終活魔王のエンディングノート

大河内 りさ

P16・襲撃2(脚本)

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〇睡蓮の花園
傭兵5「うわっ、剣がベトベトになっちまった」
傭兵6「バカだね、スライムなんか斬るからだよ」
傭兵6「キャアッ!!」
傭兵5「ぐあッ!?」
ゲイダル「これ以上の無法な振る舞いは許さん!!」
傭兵5「上級魔族・・・!!」
傭兵6「相手は1人だ! 全員でかかれ!!」
ゲイダル「ぐっ・・・」
傭兵6「くらいな!」
ゲイダル「ぐぅっ・・・」
ヴァイパー「ピィピィ!」
ゲイダル「大丈夫だ。それより早く逃げろ──」
ゲイダル「・・・ッ!!」
傭兵6「アハハッ! 何だい、見かけ倒しじゃないか!」
傭兵5「こいつ、奴隷商に卸すか?」
傭兵6「いや、デカくて運ぶのが面倒だ」
傭兵6「角と鱗と牙だけ採って──」
ダーリナ「その人から離れなさい!!」
ゲイダル「ダーリナさん」
ダーリナ「まったく・・・」
ダーリナ「人間ごときに何を手間取ってるんです!」
傭兵7「──ッ、盾よ!」
ダーリナ「ハッ!!」
傭兵7「ガハァッ!!」
ゲイダル「お見事です」
ダーリナ「早く魔獣たちの保護を!」
ゲイダル「ハッ」
ダーリナ「くっ・・・!!」
傭兵6「動くな!!」
傭兵6「それ以上ケガしたくなかったら おとなしくしてな」
傭兵6「こっちはこれだけいるんだ。 逃げられないって分かるだろ?」
ダーリナ「私が囮になります。 その隙に逃げてください」
ゲイダル「そんなことは──」
傭兵5「・・・何だ?」
ロルバトゥス「まったく、騒がしい・・・」
ダーリナ「ロルバトゥス卿!?」
ロルバトゥス「ダーちゃん、久しいねぇ」
ダーリナ「ダーちゃんって呼ばないでください」
ゲイダル「こちらの方は・・・」
ダーリナ「前四天王のお一人、ロルバトゥス卿です」
ロルバトゥス「ローレットとローレンのパパで〜す」
ロルバトゥス「きみはゲンさんの息子だね?」
ゲイダル「ゲンティムが一子、ゲイダルでございます」
ロルバトゥス「ダルちゃんかぁ。よろしく〜」
ロルバトゥス「こんな姿でごめんねぇ? 本体は山の向こうにいるものだから」
ロルバトゥス「王城の気配に異変を感じて、 水を伝って様子を見に来たんだけど・・・」
ロルバトゥス「何があったんだい?」
ダーリナ「そうだわ、早く城に戻らないと──」
ダーリナ「和睦交渉は嘘だったんです!!」
ゲイダル「何っ!!」
ダーリナ「あの人たちは第三王子に 魔族を狩るよう言われてるんです」
ロルバトゥス「そういうことなら、 ここは私に任せなさい」
ロルバトゥス「あの程度の冒険者なら、 この姿でも充分戦えよう」
ロルバトゥス「早く行きなさい」
ダーリナ「ありがとうございます!」
ロルバトゥス「・・・さて」
ロルバトゥス「久し振りに暴れちゃおっかな〜」
傭兵5「何だあの竜は!!」
傭兵5「なっ・・・」
傭兵6「身体が動かない・・・!?」
ロルバトゥス「あ、しまった」
ロルバトゥス「食べちゃおうと思ったけど 実体じゃないから無理だった」
ロルバトゥス「・・・この人間、きみたちで食べる?」
ヴァイパー「ピィィ・・・」
タラント「キシャァァ・・・」
ロルバトゥス「そっかー、いらないかー」
ロルバトゥス「面倒だから吹っ飛ばしちゃお」
傭兵たち「うわーーーーーーッ!!」
ロルバトゥス「これでよしっ!」
ロルバトゥス「・・・ん?」
ルカード「こっちの方から何か──」
ルカード「竜・・・!?」
ロルバトゥス「まだいたのか」
門番「お待ちください、ロルバトゥス様!」
ロルバトゥス「おや、門番くん」
ロルバトゥス「なぜ人間と共に行動している?」
門番「勇者さんは敵ではありません!」
ロルバトゥス「勇者・・・」
ロルバトゥス「もしかしてきみは、 ローレンを助けてくれたモブくん?」
ルカード「ルカードといいます」
ロルバトゥス「そうか、きみがモブくんか! その節は世話になったね!」
ルカード「だからルカードですってば!」
ロルバトゥス「それで・・・ ここには何をしに来のかな?」
ロルバトゥス「場合によっては、 きみを排除しなくてはならない」
ルカード「俺は──」
ルカード「帝国の第三王子を止めに来ました」
ルカード「彼は魔界を攻め滅ぼし、魔導具を使って 魔王を意のままに操ろうとしている」
ロルバトゥス「きみとて討伐命令を受けて ここに来たのではないのかね?」
ルカード「人間界と魔界が対立しているとはいえ、 一方的なやり方はフェアじゃない」
ルカード「俺は、己の価値観、 信念に則ってここへ来ました」
ロルバトゥス「その信念は正しいと言えるのか?」
ルカード「間違ってたら、 あの二人が止めてくれますから」
ルカード「どうか魔王と── ヴィエリゼと話をさせてください」
門番「私からもお願いします」
門番「この人は自分の利益だけを 考える人間じゃありません」
ロルバトゥス「ふむ・・・」
ロルバトゥス「・・・よかろう。 きみたちも早く行くといい」
ルカード「ありがとうございます!」
ロルバトゥス「ローレンを助けてもらった礼だ」
ロルバトゥス「ローレットも「クソ地味だけど悪いヤツじゃない」と言っていたしな」
ルカード「ハハ・・・」
ロルバトゥス「ところで、そこの魔術士くん──」
ロルバトゥス「名前は?」
キオル「キオルだけど?」
ロルバトゥス「そうか・・・」
キオル「あんた、もしかして──」
ロルバトゥス「さ、早く行きなさい」
キオル「・・・・・・」
キオル「あとで話があるから、待っとけよ!」
ロルバトゥス「あの時マンティコアに 襲われていた少年か・・・」
ロルバトゥス「大きくなったものだ」
ロルバトゥス「人間の成長とは、早いものだな」

