もっと地球とか

危機綺羅

もっと地球とか(脚本)

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もっと地球とか
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〇魔王城の部屋
???「クイン・ビー」
???「フレイン」
???「ロウロウ」
???「ヒーロー”本間 緑”の捕獲作戦、 まことに大儀であった」
フレイン「もったいなきお言葉です、ガタク様」
ガタク「謙遜するでない この作戦の成功は、我らが悲願の一つよ」
ガタク「もはや貴様らを配下とは言わん 盟友──いや、家族も同然だ」
ガタク「そんな貴様らを前に、 このような姿でいるのもよくあるまい」
ロウロウ「が、ガタク様、その姿は・・・!」
ガタク「これこそ、邪悪の根源たる我の姿よ」
フレイン「光栄の極みです 生きてあなた様のお姿を拝めるとは」
ロウロウ「まったくだぜ! おい、クインもなにか言ったらどうだ!?」
クイン・ビー「・・・どのような姿であろうが、 私が仕える主であることは変わらない」
ロウロウ「けっ! 喋ったと思ったらそれかよ!」
ガタク「よいよい、我の姿など些細なことよ」
ガタク「──さあ、本題に入ろう」

〇黒背景
ガタク「捕獲したヒーロー”本間 緑”こと、 レジェグリーンくんの処遇についてだ」

〇魔王城の部屋
ガタク「捕獲したとはいえ、奴もヒーローの端くれ 油断せず、我が直々に監視を──」
フレイン「ご冗談を、ガタク様・・・ グリーンの監視などボク一人で充分ですよ」
ロウロウ「待て、あいつは俺が目をつけてたんだ 俺にやらせろ!」
ロウロウ「──おい、クイン! どこ行く気だ!?」
クイン・ビー「時間の無駄だ。私が監視を務める」
ロウロウ「抜け駆けすんじゃねえ! それは俺がやるって言ってんだろうが!」
フレイン「勝手なことを言わないでくれるかな? それはこのボクの役目だよ」
ガタク「──落ち着け。貴様らのやる気はわかった」
ガタク「我が決めてもいいが、 それでは禍根が残るだろう」
ガタク「それぞれ、自分こそが相応しい理由を 我に示してみせよ」

〇魔王城の部屋
クイン・ビー「主よ、私の話を聞いてほしい」
ガタク「ほお、クインか 寡黙な貴様からとは、意外だな」
クイン・ビー「今回の作戦において、 最も貢献したのは私だと自負している」
クイン・ビー「その成果をかすめ取られるならば、 この口、多弁にもなる」
フレイン「きみが最も貢献しただと? 聞き捨てならないね」
クイン・ビー「事実だ。今回の作戦の要は、 グリーンの生活パターンだった」
クイン・ビー「その情報を集めたのは私だ」

〇教室
クイン・ビー「──分体を送り、擬人態となって グリーンの同級生として日々を過ごした」

〇魔王城の部屋
クイン・ビー「個でありながら、無数の群体である 私だからこそ取れた方法だ」
クイン・ビー「唯一無二の貢献者である、 私こそがグリーンの監視に相応しい」
ガタク「確かに、貴様がいなければ、 今回の作戦はなかったと言ってよい」
ガタク「だからといって、 グリーンくんの監視は・・・」
フレイン「──クインがもたらしたのは、 利だけではありません」
ガタク「ふ、ふむ、聞かせてもらおう!」
フレイン「クイン、きみが送り込んだ分体は いったいどれほどだったかな?」
クイン・ビー「・・・たいした数ではない」
フレイン「言わないならボクが言おう きみが送り込んだ分体は──」
フレイン「ざっと200体だ」
ロウロウ「なんでそんなに送り込んでんだ!?」
クイン・ビー「グリーンと同じクラスになるためだ 確実な方法はこれしかなかった」
ロウロウ「明らかにおかしいだろ! グリーンの同級生ほぼお前じゃねえか!」
ロウロウ「教師を洗脳するとか、 もっと他に方法あったろ?」
クイン・ビー「他の子もグリーンのクラスを狙っていた そのような細工は不公平だ」
ロウロウ「お前の方法が一番不公平だろ!」

