エピソード20 見た目だけでも英雄に(脚本)
〇黒
サンク「思い描きなさい なりたい自分ヲ」
ニュイ「なりたい自分・・・」
ニュイ「強くて・・・勇気があって・・・」
サンク「もっと具体的ニ」
ニュイ「プースに負けないような・・・」
サンク「プースのことばかり考えていたら プースになっちゃうワヨ」
ニュイ「違う! ぼくは英雄に・・・」
ニュイ「アルミュールになりたい!!」
〇けもの道
ダークドヴェルグ「くっそー あのガキンチョ、どこへ行きやがっタ?」
ニュイ「見つけたぞ! プース!」
プース「あらラン?」
ニュイ「デューヌ姉さんの“姿に化ける”なんて 許さないぞ! 覚悟しろ!」
ダークドヴェルグ「その剣と鎧は英雄アルミュールの!」
ダークドヴェルグ「やべエ! 逃げロ!」
プース「デューヌの“姿に化ける”ゥ?」
プース「アンタ、さっきサンクと一緒にいたのに サンクから何にも聞いていないノン?」
プース「この体は、紛れもなく デューヌのものなのヨン」
ニュイ「・・・!」
プース「アタシはダークドヴェルグの中でも ちょっと変わった力を」
プース「闇の王から与えられててネン」
プース「魂が抜けて でもギリギリ蘇生できるぐらいの肉体への」
プース「魂の復帰に割り込んで 肉体を乗っ取ることができるノン」
プース「アンタの姉の魂は お城に囚われたまんまヨン」
プース「こうしてただ笑っているだけで」
プース「アンタのパパンとママンが嘆いてくれるの 楽チンでおいしかったわヨン」
プース「アタシのこと恨む? 恨んじャウ?」
プース「デューヌの肉体が今も生きていて」
プース「魂が戻れる可能性がゼロじゃないのは アタシのおかげなのにネン」
プース「でもねー、ニュイ アンタが帰ってきたせいで」
プース「パパンとママンがご機嫌になっちゃって」
プース「アタシ、晩ごはんを 食べれなかったのよネン」
プース「だからね、腹いせを兼ねて 森の仲間たちを集メテ」
プース「アンタで宴会を開くノン!! そのためにアンタを森に連れ込んだノン!!」
プース「ニュイ! その剣で 好きなだけ反撃していいのヨン!」
プース「デューヌの肉体が傷つくだけで アタシはちっとも痛くないかラン!」
プース「それにもしデューヌを傷つけずに アタシだけ攻撃する方法があったとしても」
プース「アタシが死んだり デューヌを捨てて逃げたりしたら」
プース「デューヌの体は死ぬわヨン!!」
〇黒
ニュイのマントの下から
サンクが飛び出し
デューヌの首筋に飛びかかった
〇けもの道
サンク「パクッ」
サンク「ゴクン」
サンクの体が縮んで
ノミのような姿になる
ニュイ(小さすぎてよく見えなかったけど プースってノミのお化けだったんだな)
ニュイ(サンクはほかのダークドヴェルグを 食べることで相手の力を奪うのか)
プースの姿になったサンクは
プースを失って地面に倒れた
デューヌの首筋に取りついた
サンク「オッケー。うまくいっタワ」
サンク「これで一安心・・・かしラネ?」
ニュイ「ねえ、サンク・・・」
ニュイ「トープの力もそうやって トープを食べて手に入れたの?」
サンク「ええ。そウヨ」
ニュイ「それじゃあ、ぼくやロワンが トープと戦っていたとき」
ニュイ「サンクも近くにいたんだね」
サンク「そうなるワネ」
ニュイ「ついてきてたの?」
サンク「エエ」
ニュイ「こっそり隠れて?」
サンク「エエ」
ニュイ「どうして・・・?」
サンク「当ててミテ」
ニュイ「サンクは・・・ ダークドヴェルグを食べて力を奪う・・・」
ニュイ「ロワンを食べようとしていたの・・・?」
サンク「・・・正解よ」
サンク「そもそもあなたを王家の霊廟へ 連れていってロワンと出会わせたのも」
サンク「いざってときに あなたを盾にするためダシ」
サンク「ねえ、ニュイ。どうスル?」
サンク「アタシがあなたを 脅すために使う言葉は」
サンク「さっきプースが使った言葉と まったく同じヨ」
サンク「ね、どうスル?」
サンク「ロワンを守るために、姉を見捨てられる?」