第7章第1節 『夏だ! 海だ! 水着回!』(脚本)
〇大きい展示場
展示場は人々でごった返している。
電光掲示板に表示される。
『コミック・マルシェ108』
コミック・マルシェ。通称コミマ。
それはお台場の聖地にて、夏と冬に開かれるオタクの祭典である。
そして今年も・・・夏がきた。
コミマまで、あと5日。
──5日しかないのだ!
〇豪華なクルーザー
豪華クルーザー・帝院丸
〇クルーザーのデッキ
只野男志(コミマまであと5日しかないのに・・・なんで俺、こんなところにいるんだ・・・)
スマホに表示されたコミマの電子カタログを見て嘆息する。
〇クルーザーのデッキ
帝院霧乃「いきますよ、バルムンク殿!」
龍場夢來「レーヴァテイン殿、パスですぞ!」
帝院令「シュートだ、ミストルティン!」
3人はデッキの上でビーチボールを使い遊んでいる。
「キャッキャッウフフッ」
〇クルーザーのデッキ
只野男志「あぁそうか。わかった。水着回だ」
只野男志「あっ」
玖珠絵が現れ、ひょいっと只野からスマホを奪う。
狩場玖珠絵「ふぅん・・・コミマね」
只野男志「ご存じなのですか? コミマ?」
狩場玖珠絵「し、知らないわよ。ぜんっぜん!」
只野男志「玖珠絵様も行きます?」
狩場玖珠絵「うっさい! 行くわけないでしょ」
只野男志「えー。楽しいのに。 日本、いや世界最大のオタクイベントですよ?」
只野男志「クールなジャパンの最先端ですよ? 試しに一度──」
狩場玖珠絵「しつこい! スマホ割るわよ!」
只野男志「やめてぇ! 最新機種なんですぅ」
〇クルーザーのデッキ
帝院霧乃「・・・・・・」
龍場夢來「最近あのお二人、仲がよろしいですなぁ。仲良きは美しき哉! ガハハッ!」
帝院霧乃「・・・まさか、エクスカリバー様も、デュランダル様のことを・・・」
パアーンッ
強く締め付けるあまり、霧乃の抱えてたビーチボールが爆散する。
〇闇の要塞
〇神殿の広間
マルス「げはっ、げははははっ」
マルス「今度こそはデュランダルと四騎士をまとめて、確実に亡き者としてくれるわ。 げははははっ」
女眷属「またなにかしたのですか。マルス様」
マルス「お前、言葉にトゲがないか」
女眷属「気のせいです。 レギオンでの失敗の汚名返上をなさるおつもりなのですね」
マルス「うむ。次こそは、次こそは必ず!」
マルス「ってやっぱお前、態度おかしくない?」
女眷属「気のせいです」
マルス「まぁいい」
マルス「レギオンは期待外れだったが、今回は俺様の切り札、黙示録の獣666人衆最強の男をぶつけてやるのだ!」
女眷属「強そうですね」
マルス「おうよ。 その名も大怪獣DX(デラックス)テリオン!」
女眷属「おもちゃが売れそうですね」
マルス「奴の力の前には、いかなデュランダルでも太刀打ちできまい!」
マルス「げはっ、げははははははっ!」
〇沖合
巨大な水飛沫があがり、巨大怪獣DXテリオンが現れる。
DXテリオン「グルルルル・・・ッ」
DXテリオンが水平線上を凝視する。
そこには、洋上を走る豪華クルーザー帝院丸の姿がある。
DXテリオン「グオオオオオ~~ッ!」
その時、DXテリオンの目の前の空間が、ぐ にゃりと歪む。
DXテリオン「グオォ・・・!?」
黒衣の青年「闇の気配を感じて来てみれば・・・黙示録の獣、DXテリオンとはな」
DXテリオン「グオォオオオオ~~ッ!」
黒衣の青年「我を、漆黒の(シュヴァルツ)デュランダルと知って戦うつもりか。いいだろう」
黒衣の青年「・・・我に宿りし漆黒の魔星(シュヴァルツ・パワー)よ」
黒衣の青年「絶対封印(アブソリュート・シール)限定解除」
黒い剣を黒く輝くオーラが取り巻く。
黒衣の青年「出力0.00001%。 ・・・漆黒の大盾(シュヴァルツ・シルト)」
剣から黒く輝く極小の光球が放たれる。
DXテリオン「グォ・・・?」
黒衣の青年「事象の地平線(イベントホライズン)の彼方へ、消え去るがいい」
黒衣の青年の姿が空間の歪みのなかに消える。
直後、光球がDXテリオンの目の前で爆ぜ、周囲を真っ白く染める。
〇白
DXテリオン「グ・・・グオオォ~~ッ!?」
〇沖合
ドッゴーンッ!!
水平線上に、大爆発が発生する。
〇クルーザーのデッキ
只野男志「な・・・なんだ!? あの爆発」
狩場玖珠絵「何でもいい! ・・・衝撃波がくるわ。 船が破壊される! ミスティ!」
帝院霧乃「はいっ!」
帝院霧乃「我に宿りし世界樹の生命(ユグドラシル・パワー)よ」
帝院霧乃「オーク・シールド!」
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