〇魔王城の部屋
フレイン「他に方法があったかは置いといて、 問題はその人数さ」
フレイン「クイン、学校では行事の際、 写真を撮ることがあったよね?」
フレイン「きみは200人近くいたんだから、 当然、その写真が大量にあるわけ」
クイン・ビー「・・・それがどうした?」
フレイン「──ガタク様は、きみの写真すべてを お買い上げになっている」
クイン・ビー「そんなはずが・・・」
ガタク「──クイン、すべて事実だ」
クイン・ビー「なぜ、そのような・・・?」
ガタク「言ったであろう、我らは家族同然だと」
ガタク「・・・家族の思い出だ 買わないわけがないだろう」
クイン・ビー「ガタク様・・・!」
フレイン「そんなわけで、きみの行動は ボクらの財政に大きな負担があったのさ」
フレイン「勝手に無茶をしておいて、 最も貢献しただの言わないでほしいね?」
クイン・ビー「・・・わかった」
クイン・ビー「私にも問題があったのは認める だが、大きな貢献だったのも事実だ」
クイン・ビー「私こそが、グリーンの監視に 相応しいのは揺るがない」
フレイン「貢献したかどうかなんて、 はっきり言って関係ないよ」
クイン・ビー「・・・なに?」
フレイン「作戦準備はクイン、決行はロウロウ 立案と指揮はボクだ」
フレイン「誰が欠けてもこの作戦は成功しなかった つまり、貢献なんてみんなしてるのさ」
フレイン「重要なのはこれからのこと──」
フレイン「捕まえたグリーンをどう扱うか、だよ」

〇魔王城の部屋
ガタク「グリーンくんをどうするか・・・ 確かに重要なことだ」
ガタク「して、フレインよ そう言うからには、考えがあるのか?」
フレイン「ええ、もちろんです」
フレイン「ボクにグリーンを任せていただければ、 そのすべてを丸裸にしてみせましょう!」
  裸っ!?
フレイン「・・・例えだよ、例え」
ロウロウ「なんだよ・・・」
フレイン「ボクが言いたいのは、情報です」
フレイン「グリーンを利用し、 憎きヒーロー共の情報を手に入れる」
フレイン「ヒーローの弱点がわかれば、 あとはもう一網打尽でしょう」
ガタク「なるほど、堅実かつ強力な手段だ」
ガタク「しかし、あのグリーンくんが 簡単に仲間を売るとはとても思えぬ」
ガタク「戦闘中こそ慌てふためいて可愛いが、 その心には正義という一本の芯がある」
ガタク「我はグリーンくんのそういうところが──」
フレイン「もちろん、承知していますとも」
フレイン「ですから、懐柔するのですよ ゆっくり、じっくりとね」
フレイン「ボクはこの頭脳を使い、 何度何度もシミュレーションしました」

〇豪華な部屋
フレイン「グリーンは最初こそ警戒するでしょう」
フレイン「しかし幽閉の日々、他に話相手もいない 次第にボクへ心を開いていく!」

〇公園のベンチ
フレイン「ある日、ボクと一緒という条件で 外に出ることを許します」
フレイン「逃げ出すチャンス、 だがグリーンは気づく──」
フレイン「そう、ボクから離れたくない! 一緒にいたいということに!」

〇魔王城の部屋
フレイン「そうなればもう、しめたもの・・・」
フレイン「好みのタイプを聞きだし、 その擬人態に変身するだけでいい」
フレイン「だが、そこでグリーンは言うのです!」

