エピソード7 ライバル(脚本)
〇渋谷の雑踏
〇アパレルショップ
店員(服だっさぁ・・・)
井上卓「これかっこよくない?」
林杏子「サイコーだ!」
店員(ジジくさ!?)
林杏子「なぁなぁ!これ私に似合うか?」
店員(ウエディングドレス・・・ どんな買い物💦)
井上卓「うん!ママにぴったりだよ!」
店員(ママ?)
林杏子「の、のどが乾いたな・・・ ちょ、ちょっとその・・・ カ、カカ、カフェに・・・」
井上卓「カフェ?喫茶店の事だよね? うん!行こっか!」
林杏子「よ、よし・・・行くぞ」
店員「ママが息子に恋をしてる? どう見ても同じぐらいの年齢にしか見えないけど・・・」
店員「闇が深い・・・これが令和か」
〇テラス席
林杏子(もうデートじゃん!誰がなんと言おうとデートじゃんこれ!)
林杏子(って何をやっているのだ!?私はウォリアンだぞ!世界を征服するために・・・)
井上卓「かわいいね!」
井上卓「甘い物食べて笑ったり!買い物して楽しんだり!怒ってるママよりそっちの方がかわいい!」
林杏子(・・・いつそんな台詞を覚えた)
林杏子「そういう事! 私以外の女に言ったりするなよ!」
井上卓「うん!」
林杏子「井上卓・・・学級委員長・・・中野葉月をどう思っているのだ?」
井上卓「どうって?」
林杏子「だからその・・・好き・・・なのか?」
井上卓「うん!好き!」
林杏子「それはあれか!?ライクかラブか!?」
井上卓「ん〜・・・よくわかんない」
林杏子「それは自分の気持ちがどっちなのかわからんという事か!?」
井上卓「言葉の意味はわかる」
井上卓「だけどライクとラブの違いがわからない どっちも好きって意味でしょ?」
林杏子「そういう事か!それはだな・・・」
林杏子「私もよくわからん・・・」
井上卓「ママは真鳥君の事好き?」
林杏子「嫌いに決まってるだろ!大っっっ嫌い!」
井上卓「それはどういう意味?」
林杏子「意味もクソもない!嫌いは嫌いだ!」
井上卓「へ~好きにはたくさん意味があるのに嫌いは一つだけ 不思議だね!」
林杏子「全く・・・イライラしたら腹が減ってきた」
林杏子「お!ここパフェがあるぞ!クリームぜんざいも!な!?チーズケーキだと!?」
林杏子「私を太らせる気か!」
井上卓「はは!ホントかわいい!!」
林杏子「やめろよそういう台詞・・・」
井上卓「甘い物好きなんだね!それはライク?ラブ?嬉しそうで思わずこっちも楽しくなっちゃう!」
井上卓「それにさっきから言葉遣いも女の子っぽくってとってもいい!」
林杏子「はぁ!?何を言う貴様!私のどこが女っぽいと・・・」
井上卓「ママこれって・・・」
林杏子「行くぞ!」
〇渋谷の雑踏
ブリリアンス「部品調達をするため街に来てみたら偶然奴らを発見した・・・」
ブリリアンス「説明しよう!街で買い物をする時このバーチャル変装機で私とわからぬよう別の生物になりすまし人間の目を欺いているのだ!」
変装ブリリアンス「こうして全く目立たず人間に溶け込む事ができてしまうというわけだ!わっはっは!」
変装ブリリアンス「ウォリアン様に怪人作製の中止を命令されたが こんな機会滅多にない!」
変装ブリリアンス「怪人よ!井上卓!そしてあの女を抹殺・・・」
変装ブリリアンス「やはり部品不足か!?まさか怪人が井上卓と互角の強さとは・・・マトリクスを作製したのがあだとなったか!」
変装ブリリアンス「先にハンズで部品買ってから怪人作ったらよかったー(´;ω;`)」
林杏子(井上卓のあの動き・・・)
変装ブリリアンス「ジ・ブラック!?」
林杏子「今回はお前の出番はないようだ」
林杏子「私が考えた練習メニューを毎日やっていたみたいだな 動きでわかる 以前よりかなり上達している」
井上卓「うぉ~!!」
ブヒン・ガ・ナイ「なんでこ~なるの!」
変装ブリリアンス「な!?なんて事だ!? いくら部品不足とはいえあの井上卓が怪人を倒すだと・・・」
変装ブリリアンス「たった一人で・・・」
林杏子「すごいじゃないか卓!よくやった!」
井上卓「ママのおかげだよ ママが僕を強くしてくれた・・・」
ジ・ブラック「違う それだけじゃない」
林杏子「あ!?何が言いてぇんだ貴様ぁ!?なめた事言ってるとぶち殺すぞぉ!」
ジ・ブラック「お前は指示された特訓メニューよりも さらに厳しい修行を独自にしているな?」
林杏子「なんだと!?」
井上卓「うん・・・もっともっと強くなりたくて」
井上卓「たくさんの人が苦しんでる・・・こんなんじゃダメだ・・・もっと強くならないと・・・」
林杏子(いや、街がこうなったのは私のせいだ・・・卓の修行のためと私は他の人間など気にもせずほったらかしに・・・)
ジ・ブラック「足りない まだまだ修行不足だ」
林杏子「あんだってぇ!?」
ジ・ブラック「お前はこれで井上卓が完成されたと思っているのか?」
林杏子「それは・・・」
ジ・ブラック「甘やかすな」
ジ・ブラック「まだやるべき事は山程ある 師匠ならもっと厳しく育てろ」
林杏子「貴様この前は甘くしろとかなんとか言っていたではないか!次は厳しくだと!?矛盾してるぞ!」
ジ・ブラック「メンタルケアをしろとは言ったが甘くしろとは言っていない 一体何を聞いていたのだお前は」
ジ・ブラック「心技体をよく学び もっともっと強くなれ」
ジ・ブラック「敵は・・・すぐそこまで来ているぞ」
林杏子(敵?レジスタンスの事か!? だが今は休止中・・・ いや、それをブラックが知っているはずがないのだが・・・)
林杏子(っていうかブリリアンスめ!いつもいつも勝手なまねをしおって!怪人は造るなと言ったのにぃぃ!!)
