In My Dream 〜 続きは夢で 〜

暁愁

エピソード12(脚本)

In My Dream 〜 続きは夢で 〜

暁愁

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〇高速道路

〇車内
浅枝まひる「ねぇ、あのトラック!」
  車線変更してトラックの横につく。
浅枝まひる「やっぱり寝てる・・・」
  トラックが近づいてくる。
  プップーーー!
  結城がクラクションを鳴らすと、トラックは慌てて元の車線に戻る。
浅枝まひる「ふぅ」
結城ないと「これでよし」
浅枝まひる「どういうこと?」
結城ないと「だって、僕たちがあのトラックを起こしてあげないと、他の誰かが犠牲になるでしょ?」
浅枝まひる「・・・・・・」
結城ないと「どうかした?」
浅枝まひる「やっぱり、ないとはないとだね」
結城ないと「そりゃそうだ。僕だもん」
浅枝まひる「よし、じゃあ今すぐ式場に行くよ!」
結城ないと「待った!」
浅枝まひる「え? どうして? もうトラックの運転手さんは起こしてあげたからいいでしょ?」
結城ないと「どうやら、そういうことでもないみたいなんだ」
結城ないと「ここはまひるの夢の中だけど、まひるが意識してないところでちゃんと世界は動いてるんだ」
浅枝まひる「えっと・・・どういうこと?」
結城ないと「例えば、今の会話をまひるは理解できなかった」
浅枝まひる「う、うん・・・」
結城ないと「この僕はまひるに作り出されたものなのに、僕の知識はまひるを超えている」
浅枝まひる「なんか、馬鹿にされてる気がする」
結城ないと「そうではないよ。 これはとってもすごいことなんだ」
浅枝まひる「そうなのかな」
結城ないと「例えば、僕らが今一瞬で式場に移動したら、この車は誰が運転するんだ?」
浅枝まひる「うーん。じゃ、車ごと消しちゃう?」
結城ないと「車ごと消えたら、後ろを走ってる車はどう思うだろう?」
浅枝まひる「驚く・・・かな?」
結城ないと「だろうね」
結城ないと「車は突然消えないし、普通の人は空だって飛ばない」
浅枝まひる「別に夢なんだからいいじゃん」
結城ないと「さっきも言った通り、まひるにとっては夢でも、まひるが意識していないところで僕たちはいつもの通りに生活している」
浅枝まひる「それの何が問題なの?」
結城ないと「普通の世界には魔法なんてないでしょ?」
浅枝まひる「うん。ないよ」
結城ないと「だから、まひるが魔法を使うたびに、この世界に矛盾が生じてしまうんだ」
結城ないと「そして、矛盾がエスカレートしていくと、やがてまひるの手にも負えなくなってしまう」
浅枝まひる「手に負えなくなるとどうなるの?」
結城ないと「わからない」
結城ないと「でも、この世界が崩壊してしまうかもしれない」
浅枝まひる「うーん。なんか複雑・・・」
  グーーー。
  まひるのお腹がなる。
結城ないと「急ぐね」

〇可愛い結婚式場

〇結婚式場のレストラン
浅枝まひる「うん。やっぱりここのお肉おいしい」
結城ないと「あれ? 食べたことあるの?」
浅枝まひる「前に見た夢でね」
浅枝まひる「でも、その時はないとがいなくなったせいでデザート食べれなかったんだから」
結城ないと「はは。そういうことか」
結城ないと「でもそれは、この僕じゃないから冤罪だよ」
浅枝まひる「今日はちゃんとデザートまでいてもらうんだから」
結城ないと「わかってるって」
結城ないと「それより、さっきの話の続きだけど」
浅枝まひる「魔法を使っちゃいけないって話?」
結城ないと「そう。 さっき伝えた通り、まひるが意識した通りの世界にすることはできる」
結城ないと「でも、作られた僕たちは無意識の世界に生きている」
  ステーキを一切れ食べるまひる。
浅枝まひる「うーん、幸せ」
結城ないと「そのお肉がおいしいのもまさにそれさ」
浅枝まひる「このお肉?」
結城ないと「そう。 まひるの作り出したシェフであっても、そのシェフが作った料理はまひるの想像を超える」
浅枝まひる「なんかよくわかんないけど、魔法は禁止ってことでしょ」
結城ないと「うん」
結城ないと「矛盾のエスカレートを引き起こさないためには、矛盾の元となる魔法自体を使わない方がいい」
浅枝まひる「・・・はぁ」
浅枝まひる「私の夢なのに、私の好き勝手にはできないのね・・・」
結城ないと「まひるがこの世界でも現実と同じように振る舞うことで、現実と同じ世界を再現できるのさ」
浅枝まひる「ふーん」

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