サンガクブ!

都麻(とま)

ゆら、走る!(脚本)

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〇階段の踊り場
石塚ゆら「オラアアアアーーー!!」
  インターハイ前日
石塚ゆら「ハア・・・ハア・・・ これで校内10周っと・・・」
石塚ゆら「次は中庭で装備の最終点検ですよね!!」
長老「ああ。先に行ってるからザックは部室に置いてきていいぞ」
石塚ゆら「ウッス!!」
石塚ゆら「・・・あの、長老先輩・・・ いろいろすみませんでした」
長老「ん?何がだ?」
石塚ゆら「──いえ!! じゃ部室に置いてきますね!!」

〇学校の廊下
石塚ゆら(夏休み入ったから校内が静かだな~ 変なカンジ・・・)
クラスメイト「石塚さん」
石塚ゆら「あれ、久しぶり!佐々木さんも部活?」
クラスメイト「う、うん・・・ あたし、水泳部でさ・・・」
石塚ゆら「あ、そうなんだ~」
石塚ゆら(じゃあサヤカたちと合同練してるのか・・・)
クラスメイト「あのね、変なこと聞くんだけど・・・」
クラスメイト「石塚さんって、数学の矢間先生とデートしたりしてるって・・・本当?」
石塚ゆら「・・・」
石塚ゆら「──ええええ!?!?」
石塚ゆら「いや・・・無い・・・無いね!? むしろあってほしいけどそこまで行くのキリマンジャロ登頂レベルの難易度なんだけど・・・!?」
石塚ゆら「あってほしいんだけどね!? 残念ながら進捗ゼロですわ!!」
石塚ゆら「ハアハアハア・・・」
クラスメイト「・・・」
クラスメイト「あははは!!」
クラスメイト「よかった~!! だよね!?あのむちゃくちゃ厳しそうな先生だもんね!?」
クラスメイト「石塚さんよく廊下でガチ注意されてるの見かけてたし、そんなはずないって思ってたんだ~!!よかった!!」
石塚ゆら「う、なんかフクザツだけどありがとう・・・?」
クラスメイト「急にこんなこと聞いてごめんね」
クラスメイト「変な噂きいちゃったから心配になってさ・・・」
石塚ゆら「噂?」

〇中庭
副部長「お、来た来た」
副部長「おーい、ゆらっち・・・ ・・・!?」
石塚ゆら「あのヤローーーー!!」
副部長「・・・」
長老「行っちゃったな」

〇学校のプール
サヤカ「な・・・なによ・・・」
石塚ゆら「アンタ・・・こんなことして楽しいわけ!?」
石塚ゆら「変な噂流して・・・まさかあのときも・・・」
サヤカ「なんのことか全然わかんないんだけど?」
サヤカ「てかあんた、サンガクブ?とかいうのに入ってるんだって?」
サヤカ「まじウケたわ~!!迷走しすぎでしょ!!」
石塚ゆら「──迷走のなにが悪い!!」
石塚ゆら「それだってあたしの青春なんだよ!!」
サヤカ「青春ってwww」
石塚ゆら「たしかにあたしは今もたくさん失敗してるよ・・・まだまだ足も引っ張ってる・・・」
  あんたなんかどこ行っても変わんないよ
石塚ゆら「でも・・・それでも」

〇山道
「たくさん失敗して・・・」

〇山中の川
「ぜんぜん、かっこいい別人になんてなれなかったけど・・・」

〇山並み
「それでも、ちゃんと進んで・・・ 登ってきたの!!!!」

〇学校のプール
石塚ゆら「だから、あたしはもうアンタなんか怖くない」
石塚ゆら「だってアンタは・・・おんなじところにずっといるみたいだから」
サヤカ「──ハア?」
サヤカ「意味不明なんだけど・・・!!」
エリ「さ、サヤカ・・・」
サヤカ「!!」
水泳部員「なに?ケンカ?」
水泳部員「なんかウチの山岳部について変なウワサ流してたらしいよ」
「え、やばくない?」
サヤカ「ち、ちが・・・」
サヤカ「エリ・・・マキも見たよね、こいつと教師が・・・」
マキ「・・・いや・・・」
エリ「別にそう見えたかもってサヤカが言ってただけで・・・」
石塚ゆら「・・・1発殴ってやるつもりで来たけど、やめとく」
石塚ゆら「明日は大会だし」
石塚ゆら「──じゃあね」
サヤカ「・・・!!」

〇学園内のベンチ
石塚ゆら「・・・」
石塚ゆら(まだちょっと震えてる)
石塚ゆら「クソ怖かった~・・・」
副部長「こおーら、お騒がせ1年生~」
副部長「なに勝手に抜け出してんの~」
石塚ゆら「あー!!装備点検!!すみません!!」
副部長「・・・1人で抱え込むなって言ったじゃん」
副部長「殴り込みなら、つきあったよ?」
副部長「次は呼んでね」
部長「ちょっと!!出場停止なんてイヤだからね!?」
長老「バレなきゃいい・・・」
部長「よくないですよ!!」

〇広い改札
  そしていよいよ──
  インターハイ開会式当日
石塚ゆら「新幹線たのしみ~!!」
部長「すっかり旅行気分ね・・・ 元気になってよかったけど」
副部長「・・・しかし遅いな。 矢間先生」
石塚ゆら「めずらしいですね~」
峰岸「おはよう。みなさん」
石塚ゆら「あれ~峰岸せんせー! 見送りに来てくれたんですか!!」
峰岸「・・・」
峰岸「残念だが、矢間先生は事情があって 同行できなくなってしまった」
峰岸「それで、私が代わりに来たんだよ」
石塚ゆら「・・・」
石塚ゆら「え?」
長老「・・・まさか、事故かなにかですか?」
峰岸「いやいや、そんなんじゃないから安心しなさい」
峰岸「・・・とりあえず新幹線に乗って 会場まで向かうとしようか」
峰岸「ちゃんと説明するよ」
石塚ゆら(黒木からだ・・・)
黒木「矢間先生が校長室に呼ばれたのを見た奴がいる」
黒木「なんかよくわかんないけど、 矢間はインターハイ同行NGってことになったらしい」
石塚ゆら(どういうこと・・・?)
石塚ゆら「先生・・・!!」

次のエピソード:ゆら、決断する!

コメント

  • 「キリマンジャロ登頂レベルの難易度」、笑っちゃいました!
    サヤカは、ゆらちゃん以外にも他人に嫌なことしてそうだな〜と邪推してしまいます。
    登ることで、過去のトラウマを克服したゆらちゃん、素敵ですね。

    そして、気になる引き…!

  • ゆらちゃんのトラウマ完全克服。サンガクブのみんなとの友情を改めて感じる素敵な回でした^^
    いよいよインターハイと思った矢先、不穏なラスト。
    流言のせい? それとも別の何か? 次回が気になります!

  • ゆらが辛い過去や思いまでも、真っ直ぐ力強く克服できましたね。彼女らしく見ていて気持ちがいいです。そんなインターハイに向けて、矢間先生が不在。一難去ってまた一難という感じですね、、、

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