魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

第7章 スペサルトを目指して(脚本)

魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

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〇豪華な部屋
キープレート学園長「ヴィオラくんたちがアポロオーラを手にしましたか」
バーバラ先生「はい 帰還は明朝になるそうです」
バーバラ先生「では学園長 わたしは調査隊の再編制を行いますので、失礼いたします」
キープレート学園長「ええ、頼みましたよ」
キープレート学園長「やはり・・・ わたしの目に狂いはなかった」
キープレート学園長「<虹>を架けられる日は近い」
キープレート学園長「すべてはこの世界のために・・・」

〇けもの道
???「はあ、はあ・・・」
???「こっちへ向かったはずだ!」
???「まだ遠くへは行っていないはずだ!」
???「国境を越えられる前に連れ戻すのだ!」
???「・・・・・・」
???「早くプレーンへ行かないと・・・」

〇華やかな広場
シグバート・フォン・ブラッドショット「母上、わたしたちは行きます またお会いする日までお元気で」
オペラ・フォン・ブラッドショット「もう行ってしまうの? 昨夜もどったばかりなのに・・・」
オペラ・フォン・ブラッドショット「みなさんお疲れでしょうし もう少し休んでいったら?」
オペラ・フォン・ブラッドショット「せめて、おまえが背負っているノエルさんが目覚めるまでは・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「お言葉はありがたいですが 学園長に報告しなければなりませんから」
オペラ・フォン・ブラッドショット「・・・そうね」
オペラ・フォン・ブラッドショット「みなさん またいつでもいらっしゃい」
ヴィオラ・コーディエ「はい! ありがとうございました」
オペラ・フォン・ブラッドショット「・・・あ、ミモザ」
ミモザ・クラリティ「どうかなさいましたか?」
オペラ・フォン・ブラッドショット「わたしはあなたを娘同然に思っているわ」
オペラ・フォン・ブラッドショット「でもね 役割や立場に縛られることはないのよ」
ミモザ・クラリティ「・・・オペラ様?」
オペラ・フォン・ブラッドショット「自分の心に正直に生きなさい」
ヴィオラ・コーディエ「おーい、ミモザー?」
オペラ・フォン・ブラッドショット「わたしの言ったこと、心に留めておいてね」
ミモザ・クラリティ「はい・・・ オペラ様、ごきげんよう」

〇ファンタジーの学園
ヴィオラ・コーディエ「ノエル! 学園に着いたよ!」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ミモザ・クラリティ「まだお目覚めになりませんね・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「学園長への報告は頼んだぞ オレはこいつを部屋まで運ぶ」
ヴィオラ・コーディエ「わかった 終わったら食堂に集合な!」

〇豪華な部屋
キープレート学園長「ヴィオラくん、ミモザくん よくやりました」
キープレート学園長「残すはプルウィルストーンとプリズムソードですが・・・」
キープレート学園長「プルウィルストーンはエレスティア、ディアマンテ付近にあると推測しています」
ヴィオラ・コーディエ「エレスティア・・・」
キープレート学園長「アポロオーラの影響で火山活動が活発化していたでしょう?」
キープレート学園長「同じように、エレスティアとディアマンテの降水量が年々増加しているのです」
ヴィオラ・コーディエ「そっか プルウィルストーンには雨の力があるから」
キープレート学園長「・・・これは内密なのですが エレスティア調査隊が仮面の戦士に壊滅させられました」
ミモザ・クラリティ「えっ!?」
キープレート学園長「仮面の戦士もプルウィルストーンの在処を嗅ぎつけたのかもしれません」
キープレート学園長「今後の捜査はこれまで以上に気を引き締めなければなりません」
ミモザ・クラリティ「・・・はい」
ヴィオラ・コーディエ「そうだ、学園長! 気になることがあったんだ」
ヴィオラ・コーディエ「アポロオーラがあった場所に、天使がいたんです!」
キープレート学園長「・・・天使、ですか?」
ミモザ・クラリティ「アポロオーラを手にした途端、首のない天使が襲ってきたのです」
キープレート学園長「・・・・・・」
キープレート学園長「・・・きみたちが戦ったのは天使ではない」
ミモザ・クラリティ「では、あれは・・・?」
キープレート学園長「神器を封じるため、堕天使が作り出した―― 天使のまがいものです」