〇結婚式場の廊下
本間 緑(ホンマ ミドリ)「そのままのフレインがいい」
フレイン「グリーン・・・!」

〇魔王城の部屋
フレイン「──と、このような具合です」
フレイン「二人も納得したかな? ボクがグリーンとお似合い──」
フレイン「いやいや、監視に適任だとね」
ロウロウ「──納得しねえよっ!」
フレイン「まったく、頭が悪いのは罪だね・・・」
ロウロウ「なにがシミュレーションだ? 単なる妄想じゃねえか!」
フレイン「これのどこが妄想なんだ? 寝る前にいつもしているんだよ?」
ロウロウ「それを妄想ってんだよ! 具体性がなくてふわっふわしてたわ!」
フレイン「そこは・・・追々詰めていくさ」
フレイン「まずは交換日記から初めて、 少しずつシミュレートを重ねて──」
ロウロウ「何年かけるつもりだ! 誰もお前の青春なんて待たねえんだよ!」
ガタク「時間がかかるのは、ちょっとな・・・」
ガタク「我は悠久を生きれるが、 グリーンくんはそうもいかんし・・・」
フレイン「そ、そんな・・・!」

〇魔王城の部屋
ロウロウ「──どいつもこいつも、まどろっこしいぜ」
ロウロウ「全部俺に任せりゃいいんだよ!」
フレイン「ふん、きみならグリーンから 情報が得られるとでも?」
ロウロウ「おう、俺にだって策があんだよ」
ガタク「ずいぶんな自信だな、ロウロウよ」
ロウロウ「ガタク様、あいつらは難しく考え過ぎさ」
ロウロウ「グリーンは男だ。そこをつけばいい!」
ガタク「な!? そ、それはそうだが・・・!」
ガタク「しかしグリーンくんはまだ子供だ あまりそういうことは──」
ロウロウ「ガキだろうと男は男だぜ、ガタク様」
ロウロウ「──決闘を申し込めば、 あいつだって断らねえだろ!」
ガタク「・・・決闘?」
ロウロウ「負けた方が勝った方の言うことを聞く!」
ロウロウ「男なら、受けるしかねえさ!」
ガタク「あ、ああ・・・そういう・・・」
クイン・ビー「・・・負けたらどうする?」
ロウロウ「あ? 負けるわけねえだろ? 戦闘なら俺は最強だぜ!」
ロウロウ「俺が勝ったら、あいつは俺の奴隷だ!」
ロウロウ「毎日ブラッシングさせたり、 風呂でシャンプーさせたりすんだよ!」
クイン・ビー「・・・盛りのついた犬め」
ロウロウ「あ?」
クイン・ビー「万が一、負けたらどうする?」
ロウロウ「なんだよ、しつけーな・・・」
ロウロウ「負けたら・・・まあ、俺が奴隷だな あいつの言うことには逆らわねえ」
ロウロウ「腹だって見せるし、足だって舐める」
ロウロウ「ど、どうしてもって言うなら、 首輪をつけて散歩だって・・・」
クイン・ビー「誘い受けのオープンマゾが」
ロウロウ「聞こえてんだぞ、てめえ!」
クイン・ビー「さっきから尻尾が嬉しそうだな?」
ロウロウ「な、ば、バカ! これは武者震い的なあれなんだよ!」
クイン・ビー「誰にでも尾を振る犬に、 重要な任務は任せられんな」
ロウロウ「なんだと!? お前だって変わんねえだろ!」
ロウロウ「寡黙キャラ作りやがって! グリーンの前だとめちゃ喋ってんだろ!」
クイン・ビー「・・・キャラなど作っていない 私は誰にでもこうだ」
クイン・ビー「ただグリーンは、陰気な私にも 笑顔で話しかけてくれるから・・・」
フレイン「やれやれ、 こんな二人には任せられないね・・・」
ロウロウ「お前はもう終わってんだよ、妄想野郎っ!」
ガタク「・・・やはり我が直々に出るしかないか」

