エピソード1(脚本)
〇学校の校舎
葉山優希「す、好きです・・・・・・!」
葉山優希「わた、私と付き合ってください・・・・・・!」
五十嵐薫「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんでだよ」
葉山優希「え・・・・・・?」
五十嵐薫「キモイんだよ、ブタ!!! くそう! なんでだよ! デブス、二度と話しかけんな!」
この時、私、葉山優希の人生は終わった。
一世一代の告白は、完膚なきまでに叩き潰されたのだ。
命日は小学校の卒業式の日。
犯人の名前は、五十嵐薫。
私の幼馴染でずっと一緒に遊んでいた男の子だった。
〇学校脇の道
その日、私は家に帰るまで泣き続け、
〇住宅街の道
〇女の子の一人部屋
帰ったあとも、部屋に引き籠って泣いた。
「優希ちゃん~? どうしたの? 大丈夫? お母さんと、お話出来そう?」
葉山優希「うえ・・・・・・うう・・・・・・ぐすん・・・・・・うえええええええんん!!」
お母さんが、私を心配する声が聞こえるが、返事の代わりに嗚咽しかでない。
「優希~! ご飯もできてるぞ~? 今日は優希の大好きな焼肉だ! ほら、一緒に食べよう!」
お父さんも声をかけてくれたし、焼肉の香りもほんのり漂ってきたが、結果はもちろん変わらなかった。
〇女の子の一人部屋
それから、私は自室に引きこもり続けた。
その間、家族に迷惑と心配をかけたことは言うまでもないだろう。
お母さんとお父さんは、ずっと心配してくれたが、私が部屋の外に出るのは、トイレに行くときだけで何もしゃべらない。
食事もフラれたショックで喉を通らず、両親が買いためてくれた
水とスポーツドリンクしか接種できなかった。
もう死にたい・・・・・・
ううん、きっともう死んでるんだ・・・・・・私・・・・・・
でも、それならどうしてこんなに苦しいんだろう・・・・・・悪いことしたから、地獄におちたのかな・・・・・・
絶対そうだ・・・・・・
告白の日から2週間くらいは涙は枯れることなく、
ビシャビシャの枕で気絶するまで泣き続け、
夢では、あの日の告白シーンがフラッシュバックして飛び起きる。
そしてまた、瞳が溶けてしまいそうなほど泣く。
これの繰り返しだった。
〇女の子の一人部屋
そしてようやく涙が枯れた頃、私は手慰みにスマホを弄っていた。
誰からも連絡がこないように、スマホは初期化してSIMカードも抜いてある。
そんなインターネットを閲覧するためだけの板で、延々時間を潰し続けた。
〇女の子の一人部屋
そして、どのくらいたっただろうか・・・・・・おそらく数か月は経ったある日、私は運命的な出会いをした。
葉山優希「これ・・・・・・すごい・・・・・・!」
それは『アニメ』だった。
主人公たちは、信念をもって悪と戦ったり、
異世界で不当な扱いを受けながらも、
めげずに人生を謳歌したり、
誰も彼もが輝いていた。
だが、私が運命だと思ったアニメはそんなキラキラした物ではない。
〇霧の立ち込める森
クルイ「ふ・・・・・・くくく・・・・・・あーっはっはっはっは!!!」
クルイ「俺を裏切りあまつさえ殺したあいつらに、一切の同情はない・・・・・・」
クルイ「地獄を、見せてやる・・・・・・」
クルイ「復讐だ!!!!」
〇女の子の一人部屋
葉山優希「かっこいい・・・・・・」
そう、私の人生のバイブルとなった作品は、キラキラしたアニメなどではなく、
『復讐者は彼方~俺を裏切った英雄とこの世界に復讐を遂げるまで死んでも死にきれない~』という復讐の物語だった。
仲間の裏切りによって死んだ、凄腕冒険者クルイが蘇り、元仲間たちを情け容赦なくぶっ殺していく最高の作品である。
このアニメを見た瞬間から、私の心の中にあった何かドロドログツグツした何かが、
爆発したような気がした。
告白して一度死んだ私と、この主人公が重なって見えた。
そうだ! 私もこんな風に生きたい!
どんな困難にも負けない強い心を持って・・・・・・
葉山優希「私を振った薫に復讐してやる!!!!!」
初っ端から酷い展開で、読んでるこちらもショックを受けましたが、薫くんへの復讐方法が気になりますね☺️予想外の展開をちょっぴり期待しております🙌