〇おしゃれな廊下
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・ここ・・・は」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・ノエル? 目が覚めたのか」
ノエル・エンジェライト「・・・シグバートさん ここは・・・学園ですか」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ああ 昨晩はブラッディ城に宿泊し、今朝学園へ戻ったんだ」
ノエル・エンジェライト「・・・そうでしたか」
シグバート・フォン・ブラッドショット「目覚めたのなら下ろすぞ」
ノエル・エンジェライト「・・・ヴィオラさんとイカダへ戻ったところまでは覚えているのですが」
シグバート・フォン・ブラッドショット「魔力が底を尽きたのだろう いきなり倒れたから驚いたぞ」
ノエル・エンジェライト「・・・すみません ご迷惑をおかけしました」
シグバート・フォン・ブラッドショット「あれほど魔法を使ったのだ 無理もない」
シグバート・フォン・ブラッドショット「それに、今回の功労者はおまえだ あまり気に病むな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「今から食堂でミモザたちと合流する ノエルも来るか?」
ノエル・エンジェライト「はい・・・ ・・・あの、シグバートさん」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ノエル!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「やはりもう少し休め 今後のことは後で報告するから心配するな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「さ、部屋まで行くぞ 歩けるか?」
ノエル・エンジェライト「はい・・・」

〇華やかな裏庭
ヴィオラ・コーディエ「あれ、天使じゃなかったんだね」
ミモザ・クラリティ「ええ・・・ 少し安心しました」
ヴィオラ・コーディエ「それはそうと 次の目的地のこと、シグバートたちに知らせなきゃ」
ミモザ・クラリティ「そうですね・・・」
ヴィオラ・コーディエ「とりあえず食堂に行こっか ノエルも起きたかな?」
ミモザ・クラリティ「・・・・・・」
ミモザ・クラリティ「・・・あの、ヴィオラさん」
ヴィオラ・コーディエ「ん?」
ミモザ・クラリティ「その・・・わたし・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・ミモザ、なんか顔色悪いよ」
ヴィオラ・コーディエ「自分の部屋で休みなよ ふたりにはあたしが話すからさ」
ヴィオラ・コーディエ「夕課の鐘が鳴ったら食堂で待ち合わせようぜ!」
ミモザ・クラリティ「はい・・・ ごめんなさい、ヴィオラさん」
ヴィオラ・コーディエ「気にすんなって! じゃ、また後でね」
ミモザ・クラリティ「・・・・・・ ごめんなさい、ヴィオラさん・・・」

〇豪華な部屋
キープレート学園長「・・・・・・」
キープレート学園長「首を落とされた状態でも生きているとは・・・」
キープレート学園長「スリエルが生きていたのだ マトリエルも生きているかもしれない」
キープレート学園長「対策を講じなければな・・・」

〇おしゃれな食堂
シグバート・フォン・ブラッドショット「待たせたな」
ヴィオラ・コーディエ「あ、シグバート! ノエルは起きたのか?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ああ だが、まだ疲れているようだったから休ませてきた」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・ミモザはどうした?」
ヴィオラ・コーディエ「具合悪そうだったからさ 部屋で休むように言ったよ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・そうか」
ヴィオラ・コーディエ「ところで次の目的地だけど・・・」

〇けもの道
???「切り裂け!」
ゴブリン「ギャアアッ・・・」
???「ずっと同じところを回ってる気がする・・・」
???「お腹空いた・・・」

〇おしゃれな食堂
シグバート・フォン・ブラッドショット「エレスティアとディアマンテ・・・か」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ではプレーンからスペサルトへ行き、そこから船でエレスティアへ向かおう」
ヴィオラ・コーディエ「うーん・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「どうした?」
ヴィオラ・コーディエ「学園の近くにあるポータルから直接エレスティアには行けないよな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ああ 繋がっているのはブラッディとプレナイトとカーネルだ」
ヴィオラ・コーディエ「全部の王都と繋がってればいいのにな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「移動距離が伸びた分だけ、消費する魔力は大きくなる」
シグバート・フォン・ブラッドショット「だから国が管理するポータルは、国内かせいぜい隣国間でしか移動ができない」
ヴィオラ・コーディエ「携帯ポータルってのがあるんだろ? どっかで買えるかな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「無理だろうな 個人が携帯ポータルを所有するには厳しい制限がある」
ヴィオラ・コーディエ「そうなんだ じゃ、まずはプレナイトに行こっか」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ああ エレスティアへ向かう前にスペサルタイト城へ寄らせてもらうぞ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「気は進まないが ナギット様にご挨拶せねばな」
ヴィオラ・コーディエ「別にいいよ ミモザも家族に会いたいだろうし」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・・・・」

