42再醒:【最終回】さらなる世界へ...(脚本)
〇研究装置
デミル「こんな殺風景な所でいいのかな?」
レドイ「うん。だいじょうぶ。」
レドイ「あのね、デミルさんにお願いがあるの。」
デミル「私にできる事であれば、力になろう。」
レドイ「私をドリーミング型ロボットにして。」
デミル「これは驚いたな...」
デミル「しかし、良い答えだ。」
デミル「ネフテくんを追いかけるんだね。」
レドイ「うん。」
レドイ「ネフは、私がやりたい事を見つけて喜んでた。」
レドイ「だから、私も嬉しくて、それで良いのかな、と思ってたんだけど...」
レドイ「やっぱりそれじゃダメだった。」
レドイ「私は、ネフのことじゃないと、動けない。」
レドイ「またネフから呆れられるかもしれないし...」
レドイ「嫌われるかもしれないから、怖いけど...」
レドイ「このまま一生会えない方が...」
レドイ「私は怖い...!」
デミル「...」
デミル「分かった。」
デミル「レドイ君の気持ちは、ようく分かったよ。」
デミル「君をドリーミング型ロボットにしよう。」
レドイ「ありがとう。お願いします。」
〇黒
それから半年後...。
〇研究装置
レドイ「ん...」
レドイ「...」
レドイ「わぁ!すっごくかっこよくなってる!」
レドイ「ネフとお揃いだー!」
デミル「レドイ君!目覚めたか!」
レドイ「あ、デミルさん!」
レドイ「上手くいったんだね!ありがとう!」
デミル「上手くはいったのだが...」
デミル「ネフテくんと同等の性能にすることはできなかったんだ。 すまないね...。」
レドイ「え!?それってどういうこと!?」
レドイ「ネフを追いかけられないの!?」
デミル「いやいや、そうではない!」
デミル「ネフテくんの後を追いかけることはできる!」
デミル「というか、それしかできない、かもしれないんだ。」
デミル「世界を渡るには、夢を見る必要があることは伝えたね?」
レドイ「うん。」
デミル「0から1を生むような夢をみる為には、脳に広がりがなければならない。」
レドイ「...?」
デミル「え、えーと...発想の広がりや、多角的な視野、などが必要と言えるだろう。」
レドイ「うん。」
デミル「レドイ君の脳を解析した結果、その広がりは、世界を渡るには十分ではない。」
デミル「つまりは、ネフテ君のように、自由に世界を渡ることはできそうにない、ということだ。」
レドイ「うん。」
レドイ「でも、ネフの後は追いかけられるの?」
デミル「それは問題ないだろう。 ネフテくんが一度行っているから、こちらから探しやすい。」
デミル「加えてレドイくんの強い願いがあるから、ネフテくんが行った世界を、より探しやすくなる。」
レドイ「それなら大丈夫!」
デミル「良かった。そのことがずっと気がかりでね、ようやく肩の荷が降りたよ。」
レドイ「それじゃぁすぐに出発しよう!」
デミル「では、最終メンテナンスと...」
デミル「世界の折り目を開く為に、ネフテ君の夢を、レドイ君に渡しておこう。」
〇黒
〇沖合(穴あり)
レドイ「わぁ!本当に開いた!」
レドイ「すごい!すごい!」
デミル「上手くいって良かった。 他人の夢を人間に渡すのは、初めてのことだからね。」
レドイ「この先が、ネフへ繋がっている...!」
デミル「向こうの世界で再会できることを、心から願っているよ。」
デミル「気をつけていってらっしゃい。」
レドイ「本当に色々とありがとうございました!」
レドイ「それでは!」
レドイ「ドリーミング型ロボット:レドイ!」
レドイ「行ってきます!!」
デミル「二人とも、無事に戻ってくるんだよ。」
デミル「私はここで、永遠に君たちを待っている。」
〇黒
まさかレドイちゃんも、ドリーミング型ロボットになるとはね...!
案外、度胸があるんだ。
というか、ネフテちゃんのことがとっても好きだからよね♪
これから二人は、新しい世界、エディンバラで、ちゃんと出会えるのかしら...。
今から観測がとっても楽しみね☆
観測地:(呼称)休眠世界
記録者:宇野木真帆
二人共いきいきとしていて物語上の役割に縛られるばかりでなかったのが個人的に嬉しかったです。
ネフテがレドイちゃんの覚醒を促しましたが、レドイちゃんは、ネフテの想定外の行動を自発的にして、ネフテも、初期は機械的なドライな振る舞いだったのが素直になれないやさしい姉って風になっちゃって、内面的に半分ロボットだった二人が(身体的にロボットですが)微笑ましい人間らしさを発揮していくのがよかったです。