魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

7 争いとは(脚本)

魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

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〇荒野
魔女「動くなぁッ!!」
勇者「魔女ぉッ!! そのまま抑えてろおぉッ!!!!」
魔王「────カハッ──」
勇者「ハァ──ハァ── やった、俺が、仕留めたぜ──」
魔女「・・・あぁ、アタシが証言するよ──」
魔女「魔王、当代勇者様が討ち取ったーー!!!!」

〇西洋の城
  恐るべき魔王を滅ぼし首都へと凱旋した勇者を筆頭、魔女を次席とした英雄達は──

〇謁見の間
  王の報奨と歓待を受け──

〇貴族の応接間
  短き旅を終える──

〇貴族の部屋
  静かなはずの夜に────
  招かれざる客があらわれたのだ
勇者「うおおおぉッ!!?」
勇者「耳がああああぁッ!!?」
魔女「オイ貴様、なぜアタシの寝室に居る? 招いた覚えはないよ」
勇者「ガアアアアアァぁッ!!??」
兵士「な、何事ですかーーっ!?」
  この下らない事件は、誰もが知る事になる

〇黒

〇謁見の間
国王「──で、つまるところ、勇者と魔女の争いは単なる痴情のもつれなのだな?」
臣下「ハッ、おおよそ、その様なモノかと・・・」
臣下「魔王討伐遠征の前日に、あの勇者が何時もの様に魔女に言い寄り、魔女はその様な事は魔王を討伐してからだと断り──」
臣下「じゃあ魔王を討伐したから──と勇者が夜這いを仕掛けたら、魔女が枕の下に備えていた刀で返り討ちにした・・・」
臣下「要約するそんな話でして、ハイ」
国王「・・・あんな男が救世主などとは、頭が痛い事だ」
臣下「私はお腹が痛うございます・・・」
国王「で、勇者と魔女は何と言っておるか?」
臣下「勇者は魔女を犯罪奴隷にし自分に寄越せ、と申しております」
国王「却下するに決まっておろうが、あのアホめ」
臣下「魔女の方は、法令通りに勇者を強姦未遂としての処罰をし、自分は正当防衛だと──」
国王「まともじゃないか、勇者はゴネそうだが」
臣下「──あるいは・・・」
国王「続きがあるのか?」
臣下「ハイ──認められないのなら、勇者と 決闘をするとの事です」
国王「魔女もマトモじゃあ無かったな」
国王「決しかし──決闘は魔女から言ったのか?」
臣下「エエ、その様に聞いております」
国王「・・・勝てると言うのか? あの、勇者に?」
臣下「ど、どうなのでしょうか? 私、荒事にはトンと疎くて」
国王「・・・・・・魔女をこちらに呼べるか?」
臣下「ハイ、問題無いかと」
国王「迅速に・・・内密に、で頼むぞ」
臣下「心得てございます」

〇貴族の応接間
魔女「陛下、この度は──」
国王「挨拶も、以前みたいな下手な敬語も要らん そしてお前はここに居ない事になっている」
魔女「・・・・・・は?」
国王「そして、俺の発言も、誰も聞いていない事になる」
臣下「この場での全ての発言に対して、箝口令が敷かれます、そう心得て下さい」
魔女「・・・ほーん」
魔女「それじゃあ──こんな口を国王様にきいても、赦されるってのかい?」
国王「そういう事だ、楽にするが良い」
臣下「私は後ろで控えております ごゆるりと──」
国王「で、早速聞きたいのだが── 貴様から決闘を提案したそうじゃないか?」
魔女「そうさね・・・頭にきてたからつい言っちまったけれども、何か問題だったのかい?」
国王「大有りに決まっておろうが!」
国王「魔王を倒した英雄同士が、まさか痴話喧嘩で決闘だぞ」
魔女「『ヤれないなら奴隷にしてヤってやる』って言ってくるアイツが悪いだろう?」
国王「ソレは全面的にヤツが悪いんだが・・・ いや、問題はそこじゃない」
国王「貴様・・・あの勇者と決闘して勝てるつもりだったのか?」
魔女「そりゃあ、何でも有りの戦いならさ──」
魔女「──アタシの勝ちは揺るがないよ」
国王「なんと・・・まことか!?」
国王「いや、待て 何でも有り、とはどこまでを指すのだ?」
魔女「そうさね・・・毒や蟲、洗の・・・・・・」
魔女「外法の類いが赦されるのなら、方法は幾らでも在るさね」
国王「残念だが、我が国の決闘ではそれらを認めていないぞ」
魔女「バレなければ良いじゃあないか♪」
国王「バレたら面倒くさいから止めよ」
国王「正攻法では勝てんのか?」
国王「毒や助太刀、盤外戦も無しでは」
魔女「──難しいねぇ そもそも、魔女に正攻法を求めなさんなよ」
魔女「あぁ、でもね・・・」
国王「ん? 何だ?」
魔女「聖剣だけ取り上げて貰えれば・・・ 案外勝てちまうかも、ねぇ──」
国王「ほぉぅ──ソレだけで勝てると申すか 大した自信じゃあないか、魔女」
魔女「ねぇ、王サマ アンタはアタシに何をさせたいんだい?」
国王「────魔女よ、勇者の態度をどう思う?」
魔女「クズ! 最悪! 殺したいね!」
国王「ハッ! そこまでハッキリ言うのはお前だけだぞ」
国王「しかし実際にヤツの素行の悪さは目に余る」
魔女「・・・魔王も居なくなった今、アイツが邪魔になったのかい?」
国王「別に、殺せとまでは言わん」
魔女「手加減って、難しいんだけどねぇ・・・」
国王「だがヤツのチ○コぐらいは切って欲しいな」
魔女「チン○!!??」
国王「魔女よ、潔癖か?」

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コメント

  • 勇者のドリルが斬られちゃうのか、次を読むの怖〜😨
    現時点で未完成ゆえの弊害でしょうか。伏せ字がズレていってますよ!

  • 益々カッコよくなってきた魔女様!!!!!
    親しみを込めて姐さんと呼ばせていただきます👍

  • なんて話のわかる王様なんだ😂

    この魔女さん、ホントに好き❤

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