無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

猪木洋平

エピソード395 風魔法の修練 森を疾走(脚本)

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〇森の中
  ーー前略──
  今は風魔法の使い手を招いて講習を受けているところである。
  講師は、蓮華とイリアだ。
蓮華「・・・・・・であるからして、この時に風魔法の情景を脳内に強く浮かべることで、より強力な風魔法の発動が可能になるでござるよ」
  蓮華は、故郷のヤマト連邦では”山風”の二つ名を持つ侍だ。
  この新大陸でも、Cランク冒険者として確かな実力を示している。
タカシ「ふむふむ。なるほど」
  ぶっちゃけ半分くらいしか理解していないが、俺はそう相槌を打っておく。
イリア「やれやれ・・・・・・。ほとんど理解していないのが丸わかりじゃ」
  イリアは、”烈風”の二つ名を持つBランク冒険者だ。
  外見は幼女だが、これでもとっくに成人済みらしい。
  口調は年寄りのそれであり、俗に言うのじゃロリである。
イリア「こやつのような半人前には、習うより慣れろじゃ」
イリア「風魔法には、とっておきの修練方法がある。蓮華とやら、お前もかつてやったのではないか?」
蓮華「あう・・・・・・。あれでござるか・・・・・・」
タカシ「あれとは?」
蓮華「風魔法の修練は・・・・・・、その・・・・・・、風を肌で感じて一体になるために・・・・・・ごにょごにょ」
イリア「生娘でもあるまいし、照れるようなものでもあるまい」
イリア「要するに、全裸になって自然の中を疾走すればいいのじゃ。風を全身で感じて、風魔法のイメージを固めることができる」
  露出狂じゃねえか。
  なかなかファンキーな修練方法だ。
タカシ「なるほど・・・・・・。それはぜひ、手本を見せてほしいな」
蓮華「た、たかし殿。それはせくはらというやつでござるよ・・・・・・」
タカシ「すまない。軽はずみな発言だった」
イリア「ふむ。裸ぐらい、いくら見られてもよかろう」
イリア「もしや蓮華は、生娘なのか?」
  この口ぶりだと、イリアは経験済みのようだ。
  実年齢は何歳なんだ?
蓮華「そ、それはその・・・・・・。あう」
タカシ「まあいいじゃないか。俺は1人で修練をすることにするよ」
イリア「いや、せっかくだし妾も参加するのじゃ」
イリア「お前は半人前とはいえ、スジがいい。ともに修練をすることで、妾にも得られるものがあるじゃろう」
  言っている内容は立派だ。
  しかし実際にやろうとしていることは、ほぼ初対面の人とともに全裸で森を疾走することなんだよな。
イリア「蓮華よ。お前は、さらなる高みに興味はないのか? 現状の自分に満足している豚か?」
  言っていることはシリアスのように思えるが、実際のところは露出イベントへのお誘いである。
  ちなみに、ブタは几帳面できれい好きな性質を持つと聞いたことがある。
  怠惰で不潔という印象は、勘違いからの風評被害らしい。
  いや、今はこんなことはどうでもいい。
蓮華「そうでござった。拙者には、故郷に守るべき者たちがいる」
蓮華「そのために、強くならねばならん」
  そんな感じで、結局は3人で風魔法の修練を行うことになった。
  俺たちは服を脱ぎ、全裸になる。
  そして、みんなで森の中を駆け出す。
  この森は、人や魔物などがあまりいないらしい。
  風魔法の修練にはうってつけである。
  それに、俺の気配察知のスキルもあるしな。
  一般人とばったりなどということは起きないだろう。
タカシ「うおおおぉ! 俺は、風と一体になる!」
蓮華「ふふ。あははっ! 拙者も、何やら楽しくなってきたでござる!」
イリア「その調子じゃ! 羞恥心を捨て、風と一体になるのじゃ!」
  俺たち4人は、そんな感じでしばらく森の中を駆け回った。
  そして、森の中の俺たちに近づいてくる気配に気がついた。
  この足音は・・・・・・。

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