魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

6 旅路と旅路(脚本)

魔女の知る罪知らぬ罪

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〇美しい草原
  勇者との合流に向けて、二人は旅立つ──
獣食蜘蛛「キシャーーッ!!」
魔女「鬱陶しいお邪魔虫め」
獣食蜘蛛「ァァァァァー・・・」
勇者の小姓「・・・やはり、凄い」
勇者の小姓(この旅路で何度か見たけれども──魔女の『連節剣』とんでもない間合いと威力だ)
勇者の小姓(彼女の少ない魔力を補う為の手段らしいけど、コレに打ち勝てる魔法使いなんて──)
魔女「何だい? じっと見てさ」
勇者の小姓「ソレ、凄い武器だなーって思っていたのさ」
魔女「あぁ、コレかい? 振ってみるかい?」
勇者の小姓「え、良いの?」
魔女「フフッ、特別だよ」
勇者の小姓「おぉ、ありがとう! 俺も剣士の端くれ、気になってたんだよ!」
魔女「人差し指の引き金でワイヤーが伸びて、小指のトリガーでワイヤーが縮む、それぞれを二回目に引くとワイヤーの伸縮が止まる──」
魔女「背後のこの引き金で前後のワイヤーの張りを調節できるよ、前後2本のワイヤーは捻った魔力を通すとそれに対応して捻れて横の──」
魔女「軸を調整できる、節の中でワイヤー収納部以外の部屋は消耗が激しい機能だから今は使わないでおくれよ、魔力を込めなければ大丈夫」
魔女「──さあ、どうぞ」
勇者の小姓「・・・・・・魔女さん、アナタ、それを片手で飛んだり跳ねたり走ったりしながらやってたんですか?」
魔女「そうだよ?」
  その後数時間かけてヴァンは連節剣を試したが、まともに扱う事は出来なかった

〇先住民の村
  ──二人の旅路は、あまり順調とはいかなかった
魔女「今日はこの村に泊まろうかねぇ」
勇者の小姓「まだ日も高いですし、もう一つ先の村まで行きませんか?」
魔女「旅が終わったら魔王との戦いが待っているんだろう? 体力を温存する為にも──」
魔女「しっかりと”休憩”しておかないと、ね」
勇者の小姓「勇者様に言われた期限が──」
「それにこの休憩は体力を消耗──あぁ──」

〇黒
  ──そして、旅は終着点へと至る──

〇貴族の応接間
  ──勇者の逗留する館──
勇者「へえ! コイツが噂の『刃の魔女』か!」
魔女(コイツが噂の『勇者様』ね・・・)
魔女(副学長よりも強い瞳の兆し──髪もギンギラギンだ)
勇者の小姓「刃の魔女?」
勇者「あぁ、最近探検者ギルドの本部が認定した二つ名だそうだ」
魔女「フン『刃の魔女』か・・・悪くは無いねぇ」
勇者「顔は合格だが、腕はどうだ?」
魔女「・・・・・・」
勇者の小姓「・・・彼女の腕前は、私の知る限りでは勇者様に次ぐ実力かと」
勇者の小姓(アレ? 魔女さんの機嫌がだいぶ悪そうだ)
勇者の小姓(好色な二人だし、相性が良いかと思っていたんだけれども・・・?)
勇者「オイ、お前──」
  勇者が娘の腰に手を回そうとして──
  娘の手によって、すげなくはたかれた
勇者「──オイ、どういうつもりだ?」
魔女「──勇者様、そういうのは、魔王を討伐してからにしましょうか」
勇者「田舎女が・・・俺に逆らう気か?」
魔女「お楽しみは後に取っておきたいタチなのさ」
勇者「──そういう事なら今は許しておいてやる」
魔女「そうそう、この男、魔王討伐までアタシの世話係として借ります」
勇者「──はぁ!?」
勇者の小姓「えぇ!?」
魔女「半年外に出せたんだから、もう少し居なくても別に支障無いだろう?」
魔女「道中アタシに手を出さなかったコイツなら信用出来るからねぇ」
勇者の小姓(そりゃあ・・・ 魔女さんから毎晩手を出して来たからね)
勇者「それなら構わねえが・・・ オイお前、くれぐれも変な気を起こすなよ」
勇者の小姓「ハッ、ハイ! 私はその様な事はしません!!」
魔女「感謝するよ、勇者様・・・ さあお前、アタシの部屋を用意するんだよ」
勇者の小姓「はいぃ・・・」
魔女「デカいベッドと風呂付きの部屋さ! 半端な部屋を用意したら承知しないよ!」
勇者の小姓(ひえぇぇぇぇ──)
勇者「フン、まぁ良い・・・あの女はじっくりと手に入れてやるさ」

〇貴族の応接間
  部屋の隅から一人の女が、部屋を去る魔女の背を見詰める
勇者の情婦「あの子は・・・」
勇者の情婦「・・・・・・」

〇黒

〇美しい草原
魔女「片付いたよ、後はよろしく」

〇美しい草原
兵士「凄い・・・! アレが噂の魔女か」
兵士「あんなヤツが味方に居るなんて、頼もしい限りだな」
兵士「なぁ、勇者様と魔女、どっちが強いと思う?」

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