第一話 この世界のヒーローとヴィラン(脚本)
〇渋谷の雑踏
この世界には、ふつうの人より高い能力をスキルという形で保有する超人と呼ばれる人が存在している。
超人にはランクがあり、スキルが一種類ならF級。二種類ならE級。最大七種類まで発現するとS級に認定される。
ただし、発現するスキルは被ることもあり、七つすべて発現しても七つとも同じスキルでF級認定という尖った超人もいたりする。
更に彼らは、とある超人の思想信条からヒーローと怪人に分けられている。
刈高権太「超人も国際ヒーロー協会に登録しなければヒーローに非ず。ただの怪人である!」
初代国際ヒーロー協会日本支部代表の刈高権太長官の言葉である。
そう。この世界でのヒーローと怪人の違いは、超人が国際ヒーロー協会に登録して法を遵守することを宣誓したかしないかにある。
スカル・ナイト「止めろデスデス団。ぶっ飛ばすぞ!」
実際この国で一番有名なヒーローのスカル・ナイトは、世界を裏から支配する秘密結社デスデス団に改造された怪人ガイコツ男だ。
スカル・ナイト「俺はデスデス団を絶対許さん!!」
スカル・ナイトは、打倒デスデス団を掲げて志を同じとする超人たちと共に後の国際ヒーロ協会の前身であるジャスティス隊を結成。
デスデス団との戦いに身を投じた。
そしてスカル・ナイトを筆頭に多くの同志を失いない、都心を瓦礫の山に変えるほどの激戦の末、デスデス団の壊滅に成功した。
今から20年ほど前の話である。
ヴィラン ナイトバード卿「この街は吾輩が貰った!」
もっともデスデス団の壊滅は世界に平和をもたらすことはなかった。
デスデス団の残党が世界各地で蜂起し、大小様々な秘密結社を乱立させることになったからだ。
刈高権太「世界のヒーロー達よ立ち上がれ。ヴィランを野望を打ち砕け!我々国際ヒーロー協会は諸君らへの支援を惜しまない」
国際ヒーロー協会の誕生である。
〇豪華なベッドルーム
午前5時00分
大多摩市を支配する秘密結社「錫のスプーン」に所属するヴィランのアン・羅騎(24才)の朝は早い。
すぐに勢いよく布団が跳ね上げられ女性が起き上がった。
身長は175㎝とかなり高くサイズは上から98・70・95。ウエスト回りを絞れば某業界が黙っていないプロポーションである。
アンは寝間着を脱ぎ捨てると風呂場へ向かう。太もも、お腹、右の二の腕にある大きな絆創膏が痛々しい。
アン・羅騎「よし目が覚めた」
シャワーを浴びて帰ってきたアンは、自身の太もも、お腹、右の二の腕にある赤黒い傷跡に改めて大きな絆創膏を貼る。
実はこの傷、彼女が超人であるとあるるスキルが関係しているのだが、この辺りは後述としたい。
アン・羅騎「さてと・・・」
アンはジャージを着こむと玄関から外に出る。
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アンという女性がどの分野の超人なのかとても興味深いです。こんなに綺麗な超人なら、その容姿だけでもすでに影響力がありそうですね。続きが楽しみです。