第六話 郭子のターン(脚本)
〇総合病院
〇田舎の病院の病室
百寿(もず)「四十雀さん!」
四十雀(しじゅうから)「室長・・・」
四十雀(しじゅうから)「お腹の赤ちゃんは・・・」
四十雀(しじゅうから)「ダメでした・・・」
四十雀(しじゅうから)「ホントに悔しいです。 ホントに・・・」
四十雀(しじゅうから)「ヒクッ、ヒクッ・・・ウウ・・・!」
百寿(もず)「大丈夫、もう大丈夫だから」
百寿(もず)「君が無事で良かった」
百寿(もず)(知らないオンナが階段から突き落としただって!?)
百寿(もず)(郭子なのか? 一体何のために・・・!?)
〇古いアパートの一室
〇ダイニング
四十雀(しじゅうから)「はーい」
〇一戸建て
四十雀(しじゅうから)「んもう! 誰も居ないし」
四十雀(しじゅうから)「イタズラ?」
〇古いアパートの一室
四十雀「未来?」
四十雀(しじゅうから)「最近、歩くようになったから、 目を離すとすぐに 見えなくなっちゃうのよね」
四十雀(しじゅうから)「未来〜?」
四十雀(しじゅうから)「あれ? 雨なのに私、 窓を開けていたかしら・・・」
〇古いアパートの一室
百寿(もず)「未来が消えた!?」
四十雀(しじゅうから)「インターフォンが鳴って、玄関から戻ってきたら、窓が開いていて・・・」
四十雀(しじゅうから)「私、すぐに近所を探したんだけど、 どこにも居ないの・・・!」
四十雀(しじゅうから)「警察に電話しよう!」
百寿(もず)「夜、雨の日に1歳の幼児が1人で 外に出るのは考えにくい」
百寿(もず)「警察に電話する前に、 確認したいトコロがある」
〇シックなリビング
未来「ンマッ! アーウー」
雛(ひな)「未来、私のこと、覚えていたのかしら? 全然人見知りしないね」
郭子(かっこ)「雛も未来も、半分は血が繋がっているんだもの 当然よ!」
雛(ひな)「それにしても、四十雀さんが流産したなんて・・・気の毒で何も言えないわ」
郭子(かっこ)「私も突然、連絡が来たのには驚いたわ。 ──百寿の携帯をこっそり使ったみたいね」
郭子(かっこ)「子供を見るのがツライから、未来を返したいって・・・」
郭子(かっこ)「まさか、 流産したと思っていた私の赤ちゃんが、生きていたなんて!」
郭子(かっこ)「──ッ」
雛(ひな)「ママ、隠していて ごめんなさい・・・」
郭子(かっこ)「いいのよ。 今までのアタシの行動から見たら、優しい百寿は黙っていられなかったんでしょう」
郭子(かっこ)「結果的には、これで良かったのかもね」
郭子(かっこ)「あの人、見るからに鬱になっていたわ。 可哀想に」
郭子(かっこ)「雛も、なるべく彼女には連絡は取らないで、そっとしておいてあげてね」
郭子(かっこ)「子供を失くした気持ち、よく分かるの」
郭子(かっこ)「私ももう、2人のために、 百寿には二度と関わらないようにするわ」
雛(ひな)「ママ・・・変わったね」
郭子(かっこ)「雛のおかげで、 アタシも将来を考えたのよ」
郭子(かっこ)「あなた達2人を大切に育てて」
郭子(かっこ)「『ママが世界一大好き』って言ってもらうの!」
雛(ひな)「素敵な企みね! 成功しますようにッ」
〇住宅街
四十雀(しじゅうから)「未来ー!未来どこなのー!?」
四十雀(しじゅうから)「お願い、出てきて・・・! あなたまで、居なくならないで・・・!!」
百寿(もず)「酷い雨だ! 警察には連絡したから、一旦家に戻ろう」
四十雀(しじゅうから)「イヤです! 未来を見つけるまでは、帰りません」
百寿(もず)「な、何言ってるんだ。 君が倒れてしまうよ!?」
四十雀(しじゅうから)「お腹の赤ちゃんに続いて、未来までッ!」
四十雀(しじゅうから)「私なんか、 階段から落ちた時に死ねば良かった!」
四十雀(しじゅうから)「ワアアアアア!!!!」
〇古いアパートの一室
百寿(もず)(向かいの家の防犯カメラに、怪しい男が映っていたということは、 郭子は関係ないのかもしれない)
百寿(もず)(四十雀さんの心のダメージは相当なモノだ)
百寿(もず)(捜査がハッキリするまでは、 雛のことも聞かない方がいいな)
百寿(もず)「彼女だけは、俺が幸せにしなきゃ」
〇部屋のベッド
四十雀「どうしよう・・・」
四十雀「赤ちゃんが2人も・・・」
四十雀「赤ちゃんが居ないと、室長のお嫁さんになれない・・・」
四十雀「赤ちゃん、赤ちゃん・・・」
四十雀「ブツブツブツブツブツブツブツブツ ブツブツブツブツブツブツブツブツ」
〇オフィスビル前の道
〇オフィスのフロア
OL「百寿室長と四十雀が結婚!? いつの間に〜!」
OL「寿退社、羨ましい〜!」
OL「でも、挨拶に来るくらい、出社してもよくない?」
OL「確かに! 長期休暇明けで突然辞めるなんて、引き継ぎ大変だよね〜!」
百寿(もず)「ハイ、株式会社・・・ハイ、百寿は私です」
百寿(もず)「──興信所に依頼した覚えはないよ」
百寿(もず)「未来の行方を知っている!?」
〇渋谷駅前
奏汰(かなた)「ハジメマシテ〜!奏汰です!」
奏汰(かなた)「マッチングアプリの写真より、 実物のがキレイだね〜♪」
奏汰(かなた)「え! いきなりホテル!?」
奏汰(かなた)「いっ、いいの? お茶とか映画とか・・・ いきなり!?」
奏汰(かなた)「イヤイヤ、全然ダイジョブ! だよね、先に休憩しよ♡」
奏汰(かなた)(ヤベーオンナかも? でも、駆け引きナシでヤレるなら いっかあ!)
