し訳なく思ってるの」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「アイドルの楽本 優花の公表から庭谷に会ってアナタたちのことを聞いたわ」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「ごめんなさい・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「俺はどうせ死ぬからいいんだよ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「ただ・・・優花やあの時の仲間が今も苦しんでるかもしれねぇ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「俺は優花と同い年で28年前にグレてたところに庭谷って奴から金と引き換えにスローアライブ実験の参加を誘われた」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「親ともうまくいかなかった俺はすぐに家を出てて金に飛びついた」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「だけど俺はもともとあんまり寝ない生活してたから合わなくてよ・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「寿命もどうやら延びなかったらしい・・・ 8年前にスローアライブの生活を打ち切られた」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「優花たちとは8年前からもう会ってねぇ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「情けないが・・・それから、寿命とは関係ない病気が発覚してな・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「貰った金を全部使っても俺の病気は治らないらしい・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「死期を待つつもりだったところに、優花のニュースを見つけてしまってよ・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「アイツは一人で抱え込んじまうんだ・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「アイツに悲しい思いをしてほしくねぇんだ」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「世間は優花に注目してしまってる・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「庭谷の奴は責任すら優花に押し付けようとしてる!許せねぇ!」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「私も庭谷のやり方は許せない」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「アナタも楽本 優花も、他の実験に巻き込まれた子どもたちも・・・」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「庭谷の代わりに償いたいの・・・」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「アナタに言うのは酷だけど協力してほしい」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「まずは楽本 優花の本心を聞きたいの」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「・・・・・・」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「俺は、いつ、死ぬか分からねぇけど」
神田 矢真樹(かんだ やまき)「アイツに会えるなら協力してやるぜ」
久遠 翡翠(くおん ひすい)「ありがとう・・・本当に・・・」
〇地球
地球観測センター
「例の実態のない黒い星はどうだ?」
「変わらないスピードで依然、地球に近づいています」
「地球の被害は予測できたか?」
「正確にはまだ、なんとも・・・」
「しかし、少なくとも地球が、人類の生きていける星ではなくなります・・・」
「まだ公表は先になるだろう」
「アレが到着まで200年もないかもしれない・・・何としてでも止める手立てを考えろ」
「あのゴーストプラネットが到着する前に・・・」