〇魔王城の部屋
給仕「──ガタク様、よろしいですか」
クイン・ビー「貴様、気安いぞ ガタク様は重要な会議中だ」
給仕「申し訳ありません ですが、火急な要件ですので」
クイン・ビー「待て──」
給仕「こちらにいらっしゃいましたか」
フレイン「いや、待ちなよ なんでそのお方がガタク様だと?」
給仕「以前、クッキーの作り方を教えた際、 お礼に素顔を見せてもらえました」
クイン・ビー「なにっ・・・!」
給仕「こちら、お手紙を預かりましたので」
ガタク「手紙だと? いったい誰からだ?」
給仕「本間 緑──レジェグリーンですね」
ガタク「グリーンくんから!?」
ロウロウ「お、お前、それをどこで!?」
給仕「ここを出られる際、渡してほしいと」
ロウロウ「いや、脱走してんじゃねえか!」
フレイン「バカな・・・ふかふかなベッドも、 好みの漫画もすべて振り切ったのか!?」
クイン・ビー「好きなお菓子も、差し入れたはず・・・」
ロウロウ「可愛くてもヒーローってことか・・・!」

〇魔王城の部屋
フレイン「ガタク様、手紙にはなんと・・・?」
ガタク「・・・クッキーが、美味しかったと」
フレイン「クッキー?」
クイン・ビー「私の差し入れにクッキーはないはず」
フレイン「なら誰が──」

〇魔王城の部屋
給仕「以前、クッキーの作り方を教えた際、 お礼に素顔を見せてもらえました」

〇魔王城の部屋
ガタク「食べて、くれたか・・・」
フレイン「ガタク様・・・」
ガタク「──これより、会議の内容を変更する!」
ガタク「第378回”本間 緑捕獲作戦”の作戦会議だ!」
給仕(──なんで、グリーンを狙うんだろ?)
給仕(もっと地球とか狙えばいいのに)

〇タワーマンション

〇秘密基地のモニタールーム
滅茶 朱音(メチャ アカネ)「──無事だったか、緑!」
本間 緑(ホンマ ミドリ)「あ、朱音さん、苦しいって・・・」
金理 蒼井(カナリ アオイ)「再会を喜ぶより、やることがある」
金理 蒼井(カナリ アオイ)「──怪人を殲滅する」
本間 緑(ホンマ ミドリ)「蒼井さんも落ち着いて! 平和が一番だから!」
本間 黒呂(ホンマ クロロ)「そう、平和が一番だ! こんな物騒な女からは離れなさい」
本間 黒呂(ホンマ クロロ)「二度とこんなことがないよう、 お兄ちゃんの部屋で一緒に暮らそうな?」
本間 緑(ホンマ ミドリ)「兄ちゃんも、子ども扱いしないでよ!」
司令官「──お前たち、いつまでも遊んでいるな!」
司令官「緑が自力で脱出したからいいものの、 今後はこのようなことが起きてはいかん!」
司令官「緑がいなくなったら、 ワシが寝返った意味もなくなるだろ!」
金理 蒼井(カナリ アオイ)「緑がいなくなるなんて・・・ そんなの嫌・・・」
滅茶 朱音(メチャ アカネ)「そうならねえために、作戦会議だな!?」
司令官「その通りだ!」
司令官「これより、第378回”本間 緑防衛作戦” 作戦会議を開始する!」
本間 緑(ホンマ ミドリ)(毎回思うけど、 なんで僕の防衛なんだろ?)
本間 緑(ホンマ ミドリ)(もっと地球とか守ればいいのに)

コメント

  • かんわいい〜〜!!!( ;∀;)
    最高でした!!グリーンくんが可愛いのはもちろん
    全員愛せてニコニコしちゃう世界!続き楽しみです!

  • どのカップリングも良いです……👍
    司令官、お前……!(笑)
    平和でいいものを見ました。ありがとうございます……✨

  • ショタの魅力が強すぎる…😂かわいいグリーンくんを取り合う怪人たちが面白かったです!敵も味方もグリーンくんを巡る戦いになってるオチも笑いました

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