魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

5 出会いと別れ(脚本)

魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

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〇ヨーロッパの街並み
勇者の小姓「──探検者ギルドは・・・ここか?」
勇者の小姓「看板は有るけれども、何だか変な雰囲気な」

〇怪しげな酒場
勇者の小姓「──酒場?」
探検者ギルド支部長「へい、いらっしゃい! アンタ、見ない顔だな?」
勇者の小姓「はい、この街は初めてです── ここは探検者ギルドと聞いて来たのですが?」
探検者ギルド支部長「それなら間違い無い ここは探検者ギルドの支部──」
探検者ギルド支部長「俺は支部長のランゲルだ」
勇者の小姓「酒場にしか見えないのですが・・・」
探検者ギルド支部長「昔々、この支部は酒場を間借りして開設したのさ」
探検者ギルド支部長「それ以来、この街の探検者ギルドは酒場との併設が伝統になったんだ」
勇者の小姓「なるほど、伝統なのですね・・・ しかし、あそこの男性の吐瀉物は・・・」
探検者ギルド支部長「アンタの用が済んだら片付けるよ」
探検者ギルド支部長「それで、アンタは何の用だい? ウチで探検者に成りたいのか?」
勇者の小姓「いえ、違う用があって来ました──」

〇怪しげな酒場
勇者の小姓「実は私は、さる高貴な方の名代としてこのギルド支部に来ました」
探検者ギルド支部長「高貴な方・・・貴族様ですかい?」
勇者の小姓「そうでも在るのですが・・・」
勇者の小姓「今は、教会での高貴なご身分をお持ちの方です」
探検者ギルド支部長「そんなお方がウチの様なギルドの支部に何のご用で?」
勇者の小姓「────」
  男は周りを見渡し、こちらの話を聞く者が居ない事を確かめてから続きを話す
勇者の小姓「──ここだけの話ですが、近々大規模な聖務が計画されています」
探検者ギルド支部長「ソレは──俺なんかが聞いても良い話なんですかい?」
勇者の小姓「隠しきれない大規模なモノですので、一部ではもう知られている情報です──」
勇者の小姓「ここの探検者ギルドの支部長ならば、事情を知っても何も問題は無いです」
勇者の小姓「コレを・・・」
勇者の小姓「教会の──この街の支部長からの紹介状です」
探検者ギルド支部長「・・・・・・」
探検者ギルド支部長「・・・解りました、貴方の話を信じますよ」
探検者ギルド支部長「そして教会からの用件、この紹介状にも書いている依頼は──」
勇者の小姓「ええ、亜龍討伐を成した女性に──」
勇者の小姓「魔王討伐隊への参加を要請します」

〇怪しげな酒場
  娘は日頃からよく探検者ギルドに顔を出していた──
  最新の依頼の有無を確認し、酒場を兼任するギルドで睨みを利かせる為である
魔女(──アタシの見たことの無い・・・スゴいイケメンが居るねぇ)
魔女(何だい? 支部長が激しいハンドサインを送ってる?)
探検者ギルド支部長(オマエ、ヲ、サグッテル!)
魔女(・・・・・・ふーん)
  娘も小さな手振りで返す
魔女(支部長、続けてさせておくれ ここでコッソリ聞かせて貰うよ)
探検者ギルド支部長(分かったぜ!)

〇怪しげな酒場
  見慣れぬ男はその要望、魔王討伐とやらの事情を話し始めた
  世界の中心への路を、長きに渡って塞ぐ邪悪な魔王を、当代の『勇者』が──
  いよいよ討伐の神託を神より受け、その為の軍勢と精鋭を募っている──とのこと

〇怪しげな酒場
魔女(──アタシをスカウトしに来たのか)
魔女(亜龍なんて目立つ相手とハデにやり合っちまったせいだねぇ)
魔女(ますます人斬りしにくくなっちまう)
魔女(しかし、魔王討伐かい・・・)
魔女(神託とやらは建前だろうけれど・・・神殿は当代勇者の力に自信が在るのかねぇ?)
魔女(魔王に返り討ちされた先代よりも──?)
魔女(魔王も、勇者も、少し興味が出てきたけれども──)
魔女「・・・・・・」
魔女「コッチの方が興味あるねぇ──」
勇者の小姓「うわ!? ビックリした! この女性、いつの間に俺の背後に?」
勇者の小姓「アナタ、もし今の俺達の話を聞いていたのなら──」
魔女「問題無いハズさ」
魔女「アタシが──アンタの探していた魔女だよ」
勇者の小姓「えっ! 本当ですか?」
探検者ギルド支部長「──本当だ ソイツが亜龍を討伐した魔女だ」
勇者の小姓「そうでしたか・・・私は、当代勇者の小姓をしております──」
勇者の小姓「ヴァンと申します」
勇者の小姓「この度は──」
魔女「魔王討伐だそうだね? 凄く興味深い話だと思うから、アッチの席で詳しく聞かせて貰おうじゃあないか」
警備兵の男「えっ? あ、ハイ・・・」
  娘は男の背を隅の卓へと押してゆく
魔女「支部長──」
探検者ギルド支部長「お、おう、なんだ?」
魔女「ワインとツマミ──あとは火酒と氷も持って来ておくれ」
探検者ギルド支部長「へい、毎度あり・・・」
探検者ギルド支部長「・・・・・・?」
探検者ギルド支部長「ああ! ・・・へーぇ・・・そういう事か」
探検者ギルド支部長「よし、それじゃあ・・・ いつもより良い酒でも開けてやるか」

〇怪しげな酒場
  ──数時間後──
勇者の小姓「──ウン、ウン、俺がこきょぅに帰るのに」
勇者の小姓「あのクソゆうしやに──をー はたらかれないろ──」
魔女「うんうん、そうだねぇ・・・」
魔女「フフッ、可愛いねぇ・・・」

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コメント

  • ゆうべは おたのしみでしたね。

    いやあの魔女さんに限ってそれだけとは思えないんですけど……(深読みしすぎ?😅)

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