エピソード12(脚本)
〇倉庫の裏
高島の足が震えている。
田中正義「・・・私にも、妻と息子がいました」
高島守「いました・・・ですか?」
田中正義「ええ。3年前にサイレントに殺されました」
高島守「・・・そうでしたか」
田中正義「私がマモルンダーになったのは、2人が殺されてから一週間後のことです」
高島守「!」
田中正義「今でも悔やみきれないですよ」
田中正義「その力をあと一週間早く手に入れていれば・・・あの2人は死なずに済んだのではないかって」
高島守「田中さん・・・」
田中正義「ご家族を救えるのは、あなただけですよ」
高島守「よかったです」
田中正義「?」
高島守「田中さんに早く出会えて」
田中正義「はい」
サイレント「やってくれたな」
サイレント「だが、結末に変わりはない」
田中正義「高島さん。もう、甘えは禁物ですよ」
田中正義「サイレントは、正体を知っている者を根絶やしにします」
高島守「わかってます」
サイレント「死ねえぇぇ!」
迫ってくるサイレント。
田中正義「これでもくらえ!」
田中が光線銃を放つ。
サイレント「甘い!」
田中正義「しまった」
高島守「よくも家族を!」
高島パンチを繰り出すが、サイレントはそれをかわして高島に蹴りを入れる。
高島守「うっ」
慌てて光線銃を取りに行く田中。
サイレント「行かせるかぁ!」
田中正義「ぐあぁぁっ」
意識を失う田中。
高島守「田中さん!」
サイレント「死ね高島ぁ!」
〇古い倉庫の中
高島守「うう・・・強すぎる」
サイレント「弱い。弱すぎるぞ高島」
サイレント「そのベルト、持ち主でこうまで違うとはな」
サイレント「お前のおかげで、今日で天敵とはお別れできそうだよ」
高島守「これ以上、犠牲者を増やさせはしない」
高島守「負けてたまるか!」
サイレントに向かって行く高島。
大きく飛び上がるサイレント。
高島守「なにっ」
高島守「ぐあぁ」
サイレント「お前を殺して、あの男にとどめを刺す」
サイレント「そのあとは、お前の家族と鬼ごっこの始まりだ」
高島守「俺の家族には、絶対に手出しはさせん」
サイレント「どの口が言う。終わりだぁ!」
大きく腕を振り上げるサイレント。
その手先は鋭い。
高島守「くっ。ここまでか」
サイレントに石がぶつかる。
サイレント「ん?」
高島弘美「バーカ! パパから離れろ!」
サイレント「・・・お前とあの娘。 どっちを先にいただこうか」
高島守「弘美! 俺はいいから逃げるんだ!」
高島弘美「大学行かなくていい?」
高島守「は? 今、そんなこと言ってる場合じゃ——」
高島弘美「大学に行かなくていいなら逃げてあげる」
再びサイレントに石を投げつける弘美。
高島守「わかった。 わかったから今すぐここから逃げるんだ」
サイレント「決めた。あの娘を先に殺す」
高島守「なっ、待て!」
サイレント「その方がお前も苦しむだろう?」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
シュールな感じが結構好き。