エピソード1(脚本)
〇草原の道
ふと気が付くと草原に立っていた。
天候は晴れ。
風が涼しげにざわざわと吹いている。
タカシ「ここはどこだ・・・・・・?」
辺りの様子を探る。
見覚えのない草原が遠くまで広がっている。
俺は無職だ。
いつも通り、自室でゴロゴロしていたはず。
タカシ「外に出た記憶はないのだが・・・・・・。・・・・・・ん?」
視界の隅で何かが点滅している。
ゲームのアイコンのようなものだ。
アイコンに意識を向けると、画面が開いた。
ステータスとミッションという項目がある。
タカシ「ゲームのような感じだな」
とりあえず、ミッションとやらを確認してみるか。
頭の中で念じてみると、画面が切り替わった。
「ミッション 30年後の世界滅亡を回避しよう。 報酬:元の世界に帰還(任意)」
「ミッション ステータスを確認しよう。 報酬:初心者用の装備等一式、スキルポイント10」
「ミッション 魔物を1匹討伐しよう。 報酬:スキルポイント10」
「ミッション 街へ行こう。 報酬:スキルポイント10」
タカシ「ふむ。夢か。もしくはゲームの世界に迷い込んだか」
タカシ「しかし、それにしてはリアリティがある」
もしや、これが話に聞く異世界転移というものか?
夢ならばそのうち目が覚めるだろうし、とりあえずは異世界転移したという認識で進めてみよう。
そのほうが楽しい!
現実では無職として自堕落な生活を送っているだけだったしな。
ミッションに目を通す。
世界滅亡?
スキルポイント?
いろいろと気になる点が多い。
タカシ「次にステータスを見ておこう」
「レベル1、たかし 種族:ヒューマン」
「HP:21 MP:13 腕力:6 脚力:8 体力:12 器用:10 魔力:14」
「残りスキルポイント0」
「スキル: ステータス操作 スキルリセット 加護付与 異世界言語」
タカシ「ステータス操作・・・・・・」
タカシ「『取得に必要なポイントが10不足しています』か」
タカシ「今は使えないようだな」
取得できるスキルの候補はたくさんある。
スキルポイントとやらが手に入ったら、改めて目を通すことにしよう。
タカシ「スキルリセット・・・・・・」
タカシ「とりあえず試しに使ってみるか。・・・・・・うおっ!?」
突然視界が点滅した。
そして、『再使用可能になるまで残り30日』と表示された。
おそらく、ステータス操作とやらで強化したスキルをリセットすることができるのだろう。
再使用が可能になるまで30日もかかるようだし、あまりホイホイは使えないな。
タカシ「加護付与・・・・・・」
タカシ「『近くに対象者が存在しません』か」
タカシ「これも今は使えないようだ」
おそらく、人に対して加護を付与するスキルだろう。
今は広大な草原に俺1人しかいないので、試すことができない。
タカシ「異世界言語・・・・・・」
タカシ「普通に考えて、読む・書く・話す・聞くといった能力だろうな」
地味ながらも、なかなかにチートな能力ではなかろうか。
せっかく異世界に来ても、言葉が通じなければ相当な苦労が待っている。
タカシ「ステータス操作、スキルリセット、加護付与、異世界言語」
タカシ「どれもチートっぽいスキルだが、今すぐは試せないな」
タカシ「・・・・・・いや、待てよ?」
「ミッション ステータスを確認しよう。 報酬:初心者用の装備等一式、スキルポイント10」
このミッションがあった。
確認してみることにしよう。
続きが気になる