〇荒れた倉庫
興信所の男「悪いね、こんな所まで。 今日のことは、誰にも話してないよね?」
興信所の男「つい、金に負けて誘拐までしたけど、 まさか近所の防犯カメラに映っていたとはね〜!」
興信所の男「慣れないことはするもんじゃないよ!」
興信所の男「いや何、要件をカンタンに話すと」
興信所の男「百寿さんには本当のコトを話すから、 捜査の取り下げをしてほしいんだよ〜」
興信所の男「こんなことで共犯にされたら、俺の興信所が潰れちまうからな」
百寿(もず)「何を今更!?」
百寿(もず)「誘拐犯のくせに、よくもそんな交渉する気になったな!」
百寿(もず)「未来は何処だ!? 場合によってはすぐに通報できるぞ」
興信所の男「まあまあ。 私もこの1年、貴方を見てきた」
興信所の男「俺はね百寿さん、 アンタに心底、同情しているんだよ」
興信所の男「アンタみたいに真面目に生きているヤツが、貧乏くじ引くのが見てられないよ」
興信所の男「まあ正直、薄々は気づいているんだろう? だれが誘拐の真犯人なのか」
百寿(もず)「クッ・・・やはり、郭子なのか?」
興信所の男「正解。 怖いオンナに引っかかったもんだね」
興信所の男「ただ、やり方は良くないが 基本的な親権は彼女にあるよ」
興信所の男「アンタに赤ん坊を託した葦雀も彼女と籍を入れてないから、そもそもの権利が無い」
興信所の男「逆に訴えられたら困るのはオタクだろうよ」
百寿(もず)「四十雀さんを突き落としたのも郭子なのか!?」
百寿(もず)「3か月になるお腹の赤ちゃんが死んだんだ! これは犯罪だろ!?」
興信所の男「私もその件については、 何も聞いていないんだ」
興信所の男「なら、こうしようじゃないか。 捜査の取り下げをしてくれたら、その件について無償で調べる」
興信所の男「お互い、悪い話しじゃないだろう?」
〇渋谷のスクランブル交差点
〇SHIBUYA109
郭子(かっこ)「止まないわね」
郭子(かっこ)「買い物の荷物がいっぱいだし、 タクシーで帰るか」
〇タクシーの後部座席
郭子(かっこ)「ハア。寒いわ」
郭子(かっこ)「シートを濡らしてゴメンなさい。 酷い雨なのよ」
郭子(かっこ)「白金台にお願い」
???「お客さん・・・水も滴るイイオンナですね」
郭子(かっこ)「褒めても何も出ないわよ〜」
???「若々しくて、美しくて」
???「18年前と何も変わらない」
郭子(かっこ)「──あなた、誰!?」
四十雀さんが、壊れてしまいましたか😥
ええー、マッチングアプリ?まさか…
どうなるのか全然見当がつきません!
気になりすぎる~!
赤ちゃんが…こうなるともう、どうなるにせよハッピーエンドとはいかないですね… 興信所と取引とか一番やっちゃダメなやつですよね。郭子が一番悪いんでしょうが、それもついに因果応報となりそうな展開ですが…
あぎやぁーーー!! やっぱ赤ちゃんはダメでしたか😱。しかも誘拐まで。DNPコンってこんなにヤバイんですか!?
自分もドロドロしたのが好きで耐性があると思ってましたが、読むのを躊躇するくらいヤバイです←(※一応褒め言葉です)