第8話「信頼」(脚本)
〇綺麗な病室
翌日、昼前。都立広尾病院
児玉優美「おじゃまします・・・って、え?」
ジェイコブ・ロドリゲス「ハハハッ。驚きましたか」
児玉優美「はい・・・その格好は・・・」
ジェイコブ・ロドリゲス「退院の許可をもらいましたよ。ドクターを説得してね」
児玉優美「そうだったんですね・・・もう大丈夫なんですか・・・?」
ジェイコブ・ロドリゲス「この通り、ピンピンしてますよ!」
児玉優美「良かった・・・ほんとうに・・・」
ジェイコブ・ロドリゲス「心配させてしまいましたね」
児玉優美「いえ・・・ほっとしました」
ジェイコブ・ロドリゲス「さあ、こんなグルーミーな場所とはサヨナラです。ランチでも一緒にいかがですか」
児玉優美「はいっ! そうしましょう!」
〇テーブル席
ジェイコブ・ロドリゲス「ふう・・・久々に、まともな食事にありつけました」
児玉優美「すごい食欲ですね。ほんとに快復したんだなって、安心しました」
ジェイコブ・ロドリゲス「もう心配はいりませんよ」
ジェイコブ・ロドリゲス「ボクが入院している間のことは、遠野さんから聞いています」
ジェイコブ・ロドリゲス「ボクも今から、スグミさんのガードに加わります。安心して頼ってください」
児玉優美「ありがとうございます・・・うれしいです」
児玉優美「それで、早速なんですが・・・」
ジェイコブ・ロドリゲス「なんですか? なんでも言ってください」
児玉優美「はい・・・。ジェイクさんに相談したいと思っていたんです」
ジェイコブ・ロドリゲス「相談、ですか。なんでしょう」
児玉優美「昨日、蘆屋道満を顕現した岸村さんに会いました」
ジェイコブ・ロドリゲス「ええ、聞いています」
児玉優美「道満は、わたしを、急進派に付くよう誘いました」
児玉優美「利用されるのではなく利用する方策があると言って・・・」
児玉優美「そして、考える時間を用意すると言って去りました。リミットは元日まで」
ジェイコブ・ロドリゲス「迷っているのですか?」
児玉優美「はい・・・わたしは、争いを望んでいません・・・」
児玉優美「でも、道満や急進派を信用することもできない・・・」
ジェイコブ・ロドリゲス「スグミさん。ボクのことは信用できますか?」
児玉優美「はい。もちろんです」
ジェイコブ・ロドリゲス「なら、迷う必要はありません。ボクがスグミさんを守ります」
ジェイコブ・ロドリゲス「急進派は危険です。スグミさんが誘いに応じる必要などありません」
ジェイコブ・ロドリゲス「安心してボクを頼ってください」
児玉優美「・・・ありがとうございます。なんだか、迷っていた自分が嘘みたいです」
児玉優美「視界が明るくなった気がします。ジェイクさんが戻ってくれてほんとに良かった」
ジェイコブ・ロドリゲス「それは良かった。スグミさん、きょうは時間ありますか?」
児玉優美「はい。大丈夫ですけど」
ジェイコブ・ロドリゲス「なら、ボクとデートしましょう。気晴らしは必要ですよ」
児玉優美「はいっ!」
〇ゲームセンター
児玉優美「すごい! 上手!」
児玉優美「ジェイクさんって手先が器用なんですね」
ジェイコブ・ロドリゲス「ハハハッ。意外でしたか?」
児玉優美「はい。ちょっと意外でした」
ジェイコブ・ロドリゲス「身体を鍛えている連中ってのは、意外と手先が器用なのが多いんですよ」
児玉優美「へえ・・・そうなんですね」
ジェイコブ・ロドリゲス「それにしても、こんな場所で良かったんですか?」
児玉優美「はい。こんな場所が好きなんです。意外でしたか?」
ジェイコブ・ロドリゲス「はい。ちょっと意外でした」
児玉優美「ふふっ。ジェイクさんとなら安心して来れるから嬉しいです」
ジェイコブ・ロドリゲス「それは良かった。きょうはとことん付き合いますよ」
児玉優美「やった! じゃあ、次はカラオケです!」
〇カラオケボックス
児玉優美「ジェイクさんってば、歌も上手なんですね」
ジェイコブ・ロドリゲス「ありがとうございます。上手かどうかは、よく分かりませんが、歌うのは好きです」
児玉優美「はあ・・・こんなに楽しいの久しぶりです」
ジェイコブ・ロドリゲス「それは本当に良かった」
児玉優美「ジェイクさんは頼りがいがあって、なんだかほっとします」
ジェイコブ・ロドリゲス「それは、男として、とても光栄ですね」
児玉優美「女性との距離感が自然で、近すぎないのに遠くなくて・・・」
児玉優美「こんなに近い空間にいるのに、女性に不安を感じさせない距離を保ってる」
児玉優美「モテますよね。ジェイクさん」
ジェイコブ・ロドリゲス「ハハハッ。そういうことにしておきましょうか」
児玉優美「ジェイクさんから見て、わたしは、まだ子供ですか?」
ジェイコブ・ロドリゲス「それはありません。スグミさんは素敵なレディーですよ」
児玉優美「じゃあ・・・もし、わたしが、好意を寄せたとしても、迷惑じゃありませんか?」
ジェイコブ・ロドリゲス「もちろん迷惑なんかではありません。とても、うれしいです」
児玉優美「えーと・・・わたし、男性に告白? したの初めてです」
ジェイコブ・ロドリゲス「それは、とても光栄です」
児玉優美「あっ」
ジェイコブ・ロドリゲス「どうしました?」
児玉優美「わたし先走っちゃいましたけど、ジェイクさんって、彼女はいないんですか?」
ジェイコブ・ロドリゲス「はい。パートナーはいませんよ」
児玉優美「なんか順序バラバラになっちゃいました」
ジェイコブ・ロドリゲス「ありがとうございます。とてもうれしいです」
児玉優美「はは・・・今になって、はずかしくなってきました」
児玉優美「歌いましょう! もう歌うんです。きょうは・・・!」
ジェイコブ・ロドリゲス「はい。そうしましょう」
〇ラーメン屋のカウンター
児玉優美「はああ・・・美味しかった・・・!」
ジェイコブ・ロドリゲス「本当にラーメンが好きなんですね」
児玉優美「そうなんです。ラーメンとか牛丼とか好きなんですよ。意外でした?」
ジェイコブ・ロドリゲス「意外というより、嬉しいです。スグミさんの色んな一面が知れて」
ジェイコブ・ロドリゲス「次のリクエストはありますか?」
児玉優美「居酒屋がいいです。落ち着ける感じの・・・気取ったお店はちょっと苦手で」
ジェイコブ・ロドリゲス「分かりました。近くにちょうどいい感じの店がありますよ」
児玉優美「わーい」
〇居酒屋の座敷席
「かんぱーい!」
児玉優美「ふう・・・美味しい・・・!」
ジェイコブ・ロドリゲス「ここの肴は、なかなかですよ」
児玉優美「美味しそう・・・! いただきまーす!」
児玉優美「美味しい・・・!」
ジェイコブ・ロドリゲス「それは良かった」
児玉優美「はああ・・・楽しいなあ・・・ほんとに、このままの時間が続けばいいのに・・・」
ジェイコブ・ロドリゲス「そうですね。この時間を守るためなら、ボクはなんだってしますよ」
児玉優美「わたしもです・・・!」
まさかのジェイコブとのラブラブイベント発生からの告白イベント発生!!\(*^▽^*)/ デートめっちゃ楽しめました♪