〇巨大な城門
フェゴール(あの軍勢はいったい・・・)
従者1「おー、鳥の兄ちゃん!」
従者2「いいところに」
フェゴール「申し訳ございませんが、 後にしていただけませんでしょうか?」
フェゴール「急ぎの用事が──」
従者2「おお、よく避けたな」
フェゴール「・・・何の真似です?」
従者2「魔王サマと二人きりになりたいと、 殿下に頼まれてね」
フェゴール「やれやれ・・・」
フェゴール「少しばかり顔がいいからといって、調子に乗らないでいただきたいものですね!!」
従者2「フン、こんな枝に捕まるかよ!」
「・・・ッ」
従者2「やっぱ魔法は厄介だな」
従者1「いいのがあるぜ」
フェゴール「閃光弾・・・ッ!?」
従者2「オラッ!」
従者1「ハッ!」
フェゴール「がはっ・・・」
従者2「ハッ、弱っちいな」
従者1「城の中に戻るか?」
従者2「それより俺らも狩りに行こうぜ」
ダーリナ「そこを動くな!!」
ゲイダル「フェゴール様、ご無事ですか!?」
フェゴール「あまりご無事じゃありませんねぇ」
フェゴール「これではゲンティムさんに「ヤツは四天王の中でも最弱」とネタにされてしまいます」
ダーリナ「ここは私に任せて二人は中へ」
従者1「おい、狩りがしたいんだろ?」
従者1「獲物の方から来てくれたぜ?」
従者2「やってやるよ」
従者2「ハッ」
従者2「チッ」
従者2「クソッ」
ダーリナ「ぐっ・・・」
「ハァッ!!」
従者2「姉ちゃんなかなかやるなぁ」
ダーリナ「そちらこそ」
ダーリナ(王子の従者だけあって、 冒険者より格段に強い・・・)
ダーリナ(早くヴィエリゼ様の元へ 行かなければならないのに・・・!!)
従者1「お相手願おうか」
従者1「ハアッ!」
フェゴール(この隙に、私だけでも 魔王様のところへ・・・)
従者2「おっと! 行かせるかよ!」
フェゴール「──ッ!!」
ダーリナ「フェゴールさん!!」
ゲイダル「何だ!?」
ダーリナ「城の方からだわ──」

〇古い洋館

次のエピソード:P17・枷

コメント

  • 受賞おめでとうございます✨

    物語は佳境…!
    兵器を駆使する人間側も相当に強い…😱
    エフェクトによる戦闘描写すごいです✨

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