夜にさまよう Ⅲ(脚本)
〇森の中の沼
彼の写真に切り取られた夜の風景。その黒い風景に見覚えがある
それは自分が知っている風景である
ある日、込み上げてくるザワザワした思いとともに、わたくしはその事実に気付いたのでございます
とすれば、わたくしが思いを寄せる「夜の彼」は思いがけず近くにいる
彼の探索が続くうちにいつか出逢うかもしれない
それは嬉しい気持ちばかりではなく恐ろしくもありました
その日以来、彼の日記は期待と恐怖に満ちたものになり・・・
しかし無力なわたくしはただただ彼の行動を見守るしかなかったのでございます