ジ・ブラック「さらばだ」
林杏子「ちょっと待てぃ!貴様の言う敵とはなん・・・」
井上卓「ムーチー博士!」
林杏子「は?・・・なんて?」
井上卓「あなたは・・・ ムーチー博士なんじゃないの?」
林杏子「こ・・・こいつが?」
ジ・ブラック「何故そう思った」
井上卓「だって僕の事に詳しいから・・・ まるでずっと前から知ってるみたいな・・・」
林杏子(確かに奴が博士であるなら卓の肉体に適した訓練を指導する事は容易いはず・・・)
林杏子(だが奴は私の名前を知っていた ムーチーと私は面識がない・・・ 従って博士とブラックが同一人物とは考えにくいのだが・・・)
井上卓「ムーチー博士!どうしても最初の井上卓の事を知りたい!教えて!」
林杏子「待て!まだブラックがムーチーとは・・・」
林杏子「真鳥!?」
井上卓「中野さん!?」
真鳥久須(く!?なんだよ!こいつ聞いていたより強いじゃねぇ!仕方ねぇ・・・)
真鳥久須(真の姿になって力を解放するしか・・・!)
真鳥久須(こいつらに怪人だとバレるのはまだまずいか・・・)
真鳥久須(どうする!)
真鳥久須「まちやがれ!」
真鳥久須「くそ!」
〇スペイン坂
林杏子「貴様らしくない 大人しいじゃないか」
中野葉月「別に」
林杏子「まぁ私にはどうでもいいが」
林杏子「で?あそこで何をしていた?まさか貴様らも私と卓みたいにデートを・・・」
林杏子「あ!いや・・・なんでもない・・・」
中野葉月「・・・」
真鳥久須「てめぇ!」
真鳥久須「お前・・・1人で怪人を倒したな・・・」
井上卓「・・・うん」
真鳥久須「井上にそんな力があったとはな あの時は俺に手を抜いていたのか? なめたマネしやがる」
井上卓「そういう事じゃ・・・」
真鳥久須「あの力・・・」
真鳥久須「井上卓・・・おめぇマジでストライ・・・」
中野葉月「帰る」
林杏子「お?そうか」
真鳥久須「はぁ!?俺の服どうすんだよ!」
真鳥久須「あ!おい中野!」
真鳥久須「ったくめんどくせぇな・・・」
真鳥久須「あのね!今あいつに杏子ちゃんとデートする服選んでもらってるんだ!嫉妬すんなよ!俺の心は君のものさ!」
林杏子「嫉妬してない。私はお前のものじゃない。早く行け」
真鳥久須「素直じゃないんだからー!」
真鳥久須「はは!じゃあね!デート楽しみにしてるよ!」
林杏子「あー!マジであんな奴とデートするの嫌だー!」
林杏子(・・・心のケアか)
井上に手を差し出す杏子
林杏子「日が暮れてしまう 服買いに行くぞ」
杏子の手を握り返す井上
井上卓「うん!」
変装ブリリアンス「なぜマトリクスが奴らと楽し気に話しているのだ・・・」
〇渋谷駅前
中野葉月(さっき・・・林杏子は自分の事を『俺様』じゃなく『私』と・・・ 『井上卓』を『卓』って呼んでた・・・)
真鳥久須「いたいた!待てよ!」
真鳥久須「なんだよ急に!服選んでくれる約束だろ!」
中野葉月「約束はしてない」
真鳥久須「・・・怒ってんの?」
中野葉月「いや ぜんぜん まったく これっぽっちも」
真鳥久須「あーめんどくせぇなこいつ!」
中野葉月「何?」
真鳥久須「き、聞こえてんのかよ地獄耳!」
中野葉月「違うから」
中野葉月「井上卓はストライマンじゃない」
真鳥久須「は!?」
中野葉月「今までずっと井上卓を見てきた 私が言うんだから間違いない」
真鳥久須(嘘はついてないみたいだ・・・ まぁ中野が俺に嘘つく理由はねぇし・・・)
中野葉月「あ!あの店行ってみたかったとこだ!」
中野葉月「ほら!行くよ!服欲しいんでしょ! 言っとくけどあんたのおごりだから! 爆買いしてストレス発散してやる!」
真鳥久須(めんどくさい・・・ っというかよくわからん!!)
真鳥久須「おごりってなんだ?」