〇空

〇華やかな裏庭
ヴィオラ・コーディエ「今日の日替わり定食はなにかなーっと」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「あ、ノエル! 具合はよくなったのか?」
ノエル・エンジェライト「・・・はい すみませんでした、ヴィオラさん」
ヴィオラ・コーディエ「なにが?」
ノエル・エンジェライト「その・・・」
ヴィオラ・コーディエ「倒れたことなら気にするなって むしろ、あたしがお礼を言わなくちゃ」
ヴィオラ・コーディエ「アポロオーラが手に入ったのも、あたしが助かったのも、ノエルのおかげだ」
ヴィオラ・コーディエ「それに、ノエルを介抱したのはミモザだよ」
ノエル・エンジェライト「ミモザさん、ですか」
ヴィオラ・コーディエ「うん 膝貸して、身体を冷やしたりしてあげてたよ」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・ ・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「食堂でミモザと待ち合わせしてるんだ ノエルも来なよ!」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・ いえ・・・ 遠慮しておきます」
ヴィオラ・コーディエ「そう? じゃ、また明日な」
ノエル・エンジェライト「・・・ヴィオラさん」
ノエル・エンジェライト「・・・ミモザさんに・・・ お礼と謝罪を伝えていただけますか」
ヴィオラ・コーディエ「別にいいけど」
ノエル・エンジェライト「・・・では、お願いします」
ヴィオラ・コーディエ「自分で言えばいいのに あいつ、どうしたんだ?」

〇おしゃれな食堂
ヴィオラ・コーディエ「・・・ってわけで プレーンからスペサルトに行くことになったよ」
ミモザ・クラリティ「スペサルトですか・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・もしかして あんまり気が進まない?」
ミモザ・クラリティ「いえ、そんなことは・・・」
ヴィオラ・コーディエ「そっか ならよかった」
ミモザ・クラリティ「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「あ、そうだ ノエルがミモザにありがとうって」
ミモザ・クラリティ「・・・ノエル様が?」
ヴィオラ・コーディエ「ほら、クレーブス島から帰るときイカダでさ・・・」
ミモザ・クラリティ「も、もしかして・・・ ノエル様にお話ししたのですか!?」
ヴィオラ・コーディエ「ダメだった?」
ミモザ・クラリティ「ダメ・・・ではありませんが・・・!」
ミモザ・クラリティ「恥ずかしい・・・! 恋人でもない方に、あんな・・・」
ヴィオラ・コーディエ「ご、ごめん」
ヴィオラ・コーディエ「けど、必要なことだっただろ? シグバートもそう言ってたし」
ミモザ・クラリティ「それは・・・そうなのですが・・・」
ミモザ・クラリティ(明日からノエル様の目を見られないかもしれないわ・・・)

〇空
  ――翌日

〇西洋の街並み
ミモザ・クラリティ「・・・えっ!?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「スペサルト行きのポータルが使えない?」
プレーン兵「ええ スペサルトからポータル停止の要請がありまして」
ヴィオラ・コーディエ「なにかあったんですか?」
プレーン兵「さあ、そこまでは・・・」
プレーン兵「当面はスペサルトへのポータルは使用できません」
ノエル・エンジェライト「魔力の充填が間に合っていないのでしょうか」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・なんにせよ、徒歩でスペサルトへ向かわなければならなくなったな」
ヴィオラ・コーディエ「ま、しょうがないか」

〇けもの道
???「・・・出口だ!」
???「ここから北東に行けばプレナイト行きのポータルがあるんだよね」
???「姉上と義兄上にお会いできるかな・・・」

次のエピソード:第8章 光精の国の王女

コメント

  • 楽しく拝読させて頂いています(^^)
    あの女のコは一体……誰かの妹ちゃんなのでしょうか?
    新たな旅の始まりにまた仲間が増えそうで楽しみです!

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